爪を短く切るのが大変になる
愛犬の爪を切っているとき、つい深く切りすぎて、爪から出血してしまったなんて経験のある飼い主さんもいるのではないでしょうか?ですが、私たち人間が深爪をしてもジンジンと痛くなることはあれど、爪から血が出るなんてことはありませんよね。なぜでしょうか。
実は、わんこの爪は人間の爪とは違い、血管と神経が通っています。愛犬の爪が白い場合には、灯りに透かしてと血管があるのがわかると思います。血管がない部分までを切れば、出血も痛みをありません。しかし、問題はわんこの爪の血管と神経は、爪が伸びるのと一緒に伸びてきてしまうという点です。
血管と神経が伸びてきてしまうということは、爪切りをサボって爪が伸びてしまって「一気に短くしちゃえ!」と思ったときに、血管と神経まで切ってしまって出血と痛みを伴わせてしまうということです。愛犬が痛がる姿は見たくないですし、一度爪切りで痛い思いをしてしまうと愛犬はそれがトラウマになり、おとなしく爪切りをさせてくれなくなってしまうという負のループに陥る可能性があります。
転倒や怪我の原因になる
爪が伸びすぎてしまった場合のリスクのもう1つが、怪我のリスクです。わんこの爪は伸びすぎると、くるりと巻き爪になってしまいます。すると、第一に、巻き爪が肉球に食い込んで怪我をしてしまう可能性があります。また、巻き爪まで至らない場合でも、顔や身体を掻こうとしたときに、伸びすぎた爪が皮膚を傷つけてしまうことも考えられます。
爪そのものが皮膚を傷つけるというリスクの他にも、怪我につながるリスクも潜んでいます。爪には、わんこが立ったり歩いたりしているときに、地面をホールドしてバランスを保つ役割もあります。しかし、爪が伸びすぎていると上手くバランスをとることができず、逆に転倒のリスクが高まります。特に、室内飼いで床がフローリングの場合には、フローリングで滑って怪我をしてしまう危険があります。
また、巻き爪が身体を掻こうとしたときに首輪やリードに引っかかったり、遊んでいるときに家具や布カバーなどに引っかかったりして、パニックになってしまう場合もあります。もしお留守番中、愛犬がひとりのときにそんなことになってしまったら…。考えただけでゾッとしませんか?
周りの人に怪我をさせてしまう危険がある
爪が傷つけてしまうのは、愛犬本人だけではありません。飼い主さんと遊んでいる最中に飼い主さんを引っ掻いてしまったり、お客さんや周りの人に飛びついたはずみに爪が当たって相手を怪我させたりしてしまう可能性もあります。飼い主さんや家族など、知っている人ならまだ良いかもしれませんが、たまたまお散歩中に出会った知らない人だったりした場合には、大きな問題に発展しかねません。
悪気がない愛犬に、誰かを傷つけさせてしまったら、とても悲しいですよね。自分や周りの人はもちろん、愛犬にそんな辛い思いをさせないためにも、爪を適切な長さに保つことはとても大切なのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこの外飼いが普通だった時代には、特別爪切りをしなくても爪は勝手に削れたため、定期的に爪切りをするという習慣は一般的ではありませんでした。その頃の常識で「爪切りなんていらないでしょ?」「そんなに気にする必要ないでしょ?」と思っていると、ご紹介したような、様々なトラブルに遭遇しかねません。
わんこの爪切りは、一般的に、1か月に1度は行うのが適正とされています。自分で切るのが難しい場合には、動物病院やトリミングサロンにお願いすれば、1回500円から1,000円ほどと安価に済ますことができます。ぜひ、しっかりしたお手入れで、愛犬や周りの人に痛い思いや悲しい思いをさせないようにしたいですね。