犬の『寝相』には心理状態が表れている!?
睡眠の8割がレム睡眠(浅い眠り)であることから多くの睡眠時間が必要となる犬は、一日の大半を寝て過ごしています。そのため、飼い主さんは愛犬が寝ている姿を目にすることが多く、人と同様に犬の寝相にもさまざまなパターンがあることに気づくのではないでしょうか。
じつは犬の寝相には、そのときの心理状態が表れていると言われています。そこで今回は、5つの寝相のパターンから、犬の気持ちを紐解いていきたいと思います。
寝相パターン①うつ伏せ
フセの体勢で眠るうつ伏せ寝は、犬の定番の寝相ですね。リラックスして眠っているように見える寝相ですが、じつは警戒度がやや高め。危険を察知したらすぐに体を起こして逃げ出すことができる体勢を取っています。うつぶせ寝をしているときはレム睡眠であることが多く、物音などに敏感に反応します。
うつ伏せで寝ているときに床に顎をつけるのは、顎の骨から伝わる振動をキャッチして、何かが近づいてきている気配を敏感に感じ取るためです。
監修ドッグトレーナーによる補足
まずはこの姿勢から寝始める犬も多いと思います。そのため、この姿勢で寝てるからといって、必ずしも悪い訳ではありません。睡眠が進めば姿勢はよりリラックスしていきます。
寝相パターン②丸まる
手足を体の中に折り込むようにして丸くなって眠るのも、犬によく見られる寝相です。まるでアンモナイトのように見えることから、「ワンモナイト」呼ばれることも。そのほか、「ドーナツ型」や「くるりんぱ寝」といった呼び名がつけられています。
犬が丸まって寝ているときの心理はいくつか考えれます。まず考えられるのは、寒いということ。人間が寒さを感じると体を小さく縮めるのと同じように、犬も体を小さく丸めて熱が奪われるのを防ごうとします。
寒くて丸まっているのではなさそうなら、警戒モードなのかもしれません。安心できない状況であるために、体を丸めて急所であるお腹を守りながら寝ていると考えらます。
ずっと丸まったままで食欲や元気がない場合は、具合が悪い可能性があります。動物病院を受診しましょう。
寝相パターン③横向き
四肢を投げ出した横向きの寝相は、犬にとって楽な姿勢ですが、危険が迫ってもすぐに立ち上がることはできません。快適で安全と思える環境の中でなければ、この寝相で寝ることはできないでしょう。つまり、安心してリラックスしているということです。
ただし横向きで荒い呼吸をしているときは、注意が必要です。暑さを感じていて、体温を下げるために横向きになっている可能性があります。室温が高くないか、また愛犬の体調が悪くないかチェックしましょう。
寝相パターン④ちょっぴり丸まる
横を向いて、ちょっとだけ丸まって寝ることもあります。ちょうど、横向き寝とワンモナイトの中間の寝相です。この寝相のときは、リラックス度はやや高めですが警戒心もあり、小さな物音で目を覚ましたりします。心理状態も、横向き寝とワンモナイトの中間といったところですね。
寝相パターン⑤仰向け
おへそが天井に向いていることから「へそ天」と呼ばれることもある仰向け寝は、急所であるお腹を堂々とさらして寝ることになります。もし敵に襲われたら、ダメージは甚大です。それにも関わらずこの姿勢で寝るのは、安心しきっている証拠。緊張のかけらもない、究極のリラックス状態と言えるでしょう。
へそ天は、「誰も襲ってくる相手はいない」あるいは「何かあっても守ってもらえる」と、飼い主さんを信頼しているからこそできる寝相なのです。
まとめ
ご紹介したように、犬の寝相にはさまざまなパターンがあり、そのパターンによって心理が異なります。愛犬の寝相を「かわいいなぁ~」と眺めるだけでなく、時には愛犬の心理状態を読み取ってみましょう。愛犬の本音がわかります。
愛犬がかわいい寝相や不思議な寝相をしていると、ついかまってしまいたくなることもあるでしょう。でも睡眠は、愛犬の心身の健康を維持する上で大切なものです。睡眠を妨げないように、そっと見守ってあげてくださいね。