犬が吠える理由とは?
犬は吠えることが仕事だった
犬が吠えることは、人間が言葉を使って会話をするのと同じくらい自然なことです。世界中の動物の中で、人間と最初に暮らし始めたのが犬。猟犬、また牧羊犬など、人間とともに働くパートナーとして存在していました。人間と一緒に狩りを行うとき、また獲物を追い詰めるときにも「吠える」ことが仕事の一環でもあり、人間との大切な合図でもありました。基本的に犬は吠えることを望まれていた生き物なのです。
犬の無駄吠えは無駄ではない!?
現在では吠えることは「無駄吠え」と呼ばれることが多く、好まれることではないですよね。無駄吠えが激しい子は近所迷惑にもなってしまいますし、四六時中吠えていては飼い主さんも気が休まる時間がありません。
実は犬の「無駄吠え」は人間目線の言葉になります。犬が吠えてしまうとき、吠える理由があって吠えていることがほとんどです。何かに警戒して吠える、ストレスから吠えてしまう、また要求があって吠えることもあるでしょう。多くの吠える行為は、無駄に吠えている訳ではないのです。愛犬が吠えていた理由は分かりますか?もしかすると、その問題が解決したときに急に吠えなくなることがあるのかもしれません。
犬が急に吠えなくなる理由4つ
1.声が嗄れている
犬が急に吠えなくなる理由のひとつとして考えられるのが、声が嗄れてしまっているということ。警戒心が強い子はもともと吠えることが多いですが、何かの出来事に対して興奮してしまい、いつもより長く大きな声で吠え続けてしまうと声が嗄れてしまうことがあります。
また、子犬から成犬への成長過程では変声期があります。子犬のころから愛犬と暮らしている方はご存じだと思いますが、子犬の鳴き声は可愛らしく「キャン」と鳴きますよね。いっぽう成犬になると、少し低くて落ち着いた声に変わってきます。犬の変声期はほとんどの個体が徐々に変化していくものですが、中には喉の調子が悪くなり吠えづらくなる子もいるようです。
2.体調不良
人間も体調を崩すと元気を出すことができず、話すことすら辛いと感じることがありますよね。同じように犬も身体に不調があると、いつもの調子で吠える元気がなくなることもあるようです。犬風邪と呼ばれる「ケンネルコフ」という病気は、とても伝染力の高い呼吸器疾患。「ケンネルコフ」から気管支炎を引き起こしてしまうと、上記にも書いた声を嗄らす原因に繋がります。
また、気管支炎や呼吸器系の病気以外の体調不良で、吠えなくなっている可能性も否定できません。何となくいつもより元気がなく、吠えることもしないときは、健康上に問題があるのかも。愛犬自身も身体の調子がいつもと違うと感じているのでしょう。吠えない以外の行動で、いつもと違う様子がみられるときは、すぐに動物病院で診察してもらいましょう。
3.エネルギーが発散された
犬は運動不足によりストレスが溜まったり、エネルギーが余っていたりするときに「無駄吠え」してしまうことがあります。理由は簡単で、イライラした気持ちを解消したいから。愛犬が急に吠えなくなった頃、散歩の量を増やしたり、コミュニケーションの時間を長くとったりするようにしませんでしたか?
お散歩や遊ぶ時間を増やし身体を動かすことで、エネルギーが十分に発散されると、身体と頭が休息を求めるため、外からの刺激に反応が弱くなり、無駄吠えが治まることがあります。同時にストレスも解消されているので、愛犬にとっても飼い主さんにとっても良いことですね。
4.環境の変化
ご自宅の中で愛犬はどんな環境で過ごしていますか?犬は安らぎを求め、落ち着くことのできる場所が必要な生き物。頻繁に吠えていた犬に専用のハウスを用意することで、吠えなくなることもあります。一概には言えませんが、一般的に「愛犬だけの落ち着くことができるお家」となるハウスを用意してあげると、ストレスの軽減になると言われ、吠えクセも落ち着く傾向があります。
また、犬の視界に入るものが無駄吠えの対象になることも。窓の外で何かが少し動くだけでも気になる子は、猛烈に吠えてしまうこともあると思います。窓の外があまり見えないように家具を配置したり、カーテンやブラインドを閉めたりするだけで吠えなくなることもあるようです。
まとめ
無駄吠えが多かった子が吠えなくなるのは、飼い主さんとしてはありがたいことですよね。良い理由で吠えなくなっているのであれば、継続していきたいですね。
しかし、病気や体調不良などの理由も否定できません。食欲やウンチの状態もしっかり確認し、吠えなくなったと同時に好ましくない変化はないかも見守っていきましょう。