犬の一日の適正なおしっこの回数を見極めるには
1.お水を飲む量によっておしっこの回数は変わる?
基本的にお水を飲む量が多くなればおしっこの回数も多くなります。飲む量が減れば回数も減ります。 しかし、水を飲む量やおしっこの回数は気温の影響を受け変化します。
例えば、夏で暑いときや冬で暖房のきいた室内にいればのどが渇きます。このような条件下では水を飲む量は自然と増えますが、環境温度が高いために体が脱水してしまいますのでおしっこの量や回数は減ることが多いでしょう。
過ごしやすい季節であれば飲水量がそれほど多くないので、おしっこの回数も減るでしょう。 ほかにも、室内でおしっこをする習慣があるかないかによっても左右されます。散歩のときにしかおしっこをしない犬の場合は、飲水量に関係なくお散歩の回数分排泄します。
おしっこの回数は、「飲水量」と「気温」、「排泄の習慣」に影響され変化します。“変わる”とも言えますし、“変わらない”とも言えます。
例えば、室内でのトイレトレーニングができており、室内にトイレが用意され、いつでも自由におしっこができる場合。室内でのトイレトレーニングができておらず、外へ行かなければおしっこができない場合。この2つの場合を比べてみるとわかりやすいと思います。
室内に用意されたトイレがあるのであれば、犬がおしっこをしたいとき、いつでもできますので、一日の回数は毎日違うでしょう。お水を飲む量が多くなれば、おしっこの回数も増えるはずです。
しかし、外へ行かなければおしっこをすることができない場合、飼い主さんがお散歩に連れて行ってくれる回数、庭に出してくれる回数、それが、おしっこの回数になるのではないでしょうか。どんなにたくさんのお水を飲もうと、朝と夕の2回のお散歩なのであれば、一日のおしっこの回数も2回でしょう。
2.年齢によっておしっこの回数は変わる?
子犬の場合、膀胱が成長途中です。そのため、たくさんの量のおしっこを溜めておくことができません。成犬と比べると、一日のおしっこの回数は多くなります。“子犬の月齢+1時間ごとにおしっこをする”という話もあります。これに倣って考えてみると、生後4か月齢の子犬は、5時間ごとにおしっこをする、一日の回数は約4回から5回、という計算になりますね。
成犬の場合、朝と夕のお散歩のときの2回だけ、という犬もいます。朝と夕のお散歩のときの2回とお留守番の間に1回の計3回、という犬もいます。プラス、寝る前に1回おしっこをさせるためにトイレに誘導する、という飼い主さんもいらっしゃるようです。このように、成犬になると飼い主さんによって、おしっこのタイミングをコントロールすることができるようになります。
老犬の場合、加齢によって膀胱や肝臓の機能が低下するため、おしっこの回数が増えます。成犬のときと比べると、膀胱に溜めておけるおしっこの量が減ってしまうことや、一度に出しきることができなくなってしまうことなどが理由です。おしっこを長く我慢させてしまうと、膀胱炎になる、お漏らしの原因になりやすいため、注意が必要です。
夜中に“おしっこに行きたいよ”と鳴いて知らせる犬もいますので、同じ部屋で眠るのも一つの方法です。たとえ、お漏らしを叱られることがないとしても、お漏らしをしてしまったことに落ち込んでしまう犬もいるようですので、気を遣ってあげたいですよね。
3.健康状態によっておしっこの回数は変わる?
健康状態によって、お水を大量に飲むようになったり、おしっこの回数が増えたりすることがあります。カラダに異常が起きていたり、病気を発症したりしているかもしれません。お水を飲む量やおしっこの回数が減る場合も増える場合も、その変化が急に起きたのであれば、何らかの異常を考えるべきなのではないでしょうか。
飲水量・尿量や排尿回数が増える代表的な病気は、「腎不全」「糖尿病」「肝疾患」「膀胱炎」などです。避妊手術をしていない場合は子宮蓄膿症の可能性もあります。
お水の量を量りながら与え、一日に飲んだお水の量を把握すること。一日のおしっこの回数をメモしておくこと。そして、愛犬の様子とともに獣医さんに伝え、診察してもらいましょう。健康状態による変化は、普段から、愛犬のおしっこの回数の平均を把握しておくことで、よりわかりやすくなります。病気の早期発見と早期治療にも繋がります。
まとめ
- お水を飲む量によっておしっこの回数は変わるのか
- 年齢によっておしっこの回数は変わるのか
- 健康状態によっておしっこの回数は変わるのか
ということをテーマにお話しました。愛犬の一日の適正なおしっこの回数を見極めることはできそうですか?ためしに、1か月間、愛犬の一日のおしっこの回数をメモしてみてください。
また、一日に飲むお水の量も把握すると良いと思います。気温によってお水を飲む量が増えたり減ったりもしますし、たくさん運動した後は、お水もたくさん飲み、おしっこの回数も増えますよね。
病気が原因で飲水量が増え、その結果おしっこの回数が増える場合もあります。水を飲む量やおしっこの回数に変化がある場合は早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。