肥満犬にはダイエットで生活習慣を改善しよう!

【獣医師監修】肥満犬にはダイエットで生活習慣を改善しよう!

日本の犬の実に4割が、肥満だと言われています。ご存知でしたか?その個体にとって適正な体重を維持し、長く元気に過ごしたいものですね。愛犬のダイエットを検討している飼い主さんのために、食事や運動の改善ポイントをまとめてみました。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

意外と気づかない愛犬の肥満

ポッチャリコーギー

「同じ犬種のお友達と比べると体重が多いかも」
「ウエストにくびれがない」
「お腹が地面につきそう」
「最近、抱っこしたら重くなった気がする」

何となく、うちの子太り過ぎかな?と思いつつも、元気にしているし大丈夫だよねぇ〜とごまかしていたら・・・ある日、獣医さんから「肥満!」と認定された上、飼い主さんの責任だとお叱りを受け、食生活の改善を指導されてしまった!

・・・そんな、苦い経験をされた飼い主さんも多いのではないでしょうか?

ではなぜ、犬の肥満について、獣医さんは厳しく接するのでしょうか。

その1つは、関節や靱帯への負担から生じる靱帯損傷やヘルニア、心臓病、糖尿病等、肥満が引き起こしている疾患が多くあること。

もう1つは、肥満を引き起こす疾患がある場合を除き、犬の肥満の原因を作り出しているのは、飼い主さん自身だからです。

愛犬が肥満と言われて、いい気がする飼い主さんはいないと思いますが、適正な体重・体格の維持は、愛犬のQOL(クオリティ オブ ライフ=『生活の質』)に大きく関わります。

獣医さんの指導に従って、計画的にダイエットを行いましょう。

食事と運動 理想的なダイエッ

肥満の判定方法について知っておきましょう


犬の肥満の判定には、ボディー・コンディション・スコア(BCS)を呼ばれる指標と体重測定を併用するのが一般的です。

BCS

・ボディー・コンディション・スコア(BCS)

(厚生労働省 飼い主のためのペットフード・ガイドラインより抜粋)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide/pdf/full.pdf

愛犬の体型がBCS4やBCS5に該当したり、理想体重の10〜15%を超えると、肥満や肥満傾向にあると判定されます。

・体重について

犬種別図鑑などに掲載されている犬種別の理想体重(標準体重)を基に算出されますが、この数値は、個体差を無視していますので、鵜呑みするのは危険です。

例えば我が家の愛犬は7kg〜8kgが標準体重とされている犬種ですが、6.5kgの時点で「これ以上増やさないように」と獣医から指導を受け、6kg〜6.2kgぐらいを維持するように努めています。

その理由としては、標準よりも骨格が小さいためです。

人間が、身長や体質にとってベストの体重が異なるのと同じ理屈ですね。

BCS3を維持している時の体重が、その犬にとっての理想体重と考えるのが懸命でしょう。

ボディー・コンディション・スコア(BCS)を使えば、飼い主でもある程度の判断はできますが、このように個体差との兼ね合いもあるので、最終的な判定は獣医さんに委ねるのがベターでしょう。

