犬がうんちを踏む…主な原因
トイレの場所がわからないから
「愛犬がうんちを踏んで困っている」という悩みを持つ飼い主さんのいう「愛犬」とは、ほとんどがまだトイレトレーニングが身に付いていない子犬か、成犬であっても、家族として迎えてまだ日の犬の場合が多いと思います。
それなら、犬が留守番の最中や、家の中のサークルの中でうんちを踏んでしまう原因として、まだ自分が排泄するべき場所が理解できていないことが考えられます。
排泄のタイミングが人間の生活リズムと合っていないから
おそらく、屋外で飼われている犬はよほど狭い場所で閉じ込められていない限り、自分のうんちを自分でわざと踏んだりすることはないでしょう。犬も自分の体が臭くなるのは不快だからでしょう。
では、なぜ、室内飼いの犬は自分のうんちを踏んでしまうのでしょうか。おそらく、犬はわざと自分のうんちを自分で踏んで、自分の体を汚しているのではありません。それでも、うんちを踏んでいるのは、犬の生活環境が、うんちを踏まざるを得ない状況に犬を置いている、と考えることはできないでしょうか?
例えば、飼い主さんがお仕事などで外出する際、犬をサークルに入れるとき、犬は排便を済ませているかどうかを思い返してみてください。もしかしたら、食事を与えた後、排泄するのを確認せずにサークルに入れていて、犬は飼い主さんが帰ってきて、開放してくれるまでうんちを我慢できないのかも知れません。
分離不安の可能性があるから
子犬のときの「うんちまみれ事案」は、成長するに従い、排泄のリズムや回数が規則的になり、徐々に改善されていきます。けれども、十分に成長した成犬で常に飼い主さんの後を追いすがり、飼い主さんが一緒にいるときは上手にトイレができるのに、お留守番をさせるとうんちを踏んでうんちまみれになる…という場合は、分離不安の可能性があります。
犬がうんちを踏む…やるべき予防法
お留守番サークルの中にトイレを置かない
全てのパターンに当てはまる訳ではありませんが、基本的に犬はキレイ好きな動物です。犬の習性として自分の寝床を自分からわざと汚すことは考えにくいので、もし、お留守番のときにサークルを利用していて、そのサークルがベッドスペースとトイレスペースに分けられていないタイプなのであれば、トイレトレイを一度撤去します。
空いた場所にペットシーツだけを敷き詰めたり、犬が落ち着いて眠れるような布を敷き詰めたりして、サークルの中から排泄できる場所を無くすわけです。
留守番は短時間から徐々に慣らす
「サークルの中のトイレを撤去する」という方法を選択した場合、お留守番をさせるのは、ごく短い時間です。特に子犬の場合は、排泄のサイクルも短いので、少なくても20~30分で一度、サークルから出すようにしてください。
そのタイミングで上手にサークルの外で排泄できたら、思い切り褒めてあげましょう。それを何度か繰り返すと、犬は「サークルの外でトイレをしたら褒めてもらえる」と覚えてくれます。
お留守番の前に排泄を済ませる
犬を飼い始めてしばらくは、犬の体のリズムと人間の生活サイクルがうまく噛み合わず、様々な問題が起きます。例えば、「夜泣きをする」「留守中にずっと吠えている」「やたらと朝早くに起きて騒ぐ」、そして、「家に帰ってくると犬がうんちまみれになっている」と言うのもそれらの問題のうちの一つだと思います。
それらの問題を一つ一つ解決していくには、犬の生活環境を整えることも大切ですが、犬の体のリズムをしっかり観察し、それらを把握した上で対処することも重要です。
方法としては、お留守番の前に、排泄を済ませるようにします。具体的には、まず、「どんなタイミングで排泄をしているか」をじっくり観察します。そうして、寝て、起きたとき、あるいは食事の後、あるいは散歩に出たら必ず排泄をする、そういうリズムを把握できたのであれば、次のステップは、その排泄のタイミングを飼い主さんが作ります。
お留守番の前に軽く外に出て、排泄をさせたり、飼い主さんが出かけ時間に余裕をもって食事を与え、お留守番の前に排泄を済ませたりするようにコントロールしてあげます。
犬がうんちを踏む…やるべき対処法
うんちをしたらすぐに片付ける
まず、犬に「うんちは要らないもの」だと教えるためにも、上手にウンチができたときや散歩で排泄したときも、すぐにうんちを片付けます。
クレートの中でお留守番をさせる
いきなりクレートの中に閉じ込めるのではなく、ふだんの生活の中で「クレートの中は安心できる場所」だとトレーニングをしておきます。「クレート」の中は安全でおいしいものが食べられて、安心できる場所、ということを覚えたなら、その中でお留守番をさせます。せまくて、うんちをするスペースがないので、うんちを踏む心配はありません。
排泄のタイミングを把握する
前述しましたが、まずは愛犬の排泄のタイミングをしっかりと観察して把握しましょう。どんな予防法を講じるにしても、排泄のタイミングを知っているかどうかはうんちを踏む、という問題を解決するだけでなく、犬と生活していく上でとても大切なことです。
お留守番の時間を短くする
犬を飼い始めたのであれば可能な限り、子犬に長時間一人でお留守番をさせないようにしましょう。子犬は消化器官が未発達なので、成犬よりも排泄の回数が多く、不規則です。
それなのに、人間の都合でまだトイレの場所もわかっていない状態で、うんちもさせてもらえないままサークルの中に閉じ込められ、いつ、うんちが出るかわからない状況にしていったのは飼い主さんの方なのに、「いつも帰ってきたら、うんちを踏んでてうんざりする…」と言われるのは、犬の立場に立って考えてみると、とても理不尽なことではないでしょうか。
うんちがついた足の洗い方
人間は毎日シャンプーをしても問題ありませんが、犬は人間よりも皮膚が薄く、毎日のシャンプーは犬の皮膚に大きな負担をかけます。とはいえ、うんちまみれの犬の体の汚れを放置することはできません。簡単に犬の体の汚れを取る方法をご紹介ます。
蒸しタオルで汚れを拭き取る
うんちのついた足の裏を蒸しタオルでつつんで、固まったうんこをふやかし、キレイなタオルでそのうんこをぬぐいます。その後、ドライタオルでしっかりと湿り気を取ります。
ぬるま湯で汚れた場所だけ洗う
蒸しタオルでは対応できないほど汚れていたら、ぬるま湯で汚れた場所だけを洗います。その後、乾いたタオルでしっかりと拭きます。
まとめ
犬との生活と生まれたばかりの赤ちゃんのいる生活は、少し似ているように思います。
赤ちゃんもすやすやと眠っている時や、ママやパパの顔を見てニッコリ微笑んでいる姿は天使のように愛らしく、限りなく愛しいと思えるけれど、毎日夜泣きが続いたり、一日に何度もべっとりとうんこのついたお尻をキレイに拭いたりすることが続くと、「こんなに大変だったとは…」と新米のママやパパは疲れてしまいますよね。
犬を家族に迎えるのも赤ちゃんが生まれるのも、新しい家族が増えるということで、何も変わりはありません。違うのは、犬は死ぬまで飼い主さんのことだけを愛してくれる存在だということです。そう思えば、子犬がうんちまみれで飼い主さんを困らせていた時間も、きっといつか、大切な思い出になるはずです。