犬が保冷剤を誤飲した時の注意点
保冷剤の成分に注意
保冷剤は食品が腐らないようにしたり、暑い時期や発熱時に体温を下げたりする役割で使用するもので、保冷剤は凍らせることで使用することができ、凍らせることで何回も使用することができるので、経済的な負担を軽減することができ、犬の場合は夏場などの暑さ対策で使用することが多い傾向があります。
保冷剤のほとんどの成分は水で、その他にはボリアクリン酸ナトリウム、エチレングリコール、防腐剤などが入っています。このエチレングリコールは、不凍液で凍らせても完全に固まらせないようにする保冷剤の成分で、エチレングリコールは甘い匂いと味がするため、犬は口にしやすいので注意です。
犬が保冷剤を誤飲した時の症状
犬が保冷剤を誤飲した時、まず保冷剤の成分で、最も危険とされているものがエチレングリコールで、口にすると中毒症状を示し、最悪の場合、犬が死亡してしまいます。
保冷剤成分のエチレングリコールは毒性の物質ではなく、肝臓で代謝されることで、グリコアルデヒド、グリコール酸エステル、シュウ酸エステルなどの毒性の高い物質が産生されて、犬は中毒症状を現します。
小型犬では、保冷剤成分のエチレングリコールはスプーン2杯で致死量に達し、失神や痙攣を起こして嘔吐、神経症状、多飲多尿、頻脈、呼吸速迫などの症状を現し、腎不全を起こして高い確率で死亡してしまいます。
犬が保冷剤を摂取後、1~10時間以内であれば、血液検査で摂取をしたかどうかを確認でき、治療としてはエタノールや解毒剤を24時間持続的に投与します。摂取後12時間を超えた場合は、血液検査で摂取の有無を確認することができなくなり、治療も腎臓に対しての補助療法のみとなります。
犬が保冷剤を誤飲した時の対策法
犬は体温調節が苦手で暑さに弱いため、保冷剤は暑さ対策としては経済的であり、容易にできるので、飼い主や家族としては使用しやすい暑さ対策ですが、保冷剤全てが危険なわけではないので、エチレングリコールが含まれていない保冷剤を犬の暑さ対策に使用するようにしてください。
犬が保冷剤を口にしないようにタオルなどに包み、使用するなどの工夫を行うことも対策の1つです。
犬に保冷剤を使った熱中症対策
蒸し暑い車内や、室内での留守番、暑さの厳しい中での散歩などが原因で、犬に熱中症が起こり、急激な体温上昇により、あえぎ呼吸やよだれなどの症状が現れ、ひどい場合には呼吸困難や吐血、血便などを起こし、命に関わることがあります。
犬は汗をほとんどかかないため、体温調節が苦手な動物なので、熱中症になりやすい傾向があり、特に夏場は気をつけるべき病気の1つです。
犬の熱中症で起こりやすい犬種は、シー・ズー、ペキニーズ、ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、ボクサーなどの短吻犬種や、肥満の犬は呼吸がしづらいために、熱中症が多く起こりやすい傾向があります。その他にも子犬や老犬、心臓や呼吸器系が弱い犬も、熱中症が起こりやすいとされます。
熱中症の対策
夏場の犬の散歩は気温が下がっている時間帯に行い、室外飼育の場合は、犬に保冷剤を使用するか、暑い時間帯は、温度調節がしやすい室内に入れるなどの工夫が必要です。
万が一、犬が熱中症になってしまった場合には犬の体温を下げるようにします。犬に水をかけたり、水の中に犬を入れたり、保冷剤や濡れタオルなどで犬の脇の下や、胸の部分を冷やすなどを行い、動物病院へ連れて行きます。
まとめ
犬は暑さが苦手であるために夏場の暑さ対策は必要であり、暑さに弱い犬種であれば、更に必要となります。短吻犬種以外にも、北方系生まれの犬種、被毛がダブルコートの犬種なども暑さは苦手なので、犬が保冷剤を誤飲しないように気をつけて暑さ対策を行いましょう。