なんか…臭うかも…。犬の体臭がする原因と対策

なんか…臭うかも…。犬の体臭がする原因と対策

こちらでは犬の体臭がする原因と対策についてご紹介しています。毎日お風呂に入らない犬はどうしても体臭がするものですが、中には病気が原因のこともありますので注意が必要です。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の体臭があまりにもキツイときは病気の可能性も?!

犬のニオイにビックリする女性

私は犬のニオイが結構好きです。特に肉球の香ばしいニオイが好きです。しかし、あまり強すぎる体臭だと「ウッ…!」とすることもありますよね。我が家のワンコは特に口臭がひどいので、毎日の歯磨きはかかせません。皮ふのニオイの状態で「そろそろお風呂に入れてあげようかな」とお風呂のタイミングの基準にしている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、定期的にお風呂にも入れてるのに体臭が強い、口や耳から不快な臭いがするという場合には何らかの病気の可能性があります。犬のニオイがキツイなと感じたら正しい対処法でのケアをしてあげたり、場合によっては病院で受診する必要があります。

犬の体臭の種類

犬の体の説明

犬のニオイの元には

  • 口臭
  • 目ヤニや耳アカ
  • 皮膚や毛
  • 内臓
  • 排せつ物
  • 土など外部からの汚れ

などが考えられます。最後の土など外部からの汚れについてはシャンプーをすれば取れるものですが、その他は病気のサインである可能性もあります。

次に、具体的な体臭の原因と対策をまとめみたいと思います。

原因①皮膚の状態が悪い

体をかじるゴールデンレトリバー

犬は人間と違って毎日お風呂に入りませんので、動物特有のニオイがしてしまうのは仕方がないものです。このニオイの原因は「アポクリン腺」という汗をかく場所からの分泌液によるものです。また、ブラッシング不足により皮膚の状態が悪くなっていることもあります。

皮膚病が原因の場合

我が家のMダックスは以前マラセチア菌による皮膚炎にかかっていました。その時には毛や皮膚がとても脂っぽく、獣臭もすごかったです。完治した今では脂っぽさがなくなり、ニオイも軽減されました。このように、何らかの皮膚病にかかっている場合は、皮膚の状態が悪いことによりニオイもキツくなりやすいです。

対処法

皮膚の健康のために、定期的なシャンプーとブラッシングを頑張りましょう。シャンプーの頻度はもちろん個体差はありますが月に1回~2回程度が適度とされています。逆にシャンプーのし過ぎも皮膚のために良くないので、適正な回数を心がけましょう。

ブラッシングに関しては毎日行うのが理想的ではあります。この時に濡れタオルで体を拭いてあげると更に清潔さが保たれます。ただし、中途半端に生乾きにするとそこが細菌の温床にもなりますので注意しましょう。

原因②肛門腺が溜まっている

黒い犬のオシリ

「肛門腺」は肛門の両隣にある分泌腺のことです。そこからの分泌液はとっても強烈なニオイがします。通常はウンチをする時に一緒に分泌されるのですが、これが上手く分泌されずにいると溜まってしまい臭うようになります。特に小型犬は肛門腺が溜まりやすいと言われています。

対処法

動物病院やトリミングサロンで肛門腺を絞ってもらうか、できそうなら飼い主さんご自身で絞ってあげましょう。肛門腺絞りにはコツがいるため、難しい場合にはプロにお任せした方が安心です。肛門腺が溜まったままになると破裂してしまう恐れもあるため、定期的に絞る必要があります。

原因③腸内環境が悪い

ドッグフード

私は以前、安全性や栄養価について何も考えずにペットフードやおやつを選んでいました。その頃はウンチのニオイもすごく臭くて、下痢の日が多かったことから「プレミアムフード」と呼ばれるフードや無添加おやつに切り替えました。フードやおやつを切り替えたところ、ウンチのニオイが軽減されたのを実感しました。ウンチの色も、以前は着色料の色が出ていたということにフードを切り替えてから気付きました。

対処法

ウンチのニオイがキツ過ぎたり状態が悪いと感じた場合、現在与えているフードやおやつが適度かどうか見直しましょう。腸内環境のケアができるフードを選んだり、保存料や着色料が無添加のフードやおやつを選んであげるとウンチのニオイが軽減される場合もあります。腸内環境のための犬用サプリメントの活用も良いと思います。

原因④歯周病が進んでいる

ワンちゃんの口臭に悩んでいる飼い主さんは大変多く、私もその一人です。

犬は虫歯になりにくいですが、歯周病になりやすい生き物です。我が家の犬は保護犬なのですが、引き取った時には既に歯茎が後退し、歯もポロポロ抜けてしまいました。歯周病が進むと歯が抜けるだけではなく、膿や菌が全身に回って重篤な病気の原因ともなり得る怖いものです。小型犬では顎の骨が溶けて骨折してしまうことも。

対処法

既に付いてしまった歯石は麻酔下で処置をしなければ取ることができません。麻酔は高齢のワンちゃんには難しいこともあるため、まずは獣医師に診てもらい相談してみましょう。

獣医師の診断によっては、抗生物質の処方や外科的処置が必要な場合もあります。麻酔をして歯石を取ってくれる時に、状態によってはグラグラした歯を抜いたり深くなり過ぎた歯茎の溝を塞いだりといった外科的処置を行う場合もあります。よく「無麻酔の歯石取り」を売りにしているサロンがありますが、歯を傷付けやすいだけではなくワンちゃんが暴れてケガをしてしまう危険性もあります。

獣医師の診断によっては、抗生物質の処方や外科的処置が必要な場合もあります。安全な方法でしっかり歯石を取ったり口内環境を整えた後、歯磨きの習慣をつけましょう。いくら歯石取りをしても歯磨きを頑張らなければまたすぐ歯石が溜まってしまいます。できれば歯ブラシを使っての歯磨きが一番効果的です。

原因⑤耳の中が不衛生になっている

耳の検査を受ける犬

ダックスフンドやキャバリアなど、たれ耳の犬種は耳の中が不衛生になりやすくなります。耳の中で細菌が繁殖してしまうと、コールタールのように黒っぽくベットリした耳アカが大量に出るようになり、ニオイがきつくなります。

対処法

動物病院では獣医師が耳洗浄を行ってくれます。お薬や抗菌性のイヤークリーナーなどが処方されることもあります。犬の耳はとてもデリケートで傷付きやすいため、獣医師に正しいクリーニング方法を教えてもらうと安心です。

まとめ

キスされる犬

犬のニオイと言っても、皮膚や毛のニオイであったり口臭であったりと様々な種類があることが分かりました。キツ過ぎるニオイは何らかの病気や細菌の繁殖が原因になっている可能性がありますので、個人判断せず獣医師に診てもらい、確実に改善していくことが重要だと思いました。飼い主さんもワンちゃんも快適に生活するために、ぜひワンちゃんのニオイをチェックしてみてくださいね。

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