犬はなぜ食欲旺盛なの?
小型犬の中には食が細く、あまり食べられない子もいますが、中型犬や大型犬は個体差はあるものの食欲旺盛な子がとても多いものです。ごはんを食べ終わっても「おかわり!」と催促する子もいるほど。犬の昔からの習性や胃袋の大きさに理由があるようです。
野生時代の名残り
もともと犬は狩りを行い獲物を食餌としていた生き物です。狩りは必ず毎日成功するわけではないので、食べることが出来ない日が数日続くことももちろんありました。そのため、狩りに成功したときは、食べることが出来るだけ少しでも多く食べることが必要だったのです。その習性が現在の犬にも残っていて、お腹が空いていなくても食べる物があると食べてしまいます。
犬の胃袋は大きい?
小型犬と大型犬で身体のサイズが違うので一言で「犬の胃袋は大きい」とは言えませんが、人間の胃袋の大きさと比率を比較すると容量が大きいのは確かです。身体の大きい大型犬の胃袋は、人間と比べると約3倍の容量をもっているほど。満腹感を得ることもあまりないようです。狩りが成功した時にたくさん「食いだめ」をすることができる身体の仕組みになっています。
食べれるときに少しでも多く食べておきたい習性と、それを受け付けることができる胃袋があるため、食欲旺盛な犬が多いようです。用意したごはんやオヤツを美味しそうに、そして嬉しそうに食べている表情を見ると、飼い主さんもほっこりした気持ちになると思いますが、もちろん与えすぎは良くありません。愛犬のごはんの量は飼い主さんがしっかり管理していきましょう。
犬の『ごはん食べさせすぎサイン』3選
犬は満腹感を得るほどごはんを食べても、「お腹いっぱい」と感じている気持ちを行動で表すことはあまりありません。少しずつ体重が増えてゆく愛犬を見ていると「ご飯あげすぎかな?」と分かると思いますが、太り始める前にごはんの量を管理してあげたいですよね。愛犬の「ごはん食べさせすぎサイン」を見逃さないようにしましょう。
1.食後に口の周りを舐める
ごはんを食べた後に舌なめずりするように口の周りを舐めるのは「満足しました」のサイン。「美味しかった」の満足と、「満腹」の満足と二つの理由が考えられるので、必ずしも「食べさせすぎ」という訳ではありません。
恐らく舌なめずりが見られた後に、ごはんを与えても喜んで食べてしまう犬が多いと思いますが、それ以上与えると「食べさせすぎ」になってしまうかも。ほどよい満腹感で舌なめずりをしているのなら良いですが、食べさせすぎている場合、もちろん体重は増えてくると思います。愛犬が食後に舌なめずりをするか確認し、体重のチェックもしていきましょう。ベスト体重より増えてしまったら、もちろん少しずつごはんを減らしましょう。
2.嘔吐や下痢
あきらかに食べさせすぎてしまった場合は、体調に悪い影響を与えてしまい嘔吐や下痢などがサインとして表れることも。
犬は比較的、嘔吐しやすい生き物ですが、目の前で吐いてしまうとやはり心配になりますよね。食べすぎたときにも吐いてしまうことがあるので、食後に毎日のように吐いてしまうのであれば、ごはんの量に問題があるかも。食べすぎることによって消化不良を起こしている可能性があるので、嘔吐と共に下痢になってしまうこともあります。
食べすぎによる嘔吐や下痢であれば、ごはんの量を適正量にしてあげるだけで、改善がみられると思いますが、危険な病気が隠れている可能性も否定はできません。何日か続くようであれば、ごはんの量のことも含め、獣医師に相談してみてください。
3.お腹の張り具合
「ごはん食べさせすぎサイン」は、愛犬の行動だけで確認するのはなかなか難しいものです。愛犬のお腹に触れて満腹になっているか確認するのもひとつの方法。食前、食後にお腹の張り具合をチェックしてみましょう。コミュニケーションタイムに愛犬のお腹に触れるようにして、普段のお腹の状態を確認しておき、食後にどれくらいの変化がでているか確認しましょう。
毎日続けていると愛犬の食後のお腹の変化も把握できるはず。食べさせすぎてしまった日は「お腹パンパン」になっているはずです。
まとめ
犬は食べることが大好きなので、目の前の食べ物はなんでも食べたがる子が多いと思います。要求されるがままに与えていては、太っていくのは当たり前なので、気をつけてあげなければいけません。
市販のドッグフードには体重ごとの給与量の記載があると思います。はじめは記載どおりの量を与え、こまめに体重測定しましょう。犬も個体差や生活環境、また運動量の違いによって、同じ体重でも必要な摂取カロリーと消費カロリーに違いがあります。愛犬にとってベストな量をみつけてあげましょう。