まずは体を緩めてリラックス
筋肉の緊張を緩める
人間と同じように、犬のマッサージをする時もまずは体を緩めてリラックスしてもらうところから始めましょう。筋肉に力が入っている状態でツボを押したとしても、筋肉の張りに押し返されてしまってあまり気持ちよく感じないのです。
毛並みに沿ってなでてあげよう
仰向けや横向き、うつ伏せなど、愛犬がリラックスできるポーズにしてあげます。そして、愛犬の毛並みに沿って全身をなでてあげましょう。こうすることで愛犬がリラックスし、体のこわばりが緩みやすくなります。
辻本由香子
マッサージはペットの筋肉組織に刺激を与え筋肉強化を促すだけでなく、血液やリンパ液の循環の改善、痛み軽減や機動性、柔軟性なども回復させる効果を持っています。
最も一般的なマッサージ法である一方向に撫でる手法『軽擦法(けいさつほう)』は主にマッサージ開始時にペットを落ち着かせるために用いられるマッサージ法ですので、まずはぜひゆっくり、優しく撫でてあげてください。
頭と顔のマッサージ
頭頂部
頭蓋骨のてっぺんは「頭百会(あたまひゃくえ)」と呼ばれるツボで、自律神経を整えて落ち着きを取り戻す効果が期待できます。軽く円を描くようにマッサージしてあげましょう。
目の周り
目の周りの筋肉は緊張しやすいので、優しくマッサージしてほぐしてあげましょう。眼の骨とくぼみを感じながら、毛並みに沿ってやさしく耳や体の方向へ流すようにするのがポイントです。
ほっぺ
眼のマッサージの延長で、頬も同じようにマッサージしてあげましょう。こちらも毛並みに沿って、顔の外側方向へと流すイメージで優しくマッサージしてあげましょう。
耳の付け根~首
普段手の届かない耳の後ろの付け根は、犬が気持ちよく感じるツボの1つです。そして、犬の首を触ってみるとわかるのですが、首の後ろはすごく筋が張っていて緊張しやすい部分です。
自分よりも大きな飼い主さんをいつも見上げているからかもしれませんね。耳の付け根から首の後ろを、背中の方向へと撫でるようにマッサージしてあげましょう。
辻本由香子
頭から顔周りにかけてのマッサージは、イライラ解消や緊張をほぐす効果、目のトラブルといったことにも効果が期待できます。また、夏場に特に注意したい熱中症といった症状は、主に頭付近をマッサージすることにより、体温中枢の調整作用を刺激して散熱を早めます。
顔の皮膚を優しくつまんでマッサージするピックアップマッサージは、イライラした気持ちを鎮める効果もあるので、おススメします。
体のマッサージ
足の付け根
4本のあんよで元気にお散歩したり走ったり、脇の周りや後ろ足の付け根は日々稼動している部位です。この4本の足の付け根を緩めるようにマッサージしてあげましょう。脇の下は急所でもあるので、嫌がる場合は少しずつ慣らしていきましょう。
前足の付け根~背中
二足歩行の人間は腰に負荷がかかるため、腰回りが凝りやすく腰痛持ちの方も多くいます。しかし犬は4足歩行なので、腰への負担は人間ほどではありません。
一方、前足の付け根から肩甲骨の下を通って背中へ繋がる「広背筋(こうはいきん)」という筋肉は、犬が歩いたり走ったりするときによく使う筋肉です。広背筋は人間で言うと、懸垂をするときに主に使う筋肉です。特に、ダックスフンドやコーギーは胴が長い犬種のため、この広背筋が特に疲労しやすいと言われています。
この広背筋を意識して、前足の付け根から背中にかけてマッサージしてあげましょう。横腹を触ると嫌がる子も多いので、前足の付け根から肩甲骨の下を通って背中に行くようなイメージでマッサージすると良いかもしれません。
辻本由香子
体全体へのマッサージは、様々な不調に効果を示しますが、マッサージにも種類があり、分かりづらかったりする時があります。そんな時におススメなのが、全身のピックアップマッサージです。
ピックアップは経絡掴みといって、経絡に沿って5本の指全体で皮膚を持ち上げるマッサージです。皮膚は体全体の約20%を占めており、その皮膚経絡をピックアップすることで皮膚の体操になって体調を整えることが出来ます。
先端は嫌がる部位
人間であれば、手のひらや足の裏はマッサージしてもらうと気持ち良く感じる部分です。しかし犬の場合、足先はとても嫌がりやすい部位です。足先や鼻先などの先端は、他の犬や敵と戦った時に1番負傷しやすい部分であるためにとても敏感なのです。マッサージを始める時は犬の体の先端ではなく、中心部に近い場所から徐々に慣れていくと良いでしょう。
まとめ
今回は犬がマッサージされると嬉しい場所についてご紹介いたしました。
- 頭頂部
- 目の周り
- ほっぺ
- 耳の付け根~首
- 足の付け根
- 前足の付け根~背中
などの場所は、犬がマッサージされて気持ちよく感じやすいポイントです。
逆に、犬は足先や鼻先などの先端はとても敏感な部分であるため、嫌がる場合は無理に触らない方が良いポイントです。
みなさんもぜひ、スキンシップを兼ねて愛犬をマッサージしてみてください(^^)