犬の口が震える理由
愛犬が急に口を震わせたら、少し驚いてしまいますよね。犬が身体を震わせるのは、口に限らず生理的なものや心理的なもの、高齢による神経症状の震えなど様々あるようです。なかには気をつけなければいけない病気が隠れている可能性も。犬が口を震わせているとき、どんな心理状態なのか調べてみました。
犬が口を震わせるときの心理4つ
1.ストレスを感じている
犬は自分自身で行動を選択することができませんよね。食べたいご飯を好きなだけ食べることもできませんし、好きな時間に好きな場所を選んでお散歩することもできません。多かれ少なかれ犬もストレスを感じる個体が多いです。
適度なストレスならば、むしろ身体に悪いものではないのですが、強いストレスや慢性的なストレスは人間同様、犬の身体に悪影響を与えかねません。
犬はストレスがたまってしまうと、「移行行動」をとることがあり、その中のひとつに口を震わせる行動があります。「移行行動」とはストレスで嫌な気分になっている状態を紛らわせるための行動。口を震わせる以外にも、あくびをする、まばたきが増える、顔をそらすなどがサインになります。口を震わせるとともに、これらの仕草が見られたときは注意しましょう。
2.口に違和感がある
口、または口腔内、歯などに違和感や痛みがあるとき、口を震わせるような症状が出ることがあるようです。口が小刻みに震えるというよりは、歯をカクカクと動かしているような感じに近いかもしれません。
犬の口腔内トラブルの代表格は歯周病。歯石の付着により発症することが多く、口臭も強くなってしまいます。また滅多になりませんが、虫歯になってしまう可能性もゼロではありません。痛みがある場合は、口を閉じようとすると痛みや違和感から口を震わせてしまうことも。
また食べ物が歯に挟まっている違和感で口が震えてしまうこともあります。まずは唇をめくって、口の中をチェックしてみましょう。
3.寒いから
寒さにより体温が下がったとき、身体が震えるのと同じ生理的な反応です。犬も人間も体温が下がると、体温を上げる熱を身体で生み出すために筋肉を震わせる生理反応が起きます。その生理的反応が顎や首付近の筋肉に出た場合、口が震えることがあります。
4.嬉しさからの興奮
興奮しやすい犬種や性格の犬は、嬉しいことや楽しいことが起こりそうなときに、口が震えるように見えることがあります。実際には音が聞こえないレベルで歯をカチカチと鳴らしているようです。
大好きな飼い主さんが帰宅したとき、たまにしか食べることができない特別なおやつが用意されたときなど、個体によって興奮してしまうほど嬉しい出来事は様々かと思いますが、嬉しさの気持ちから震えてしまうこともあるようです。
犬が口を震わせたときに気をつけたい病気
てんかん
てんかんは脳の中の神経回路がショートして発作が起こる病気。原因はふたつに分かれていて、原因不明の突発性てんかんと、交通事故などで脳に傷がついてしまい発症する外傷てんかんがあります。どちらも代表的な症状が突然の「てんかん発作」になります。
てんかん発作とは
「てんかん発作」の症状もふたつに分かれています。
- 部分発作
- 全般発作
部分発作とは
部分発作は、身体の一部の筋肉が痙攣やひきつけを起こす発作。脳の一部にショートが起こっているため、ショートしている部分と関連する身体の一部に発作が起きます。意識と関連する場所以外で脳がショートしている場合は、意識自体は残っているケースも。口や唇に関連する場所の脳のショートであれば、震えに見られる痙攣が起こる可能性もあります。
全般発作とは
全般発作は脳全体がショートする状態。身体全体に発作による症状がみられます。前兆となる嘔吐やヨダレの量が増えるなどの症状がみられることもありますが、何の前触れもなく急に意識を失い倒れてしまうこともあるようです。意識を失ってからは身体全体に力が入り、突っ張ったような状態になる強直痙攣や、四肢を激しく痙攣させるなどの状態がみられます。
その他、口から泡を吐いたり口をガクガクと震わせたりすることも。全般発作は長くても3分程度で落ち着くことが多いようです。
てんかんの発作はそれぞれ
てんかんの発作は頻度が非常に様々で1日に何度も起こる子もいれば、一生に一度だけという子もいるようです。そして、部分発作に関しては飼い主さんが愛犬のクセだと思い込み、全く気がつかないことも。てんかん発作で突然命を落としてしまうことは、とても稀ではありますが、気になる症状がみられるワンちゃんは1度獣医さんに診てもらいましょう。
まとめ
犬が口を震わせるのは、多くの犬が頻繁にとる行動ではないように思います。少なくても我が家の愛犬はやりません。「寒いと口が震える」「興奮するといつも口が震える」など、飼い主さんがハッキリと理由を把握できていれば安心ですね。
てんかん発作による痙攣は、部分発作の場合、意識がある状態だと「口を震わせるクセがあるんだなぁ」と思ってしまいがちなようです。急を要するものではないケースが多いようですが、動物病院に行く機会があれば、1度獣医さんに話してみることをお勧めします。