肥満なワンちゃんに今すぐダイエットが必要な理由とは…
1.糖尿病を発症するリスク
犬の肥満は、糖尿病を発症するリスクが高まります。糖尿病には、1型と2型がありますが、どちらもインスリン注射が必要です。膵臓がインスリンを作り出せなくなってしまうことで起こるのが1型糖尿病。肥満などの生活習慣が原因で起こるのが2型糖尿病です。
2型である場合には、インスリン注射の他に、食事療法や運動療法が用いられたり、血糖値を下げるための薬を飲んだりするなど、生涯に渡って治療が必要になります。インスリン注射が必要な場合、飼い主さんによって、自宅で注射を打ってあげなければなりません。目安としては、月に3万円ほどの費用がかかります。
2.肝臓病を発症するリスク
肥満によって発症するリスクが高まる肝臓病には、慢性肝炎や肝硬変があります。初期症状があらわれることは稀で、早期発見が難しく、重症化して発見された場合、完治は愚か、手遅れで治療の手段がない場合もあります。
肝臓は、身体の中の毒素を分解する働きを持っており、肥満によってその機能が低下すると、肝臓以外の全身に影響が及びます。食べ過ぎによる肥満はもちろん、偏った食事や食品添加物が原因となり、慢性肝炎や肝硬変を引き起こすことがあります。重症化し、治療を受けることができない場合、死に至る可能性のある恐ろしい病気です。
3.関節疾患を発症するリスク
肥満になると、重い身体を支えるため、腰椎・膝・股関節・肘関節などに大きな負担がかかります。かかり続けた負担によって発症するリスクの高い関節疾患には、骨関節炎やヘルニアや変形性関節症などがあります。動作を行うとき、激しい痛みを伴うため、手足を引きずるようになったり、歩くことが困難になったり、寝たきりになってしまうこともあります。
高齢の犬に発症するイメージのある関節疾患ですが、最近では肥満が原因となり発症する若い犬も増えています。変形関節炎など、完治することができなくなってしまう病気もあります。運動することができなくなり、ますます太ってしまうことだって考えられます。そうすると、糖尿病や肝臓病などの他の病気まで発症してしまうかもしれません。
犬が肥満になる原因は飼い主にある!
犬が、ドッグフードやおやつの袋を自由に開け、自由に好きなだけ食べることができるわけではありません。飼い主さんによって与えられた食べ物を食べて生活しています。犬が肥満になる原因は、飼い主さんが与える食べ物にあります。また、適切な運動を行えていないことも原因です。愛犬の適正体重をご存じですか?一日に必要なカロリーや栄養素や食事量を把握していますか?
愛犬の肥満度チェック
愛犬の身体に触れ、肋骨を蝕知することができますか?脂肪で覆われてしまい、確認することができないのであれば、「肥満気味」である可能性があります。胸部・脊椎・首・四肢に脂肪沈着はありませんか?つまんで確認することができるほどの脂肪がついてしまっている場合、「太りすぎ(肥満)」である可能性が高いです。
肥満になると、腰にくびれが全くなくなり、お腹にも脂肪による膨張が見られます。愛犬の肥満度や危険性をより詳しく知りたいときは、かかりつけの獣医さんに診察してもらいましょう。
肥満を改善するダイエット方法
「適正な食事を与えること」
たったこれだけで、犬の肥満を解消することができます。原因は“食べ過ぎ”にあるからです。ドッグフードによって十分な栄養を摂ることができているのに、おやつや人間の食べ物を与えていては、カロリーの摂りすぎになり、太ってしまうことは明らかですよね。人間の食べ物を与える必要はありません。おやつはカロリーの低いものや添加物に注意し、適量を与えるようにしましょう。
適正な食事を与えるにも関わらず、肥満である犬の場合、運動不足である可能性が高いです。食事も運動も適正であるにも関わらず、太っている場合には、肥満の原因となる病気や異常が起きている可能性もあります。ぜひ、獣医さんにご相談ください。
まとめ
肥満である犬に今すぐダイエットが必要な理由は、太っている犬は死亡リスクが高くなると言われる原因でもある、
- 糖尿病を発症するリスク
- 肝臓病を発症するリスク
- 関節疾患を発症するリスク
などを高めてしまう可能性があるからです。
愛犬の適正体重をご存じですか?適正体重の15%を上回っている場合、肥満であるとされています。例えば、適正体重が3kgである犬が、たったの500g体重が増えただけで、15%を上回ってしまいます。人間で例えるならば、45kgだった女性が52kgになることと同じです。
人間にとっては小さな500gかもしれませんが、犬にとっては、危険な500gです。犬の肥満は私たちの想像以上にリスクをはらんでいて、どれほど危険なものなのか、改めて考えてみましょう。