犬の血圧の正常値は?高血圧や低血圧の見極めや測定方法まで

犬の血圧の正常値は?高血圧や低血圧の見極めや測定方法まで

犬の血圧って、気にしたことありますか?そもそも、どうやって犬の血圧を測るのか、想像もつきませんね。血圧は心臓から血管に血液を送り出すための圧力で常に変化するものですが、常に正常値から外れていれば何らかの病気が隠れています。しゃべれない犬は、体の不調を教えてくれません。愛犬の不調をいち早く気付いてあげられるように、犬の血圧について知っておきましょう。

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犬の血圧の正常値は?

伏せて上目遣いをする犬

愛犬の健康管理はどうしていますか?健康なわんちゃんであっても、年に1度や半年に1度など、動物病院での健康診断を受けている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

健康管理や病気の予防に、自宅で愛犬の体温や吸数数、心臓の音をチェックすることはあっても、愛犬の血圧までは測ることはありませんね。動物病院の健康診断でも同様です。

近年では、無麻酔で犬の血圧を測定できる機器もあり、自宅で日常的に愛犬の血圧測定をする飼い主さんも増えてきました。

犬の血圧の正常値を知っていち早く異常を発見できるように、健康なわんちゃんも病気を患っているわんちゃんも、日々の健康管理に役立ててくださいね。

犬の血圧の正常値

犬の血圧の正常値は、収縮期血圧(最高血圧)が150mmHg未満です。人間の健康診断でよく「上が120で下が80です。」なんて、看護師さんから聞いたことがありませんか?

この「上」というのが収縮期血圧となります。「下」は拡張期血圧(最低血圧)となり、70~120mmHg、平均血圧は100mmHg前後が一般的な正常値です。

高血圧との境界ラインは150~159mmHgとなっていますが、健康な状態で血圧測定をする犬の数が圧倒的に少ないことや、体の大きさや犬種などの個体差もあり、正確な平均値のデーターはまだありません。愛犬が健康なときの血圧の数値をおおよその正常値とし、判断するといいでしょう。

犬の高血圧

一般的に犬が高血圧とされる値は、収縮期血圧が160~179mmHgです。一時的ではなく、持続的に上昇している状態を高血圧と診断されます。

犬の健康状態によっては収縮期血圧が150mmHgを超えた時点で、降圧剤投与の治療が必要となります。収縮期血圧が180mmHg以上であったり、拡張期血圧が120mmHg以上である場合は、重度高血圧となります。

高血圧とは、血管の壁に大きな負担がかかり、心臓から血管に十分な血液が送り出されていない状態です。心臓の肥大を引き起こしたり、血管に対して圧力がかかり過ぎて負荷に耐え切れず、血管が破裂してしまうこともあるため注意が必要です。

基本的に犬の高血圧は二次性高血圧となり、何らかの疾患が高血圧の原因となっています。

犬が高血圧になると無症状のこともありますが、食欲不振や心雑音、胸水の他に、網膜内の浮腫や出血、網膜剥離、瞳孔が開きっぱなし、突然の失明といった眼の障害が多くみられます。

犬の低血圧

犬が低血圧とされる値は、収縮期血圧が80mmHg以下が一時的ではなく持続する、もしくは平均血圧が60mmHg以下であれば低血圧と診断されます。

人間であれば低血圧は特に重要視されることはありませんが、犬の低血圧では原因を特定する必要があり、動物病院で検査をすれば原因のほとんどを特定することができます。

低血圧が続いてしまうと、活動性が低下したり、寒さに弱くなってしまったり、食欲不振や色素沈着、皮膚が乾燥しやすいといったことがみられます。

犬の血圧異常で考えられる病気

病院の診察台に横たわる犬

人間であれば、原因がわからない本能性の血圧異常が圧倒的に多く、何らかの疾患が原因となる二次性の血圧異常はそれに比べると少ないですが、犬の血圧異常は二次性のものがほとんどです。

上記でも触れましたが、血圧の値が正常値から外れている場合は、何らかの疾患が原因となっているため、動物病院を受診してくださいね。ここでは、犬の血圧異常で考えられる病気を見ていきましょう。

