犬に好かれる人の条件
表情が和やかで豊か
犬は様々な研究から、たとえ飼い主や同居の家族でなくても、本能的に人間の感情を察知できる能力がある動物です。ですから、通常、険しい顔つきをしていたり、無表情だったりする初対面の人に対して、警戒したり無関心だったりするのは当然です。
とはいえ、餌やおやつを与えれば、表情が険しく、気難しい人にも、ある程度懐く場合があります。けれど、それはその人が好きなのではなく、その人がくれる餌やご褒美が好きなだけです。
本当に「犬から好かれる人」と言うのは、初対面や、ごくまれに会うだけで、何のおやつやご褒美もないのに、会うだけで犬に好かれます。
例えば、常に穏やかで和やかな表情をし、なおかつ朗らかな性格で表情が豊かな人は、人間にも好かれますが、犬や猫にも好かれることが多いはずです。
話し方がおだやか
急に大声を出したり、金切り声を上げたりすると犬は驚きます。犬を叱ったり、危険なことを制止させたりするときに指示を出すとき以外は、おだやかに少し低めの声でおだやかに話す人の方が犬に警戒心を抱かせません。
感情と言葉が一致している
自分のことを本当にかわいいと思っているのか、利口だと思っているのか、少し悧巧な犬なら人間の本音を察することができます。言葉だけでコミュニケーションをしている私たちには本音と建て前を使い分けなければいけませんが、言葉を持たない犬に対して、二枚舌は必要ありません。
「可愛い、いい子だね」と褒めるとき、心の底から本当にそう思っているのか、それとも口先だけなのかを犬は感じ取ることができるため、感情と言葉が一致している人に好意を持ちます。
犬にとって、嬉しいことをしてくれる
心の底から可愛がってくれて、気持ちよく撫でてくれる、遊んでくれる、おやつをくれる…犬にとって楽しいこと、嬉しいことをしてくれる人を嫌うはずがありません。
犬に「甘えたい」と思わせる人の条件
犬にとってリーダーシップがある
ただし、「大好き」という感情と「甘えたい」と言う感情は、似ているようで少し違います。例えば、家族の中で「お母さん」「お父さん」には甘えたいけれど、その子供の「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」にはじゃれるし、遊ぶけれど、子犬のようには甘えないということがあります。
それは、犬にとってしっかりと精神的に頼りになるリーダーシップが取れている存在かどうかかどうかが「甘えられる存在」か、そうでないかの差になるのではないでしょうか。
「甘えたい」という感情の正体
深い信頼
犬にとって「甘える」という行為は、自分の体も心も預けて、心からリラックスすることだと思います。絶対に嫌なことはしない、絶対に自分の身の安全を守ってくれる、絶対に自分を愛してくれている…という強い信頼を得ている相手だからこそ、犬は甘えたくなるのです。
絶対的に服従
犬にとって服従することは、自分の身の安全を保障されたことでもあります。家の中のルールをしっかりとトレーニングして犬に教え、その家の安全と平穏を守る義務を担っている飼い主さんに対して、その家族の一員である犬は絶対的に服従しているはずです。
親愛
服従しているとはいえ、常に自分のことを最優先に考え、慈しんでくれる相手に対して、犬は深い親愛の情を持ちます。成犬になってから家族になっても、子犬から育てても、人間が深い親愛の情を持って犬に接すれば、必ず犬にはその気持ちが届きます。
そうして、母親を子供が慕うように、成犬になっても飼い主さんに甘えるのは、心から安心し、リラックスしてくつろぎ、自分がどれだけ飼い主さんのことが大好きかを伝えようとしているのです。
犬が大好きな人に見せる甘え行動5選
1.耳を伏せる
立ち耳の犬なら、耳をペタンと伏せ、目を細めます。体から力が抜けていたり、「撫でて!」と言わんばかりに体を伏せてしまったりする犬もいます。怖がっているときも耳を伏せることがありますが、そのときは目を開き、体は強張っているので違いがわかります。
2.お腹を見せる
服従し、全く敵意のないことを示す仕草を見せます。お腹を見せ、そのまま、くねくねと体をよじる犬もいます。
3.体を密着させる
一通り、甘えたい!という衝動を伝え終わると、一旦落ち着きます。けれども、犬は自分の体のどこか一部分を大好きな人の体に触れる場所で座ったり、膝の上に座ったり、あごだけを飼い主さんの膝の上に乗せたりします。
4.顔を舐める
犬が顔を舐めるのは、子犬が母犬の口の周りを舐めて甘える行動の名残と言われています。とはいえ、犬にしてみれば衝動的に「大好きだから舐めたい」という衝動に駆られてのことでしょうが、いずれにせよ、顔を舐めるのは「大好きだよ!」という気持ちを精一杯伝えていることは確かです。
5.一緒に寝る
夜、熟睡するときは犬にとって一番、気が緩むときです。そのときに一緒にいたい、というのは究極の「甘え行動」と言えます。
まとめ
「甘え」とは、人間でいうと「かわいがってもらおうとして、まとわりついたり物をねだったりする。甘ったれる」とあります。けれども、犬にそんな打算はありません。
もし、何かをねだって甘えているのだと分かるのなら、それは飼い主さんと犬がお互いの気持ちを理解し合ているということになります。ただ、甘やかすだけでは犬からの絶対的な信頼は得られません。
ダメなことははっきりとダメと毅然と言えて、甘やかすときは犬の体と心が幸せでいっぱいだと感じるほどに甘やかしてあげることが、犬にとっては最高の飼い主と言えるのではないでしょうか。