犬のストレス解消と原因について

【獣医師監修】犬のストレス解消と原因について

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愛犬の問題行動が飼い主に取ってもストレスになる!? 犬の習性を知り、群れの頼れるリーダーとして、愛犬のストレスを軽減出来る飼い主になろう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬のストレスの原因になるもの

オオカミ

私たち人間が、用途に合わせて繁殖を繰り返して来た犬の先祖は、一般的にはオオカミだと言われています。

オオカミは社会性がとても強く、群れを作って生活し、集団での狩りには欠かせない複雑なコミュニケーション能力を発達させて来ました。そして集団で獲物を狩る効率の良い戦術を編みみ出したのです。
そのようなオオカミの習性を色濃く受け継いでいる犬は、その特徴から人間社会にも上手く溶け込めたと言えます。

しかし当然ですが、犬と人間は違います。人間社会での暮らしにおいて、犬は私たち飼い主が想像もつかないような様々なストレスに晒されています。そしてそれらのストレスが、犬の問題行動の原因となっている場合があります。

問題行動を放っておくと、思わぬ病気の引き金になりますので、飼い主は日頃から見落とさないように注意しましょう。

おすすめのストレス解消法

運動する犬

まずは十分な散歩と運動で、行動欲求の高い犬のエネルギーを発散させましょう。毎日適度な運動をさせることで、夜はぐっすり寝て、問題行動も起こりにくくなります。その上、飼い主とのスキンシップもはかれます。

留守番に強い犬にすることも重要なポイントです。群れで生活をする犬に取って、絶対的リーダーである飼い主と過ごす時間は、最も安心出来る時間です。その真逆で一人で過ごす時間は不安で仕方ないのです。

おやつなどを過剰に与えるよりも、一緒に過ごす時間を充実させた方が、飼い主にとっても愛犬にとっても最善の道と言えるでしょう。ただし適度に犬用のガムなどを与え、噛む欲求を満たしてげるのはとても良いことだと言われています。

他には気温などの環境変化に気をつけたり、食事内容を見直す、不妊手術、健康診断を受けさせることも大事なことだと思います。

問題行動に潜む恐ろしい病気

ストレスが深刻な病気に繋がる場合があります。例えばどのようなものがあるのか見てみましょう。
まずは「分離不安症」。飼い主の留守中に、物を散らかしたり、壊してしまったり、トイレの失敗をしたり、近隣が迷惑するほどの無駄吠えをするなど。このような症状が強く出た場合は、専門家による治療を受けた方が良いこともあります。

飼い主が出来る対処法として、まずは短い時間から留守番出来るよう訓練し、生活環境への適応性の幅を広げることが大切です。その際は時間を掛けて、根気よく愛情を持って、愛犬を自立させるつもりで接しましょう。

次に「強迫神経症」。持続的な痛み、怪我のあとの癖、過剰な拘束などのストレスから、不可解な行動をくり返すようになります。自分の尻尾を追いまわしてぐるぐるしたり、尻尾に噛み付いたり、足裏など同じところを執拗になめ続けたり。このような場合も、時と場合によっては専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

あとは意外と知られていないのが「てんかん」です。「てんかん」とは激しく痙攣し、意識を失う発作のことです。一般的には脳などに原因があると言われていますが、「てんかん」の要因の一つにストレスがあるとも言われています。

犬種によって、元々「てんかん」の要素を持つ犬は、ストレスなどの心的負担が掛かると、発作のスイッチが入るので注意しましょう。

「突発性てんかん」とは脳などに何の異常もないのに、発症するてんかんのグループの総称です。「特発性てんかん」の起こりやすさは遺伝的な要素が関係していると言われています。

ここで「特発性てんかん」の多い犬種として名前の上がっている犬種を上げておきます。

ダックスフント、ビーグル、、ミニチュアシュナイザー、プードル、ジャーマンシェパード、コッカースパニエル、コリー、アイリッシュセッター、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、シベリアンハスキー、セントバーナードなど。

そして「てんかん発生率が特に高い犬種」としては、アイリッシュ・セッター、ミニチュア・シュナウザー、プードル、ボクサー、コッカー・スパニエル、コリー、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、セントバーナード、ワイヤーヘアード・テリア、シベリアン・ハスキーなどが上げられています。

ストレスチェックリスト

下を出したダルメシアン

一時的ならそれほど心配することはありませんが、以下のような症状が続いたら、ストレスを疑う必要があります。一つでも心当たりがあるのなら、出来る範囲で改善する努力をし、もしも手に負えないようなら速やかに専門家などに相談しましょう。

身体にあらわれる変化

  • 下痢、嘔吐が続く。
  • アレルギー反応。
  • 呼吸の乱れ。
  • 換毛期以外の脱毛、フケ。
  • よだれを垂らす。
  • 足の裏に汗をかく。
  • 耳が後ろに下がる。
  • 身体を震わせる。
  • 筋肉が強ばる。
  • 目の充血。
  • 暑くない時にも舌を出して喘ぐ。

行動の変化、その他

  • 落ち着きがなくなる。
  • 物音に過剰な反応を示す。
  • 排泄回数が増える。
  • トイレを失敗する。
  • 吠えることが多くなった。
  • 食欲不振。
  • 同じ場所をぐるぐる回る。
  • 攻撃的になる。
  • 周囲の物事に過剰反応する。
  • 舌舐めずりが多い。
  • あくびが多い。
  • 地面の匂いを嗅ぐことが多い。
  • 飼い主を避ける。
  • 飼い主にいつも以上に甘える。
  • 前脚など身体の一部を執拗に舐め続ける。
  • 体をやたらと掻く。
  • 自分の身体を噛む。
  • 攻撃的になる。
  • 無気力。

何かの症状を受診の目安にするのではなく、違和感を感じた時点で獣医師に相談した方が良いでしょう。そのためには日頃から愛犬の様子を注意深く見守る必要があります。

犬のストレスについてまとめ

私たち飼い主は、犬のストレスの原因を知って、犬の習性を理解出来る群れのリーダーになる必要があります。

犬がリーダーだと認める人物が家族にいない場合、犬は自分がリーダーになり、その家族を守るための行動を取るようになります。それが知らない人に対して吠え続けることだったり、噛むなどの攻撃的な行動を取ることだったり、結果的に問題行動に繋がります。

その結果、飼い主といても、安らぐことの出来ない犬は、大きなストレスを抱えることになってしまいます。

私たち人間を癒してくれる犬が、人間との生活にストレスを感じることほど悲しいことはありません。
もし愛犬がストレスを感じていると思ったら、「健康状態」と「環境」をチェックし、ストレスの原因を取り除くことが大事です。

また、愛犬が喜ぶことでエネルギーを発散させ、普段よりも時間をかけて、コミュニケーションを取り、愛犬を心身ともにリラックスさせてあげましょう。

愛犬が少しでもストレスフリーの生活が送れるよう、お互いがお互いにとって、大きな安らぎになれるように、飼い主は努力することが大切です。

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