腎臓疾患

腎臓疾患には「急性腎不全」と「慢性腎不全」があり、慢性腎不全を抱える犬の60%が、高血圧であるとされています。犬の血圧を測定して、高血圧であった場合に考えられるのは腎臓疾患が1番に疑われるほど。

急性腎不全は腎臓に毒性のあるものを口にしてしまったり、極度の脱水で腎臓に血液が行き渡らない、結石などで尿路閉塞を起こし体外に尿を排出できない、といったことで引き起こされますが、急にぐったりして嘔吐をする、おしっこをしようとしても出ないといった症状ですぐにわかり、動物病院で処置をすることで改善します。

しかし、慢性腎不全では初期症状がほとんどなく、気づくことは難しいです。腎機能の50%以上が失われてから初めて、体重減少、毛艶が悪くなる、多飲多尿、おしっこの色が薄い、活動性が低下する、嘔吐などの症状が表れる怖い病気です。

失われた腎機能が回復することはなく進行性で、悪化すれば急性尿毒症となり数時間で命を落としてしまいます。

動物病院で投薬や点滴などの治療を行うことで、症状を抑え、進行をゆるやかにすることができます。慢性腎不全の予防法はないため、日頃から血圧や体温測定を行い、少しでも異常があるようであれば動物病院を受診することで早期発見、早期治療が可能になります。

心疾患

犬の血圧の異常で疑われる病気は、心疾患です。主に低血圧であるときは、心疾患を疑います。心疾患はフィラリア症や心筋症、先天性の心奇形、弁膜症、など様々あります。

その中で最も多いのが、僧帽弁閉鎖不全症で、進行すれば三尖弁閉鎖不全症となることもあります。これらの心疾患は、心不全と言います。

心臓は全身に血液を送り出すための大切な臓器。生命活動を行うために、休むことなく必死に働いてくれています。

健康な犬であれば、心臓の筋肉や弁が規則正しいリズムで動き、血管に血液を送り出してくれますが、心不全となれば全身に血液を送り出すことができなくなり、酸素や栄養の不足で咳や呼吸困難、食欲不振、お腹や胸、体全体に水が溜まる、といったことが起こります。

心不全はすべての犬のうち10~15%に起こるとされ、10歳を超えた犬の30%以上が心不全であると言われています。

犬が亡くなる死因の1位は「ガン」ですが、心不全は2位。心不全は進行する病気ですが、早期発見によって投薬で進行を遅らせたり症状を抑えることができます。

クッシング症候群(副腎皮脂機能亢進症)

高血圧である場合、慢性腎不全に次いでクッシング症候群(副腎皮脂機能亢進症)も疑われます。クッシング症候群は、副腎から分泌されるホルモンの量が多すぎることで体に悪影響を与える病気で、免疫力の低下によって他の疾患を併発しやすくなります。

脳下垂体から出る副腎皮質刺激ホルモンの影響によって、副腎はコルチゾールというホルモンを分泌するのですが、脳下垂体や副腎に腫瘍ができることで過剰にコルチゾールを出してしまうのです。

早期に治療を行えば、投薬や手術によって改善されますが、治療が遅れ重篤化してしまうと、命に係わることもあります。

エコー検査で左右の副腎の大きさが明らかに違えば、クッシング症候群を疑われ特殊な血液検査で確定診断が行われますが、普段の様子で多飲多尿、食欲旺盛、左右対称の脱毛、呼吸が早い、散歩に行きたがらない、疲れやすいといった症状がみられれば動物病院を受診してくださいね。

糖尿病

犬の低血圧で疑われる病気として、糖尿病があります。糖尿病は脾臓細胞からインスリンが出ない、もしくは出にくくなっている、インスリンは出ているが作用しない、といったことで血液中の糖が増えてしまう病気です。

糖尿病の症状は、多飲多尿、脱水、食べても痩せていく、後ろ足の虚弱、といったものがあります。糖尿病の怖いところは、白内障や腎疾患、肝疾患、感染症などの合併症を引き起こすことです。更に重症化してしまうと、神経障害や昏睡となってそのまま命を落としてしまうことも。