肥満犬のダイエット初歩「生活習慣の見直し」


(摂取カロリー)>(消費カロリー)=肥る
(摂取カロリー)<(消費カロリー)=痩せる

食事で摂取するカロリーが、普段の生活・運動で消費するカロリーを上回る生活が続けば肥る、その逆ならば、痩せる。

肥満になるメカニズム自体は単純です。

人間がダイエットする場合は、ドカ食いを止めたり間食を控えたり、油分や甘いものを減らすなど、食事の量や質に気を配るでしょう。

そして、スポーツとまではいかずとも、普段より身体を動かす事を考えます。

犬のダイエットも基本的には、同じ考え方となり、摂取カロリーを以下に抑え、消費カロリーを以下に増やすか、に尽きます。

そして、見落としがちなのが、睡眠と便秘の関係です。

睡眠不足と肥満の関係


人間の睡眠不足は、脂肪細胞が分泌する「レプチン」と食欲を抑えるホルモン「グレリン」のバランスが崩れるため、肥満に大きく関係すると言われています。

実際に、起きている時間が長いほど、甘いもの油分たっぷりのスナック菓子を食べる傾向が強くなります。

犬の場合は、飼い主さんが食事の管理を行う以上、直接関係ないように思われますが、睡眠が不足すると日中の活動が散漫になる、排泄が不安定になることが挙げられます。

見落とされがちな便秘

肥満になりやすい傾向の1つに便秘があげられます。

人間でもそうですが、肥満の犬も便秘気味の子が多いようです。

愛犬の体質に合わせて、運動量や水分・食物繊維の摂取を検討してあげましょう。

肥満犬から脱却させる理想的なダイエット方法

ダイエットに適した食事を考える

人間のダイエットも犬のダイエットも同じで、食事や間食の内容は重要なポイントです。

但し、最初に実行するのは、食事量を減らす事でも、オヤツをやめることでもありません。

飼い主、愛犬共に、ストレスを最小限に抑えて、食事によるダイエットの成功と体型維持に努めましょう。

オヤツの選び方、与え方


・オヤツの量は8倍サイズで考える

ベニソン

白身魚

上の写真は鹿肉と鹿レバーを使ったもの。

(100gあたり259kcal)
下の写真は白身魚を使ったもの。

(100gあたり472kcal)
材料だけを聞くと、レバーよりも白身魚を使った下のオヤツの方が低カロリーのイメージがありますが、実際はその逆なのです。

使われている原料の把握は勿論ですが、カロリーもしっかりチェックしましょう。

100gあたりのカロリーの差なんて、愛犬の食べる量だけ見ると、微々たるものに感じてしまいがちですが、例えば、3kgの成犬が一日に必要とするカロリーは約250Kcalというデータがあります。

人間の成人が一日に必要とするカロリー約2000kcal前後と比べると、概ね1/8となります。

では、愛犬が食べるほんの一口のオヤツを8倍のサイズに捉えてみましょう。

大きさとしては、クッキーやケーキ、饅頭ぐらいになりますね。

更に、クリームや砂糖、油脂がたっぷり使われていたりすると・・・・?ダイエットに大きな影響がある事が容易に想像できるのではないでしょうか。

今まで与えていたオヤツが高カロリー(100gあたり300KCal以上)ならば低カロリーのものをバリエーションに加えてみませんか?

・オヤツの与え方にもこだわりましょう

お友達の飼い主さんに1度でもオヤツを貰うと、愛犬はしっかりとその事を記憶しているものです。

次に出会った時は「今日もオヤツが貰える」と期待します。

大半の犬にとって食べることは嬉しい感情につながりますので、期待のループを断ち切るのは、非常に困難です。

余所の飼い主さんとの関係でもそうなのですから、愛犬と愛犬自身の飼い主さんの関係となると、尚更です。

躾やご褒美の一環として、オヤツが有益なシーンは多々ありますが、愛犬が決めてしまった自分ルールに従っていたり、何となくだったり、惰性で与えているだけだったりしませんか?今、愛犬にオヤツを与えるのが必要かどうかを今一度吟味しましょう。

回数に問題がない場合は、1回辺りの量を減らすのも有効です。

ドッグフードの選び方、与え方


ドッグフードは愛犬の身体を支える主食です。

カロリーだけで判断するのは好ましくありませんが、ライフステージに合わせた商品を選ぶことがポイントです。

また、体質に合うのならば穀物不使用(炭水化物に含まれる糖質を避ける)の商品を選ぶのも一案でしょう。

量については、基本的にはパッケージに記載されている量が目安ですが、ドッグフード自体がカロリーが高い傾向にあるため、栄養過多になっている事が考えられる場合は、野菜やキノコ、海草類等でのかさまし、脂肪の少ない鶏ササミや魚と置き換えると、量的な満足度は維持しつつ、水分や匂いなどが加わり、愛犬の身体にも優しいご飯になります。

ただし、極端にドッグフードを減らすとカロリーと見た目は満足できるものになるかもしれませんが、必要な栄養素は不足する可能性がありますので注意してください。

運動でのダイエット方法を考える

遊ぶ子犬達

ドッグランでお友達と走り回るような時間が頻繁にあれば、肥満になることはそうそうありませんが、走るのが嫌い、散歩が苦手な犬がいるくらいですから、実際はなかなか難しいものですね。

