犬が『好きな人』を決める基準として考えられる要素
犬が好きな人は、多くの犬に好かれたい!と思っているはずです。しかし、現実的に犬好きだからと言って、必ずしも犬に好かれるというわけではありませんよね。
犬好きの中でも犬に好かれる人とそうでない人、反対にそこまで犬好きでなくてもなぜか好かれる人もいます。では、犬が『好きな人』を決める際、何を基準としているのでしょうか。ここでは考えられる要素を取り上げていきます。
1.行動のスピード
まずは、その人の行動スピードが挙げられます。犬は突然の行動に対し、警戒心を抱きがちです。そのため、よく犬好きにある「可愛い~!」と走り寄ってくる行為も、犬からすると「怖い!」と警戒心を強める結果となるのです。
基本的に、犬は落ち着いて行動する人のことを好む傾向があります。それは犬自身が自分を驚かせたり、怖い思いをさせたりしないと考えているからです。したがって、犬は近づいてくるときにもゆったりと、落ち着いた態度で接してくれる人を『好きな人』『安心感のある人』として認識する傾向にあります。
監修ドッグトレーナーによる補足
私たち自身に置き換えるとわかりやすいです。例えば自分よりもはるかに大きな人間が、あなためがけて一直線に走ってきたらどう感じますか?
恐怖を感じてしまいますよね。このように行動スピードは大切なポイントになります。ぜひ意識しましょう。
2.声の大きさ/高さ
声の大きさやトーンも関係していると考えられます。よく犬をしつける際に、悪いことをしたら激しく怒鳴るのではなく、低い声で「ダメ」と言う方法が取り上げられています。これは低い声に対し、犬がネガティブな印象を受けるからです。そのため、声が低い人よりも高い人を好む傾向があります。
しかし、高ければいいというわけではありません。先ほども例に挙げた通り、「可愛い~!」と高く大きな声で近づいてくれば、犬はびっくりしてしまい警戒心を強めます。『落ち着いている』という要素がポイントとなるので、犬に好かれるためには声量も比較的控えめにし、少しでも高く柔らかい声を心掛けて話しかけることが大切です。
監修ドッグトレーナーによる補足
「赤ん坊をあやすイメージ」だと言えば伝わりやすいかと思います。ロックの様なシャウトではなく、バラードのメロディーの様な優しさをイメージしてみましょう。
3.飼い主との仲の良さ
犬が『この人は好き』『この人は安心』と決める基準に、飼い主の存在は非常に大きいです。信頼している飼い主と仲が良ければ、「飼い主さんが楽しそうにしているから、この人は大丈夫」と認識してもらえます。
反対に、飼い主が嫌悪感を抱いていたり、緊張感をもって接したりしている相手に対しては、犬も感じ取り、警戒心を強める傾向があります。
4.自分にとってのメリット
現金にも感じますが、自分にとって嬉しいこと、楽しいことをしてくれるか否かという点も、犬が人を好きかどうかを判断する重要な基準になります。
わかりやすい例を取り上げるならば、おやつです。初めて会った相手であっても、飼い主さんに手渡されたおやつをくれるならば、「おやつをくれた!良い人!」と思ってしまうのが動物です。他にも一緒に楽しそうに遊んでくれたり、気持ち良い所を優しく撫でてくれたりするなど、犬が嬉しい、楽しいと感じることを積極的に行ってくれる人に対しては、好意を抱きやすいです。
監修ドッグトレーナーによる補足
「おやつをくれる人」だけになってしまうとちょっぴり不幸が訪れるかも。なぜならおやつが無いと、魅力の無い人だと思われる可能性があるからです。おやつ以外にも犬のメリットを用意できると、もっと好かれますよ。
5.表情
犬は人間の感情を声のトーンや行動、そして表情から読み取っているということが、すでに研究によって判明しています。そのため、いつも笑顔で接してくれる人に対してはネガティブな印象を抱きにくいです。
「いつもこの人はポジティブな感情を自分に向けてくれている」と思えば、人間であってもその人に対して良い印象を抱きますよね。それは犬も一緒です。
反対に、いつも暗い顔をしていたり、怖い顔をしていたりする人に対しては、苦手意識や警戒心を持ちやすい傾向にあります。また、マスクなどで表情を隠している人も感情が読み取りにくく、苦手意識を持たれることが多いです。
監修ドッグトレーナーによる補足
例えば顔の隠れるヘルメットをしている人がいたとします。表情が全く見えません。そんな人の心の内側は想像しにくいですよね。このように、表情を表現するのは大切なポイントとなる訳です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬は人間を観察し、様々な要素を組み合わせて『好き』『嫌い』を決めています。犬と仲良くなりたいと思っている方は、ぜひ今回ご紹介した要素を参考に、犬に好かれる接し方を心掛けてみてくださいね!