血糖値が上がりやすい食事、ストレスを抱えている犬、肥満犬、避妊手術を受けていないメス犬に多くみられる病気ですが、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や甲状腺機能低下症、脾臓疾患、炎症性疾患を患っている犬も併発しやすいので注意が必要です。

緑内障

犬が高血圧である場合、緑内障などの眼の疾患も考えられます。高血圧の症状で網膜内の浮腫や出血、網膜剥離などもみられますが、素人では緑内障と判断をわけるのは難しいです。緑内障は、眼球の圧が上昇して視神経に障害を起こし、最終的には失明してしまう恐れのある病気です。

失明してからも激しい痛みが続くため、食欲不振や元気喪失などの症状が続き、改善するためには眼球摘出手術が必要となることも多いです。初期であれば眼圧を下げる目薬などで進行を遅らせることができ、痛みも軽減してあげられます。

犬の血圧測定方法

病院で血圧を測る犬

犬の血圧の異常で考えられる病気を見ると、どれも早期発見がカギとなっていますね。でも、犬の血圧測定とは、どのような方法で行うのでしょうか?

【レンタル エルデ】

犬の血圧を自宅で測る際に必要な機器やその方法について○で分けて紹介してください。

犬の血圧計

エルデ ペット用血圧計PES-1700
¥27,237円(税込)

犬の血圧計は数種類販売されていますが、おすすめは「エルデ ペット用血圧計」です。収縮期血圧と拡張期血圧、平均血圧、脈拍数が見やすくデジタル表示され、折れ線グラフ表示やデータを集約して表示してくれる機能も付いています。

自宅のパソコンに接続すれば、データをとり込んで管理できるソフトウェアも無料で使用することができます。人間のように腕帯(カフ)を腕に巻いて使用するタイプで、前足、後ろ足、しっぽの付け根で測ることができますよ!

犬用の血圧計は高額なため、いきなり購入するのはちょっと...と悩んでしまう場合は、半月や1ヶ月単位でレンタルしている会社もあるので、利用してみてはいかがでしょうか。

動物病院によっては、自宅貸し出し用の血圧計を用意しているところもあるので、獣医師さんに相談してみるのもいいでしょう。

犬の血圧の測り方

犬の血圧の測り方は、肘の関節と手根関節の間に腕帯(カフ)を巻きます。巻いた場所が犬の心臓の高さになるように、腕を軽く支えてあげたり、抱っこしたり、しっぽに巻いた場合では、4本足で立たせ、動かないようにしっぽや体を軽くおさえます。

後はスタートボタンを押して、測定が終わるまで待つだけなので簡単ですね。できれば3回~5回測り、2回目と3~5回目の平均で収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧の値を出すようにします。

犬の血圧を測る時の注意点

愛犬の血圧を測るときは、腕帯(カフ)を巻いた位置が、心臓と同じ高さになるように注意してください。くつろいでいるタイミングや安静時に測定することが重要となります。

ストレスや興奮、脅え、食事のすぐあと、お散歩の後などは血圧が上昇し、正確に測定することができません。

また、いつも決まったタイミング、決まった部位で行うと血圧の異常がすぐにわかっておすすめです。

まとめ:愛犬の健康管理に血圧測定を追加しよう!

笑顔のポメラニアンと聴診器

今回は、犬の血圧についてご紹介しましたがいかがでしたか?犬の血圧の異常は、様々な病気のサインであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

動物病院でも希望すれば血圧を測定してくれますが、調子が悪かったり病気の治療中でもなければ、なかなか頻繁に足を運ぶことはありませんね。

犬を飼っていれば、誰もが愛犬に少しでも元気に長生きしてもらいたいと願い、食事に気をつかったり、体温や呼吸数、心臓の音を確認したりと、それぞれの方法で健康管理に気を配っていることでしょう。

犬はしゃべれません。だからこそ、飼い主さんが少しの不調を見逃さないことが病気の早期発見につながります。血圧は特に体調の変化がわかりやすく、健康管理にも役立つものです。

そのときだけ測っても、普段の正常値がわからなければ判断しづらいですね。愛犬の健康維持のためにも、血圧測定を習慣化してみてはいかがでしょうか。

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