でも、ダイエットには運動はやはり必須項目。

愛犬の負担にならない程度に外での活動を増やしてあげましょう。

飛行犬

愛犬が好きなオモチャを見つけてあげて、お家でしっかり遊ぶのもいいですね。

肥満犬のダイエットに関するまとめ


食事を抜くといった急激なダイエットは絶対禁物ですし、「大きな成犬にしたくない」事を理由に、パピー時代から食事を制限する飼い主さんも少なからずいらっしゃるようです。

血統書や見た目に振り回されるのはナンセンスです。

その犬自身がもつ個性に合わせた体づくりを考えるのが、飼い主のあるべき姿でしょう。

ダイエットは愛犬の健康のために行うものであって、愛犬の健康を損なっては何の意味もありません。

獣医さんと相談しながら、計画的・科学的に行いましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 ぽち

    飼い主さんは愛犬が太ってしまうことによって健康状態が崩れるのではないか、足に負担がかかってしまうのではないかなど、色々気になるかと思います。
    わたしも愛犬の肥満、すごく気になります。
    獣医さんに行くと必ず体重をはかってもらい、うちの子太ってますか?などとしつこく聞いてしまいます。
    わたしの愛犬のテリアは、ウィキペディアや犬種別体重などのウェブサイトの載っている標準体重より多いのです。
    そのためうちの愛犬は太っているのかも知れないと考えたことが過去何度もありました。
    しかし、愛犬はよく運動するために筋肉がついていること、また男の子のため現在の体重でいい、バランスが大事だと獣医師さんに説明を受けて以来、少しほっとしています。
    体重はあくまでも目安です。不安や疑問などがある場合は獣医師さんに相談してみるといいかもしれません。

    また肥満のため、満腹感が得られるフードを考えて、野菜を沢山与えようと考える飼い主さんもいるかと思います。しかしお腹いっぱい食べさせてあげたいという思いから野菜で調節するのはあまりよくありません。
    犬も胃が大きくなりますので普段のフードを減らして野菜を与えるのならいいのですが、 現在のフードの上に野菜で量を増やすとなると胃は大きくなります。
    愛犬のダイエットをする際は、栄養バランスや愛犬が感じるストレスのことも考えてあげたいですね。
  • 投稿者

    20代 女性 チーズケーキ

    元動物看護師です。
    基本的に犬は1歳までに成長が終わります。その点から1歳の体重がその子の適切な体重になります。(大型犬や極端に痩せたり太ったりしている犬を除きます。)
    同じ犬種であっても身体が大きな子もいれば小さな子もいますので、自分の愛犬が1歳だったとき何キロだったか、それが適切な体重の目安になります。

    ダイエットする上での注意点があります。
    極端に太っている犬のダイエットに過度な運動をさせてしまうと関節や心臓に負担がかかってしまいますので気を付けて下さい。
    痩せるにはもちろん運動は必要ですが、基本的に見直す必要があるのは食生活です。
    今与えているフードを減らすダイエットだと、犬自身も空腹に耐えられないばかりか、栄養バランスも悪いためにあまりいいダイエットではありません。
    ダイエットをする場合は、カロリーの低くなおかつ満足感も得られ栄養バランスもしっかりしているダイエットフードを使うことをおすすめします。
    私のおすすめダイエットフードは、ロイヤルカナンから出ている「満足感サポート(スペシャル)」です。
    こちらは動物病院専用食ですので、もしダイエットする場合はきちんと獣医師から説明を受けてから与えましょう。

    太っていても丸くて可愛いと思われる方もいるようですが「肥満は病気」です。
    元気で長生きするためにも適切な体格にしましょう。
  • 投稿者

    30代 女性 ハッピー

    うちの犬も一時期少し肥満になってしまった時がありました。獣医さんに相談したところ、摂取カロリーを抑える犬用のフードを勧められ、肥満体形から徐々に適正体重に戻っていきました。
    人間と同じ様に、1週間そこらで体重は大きく変わらないので、負担にならない程度で徐々に減量して行くことが重要です。今はカロリーの低い食材で作った手作りごはんや、カロリーを抑えたおやつを中心に与える事で体重をキープしています。
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