愛犬の老後を考えて!子犬の時からできる健康的な生活習慣4つ

愛犬の老後を考えて!子犬の時からできる健康的な生活習慣4つ

犬の老化は避けては通れないものです。それでも、愛犬といつまでも健康で元気に暮らしたいですよね。子犬の時から健康的な生活習慣を送ることで、愛犬の老後にそなえましょう!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

老後にみられる犬の変化

老犬

栄養バランスを考え作られたドッグフードの改良や、獣医療の発展が著しい昨今の日本。これらだけでなく、愛犬の健康への飼い主さんの関心の高さも、犬の寿命が延びている要因の一つと言って過言ではないでしょう。

一般的に、わんちゃんは、個体差はもちろんありますが、7歳以上から「老犬」「シニア犬」とよばれる高齢期に入ります。犬種や生活環境、運動量の差などによって異なりますが、見た目や体調に少しずつ老化のサインがあらわれ、今まで平気でこなしてきた行動も、困難になったりできなくなったりします。

見た目の変化

  • 白髪が増える
  • 被毛にツヤが無くなる
  • 皮膚にハリが無くなる
  • デキモノができやすくなった
  • 筋力の低下により、真っ直ぐに立てず後ろ足がハの字になる

老化による体調の変化

  • 筋力の低下により、歩行が困難になる
  • 聴力の低下により、名前を呼んでも反応が薄い
  • 代謝の低下により、食欲がすすまない
  • 視力の低下により、物にぶつかる回数が増える
  • 筋力や内臓機能の低下により、トイレを失敗しやすくなる
  • 感情のコントロールが不安定になり、急に怒りだす
  • 認知症により、同じ行動を繰り返すようになる

犬の老化は避けては通れないものです。しかし、子犬の時から老後にそなえて対策できることがいくつかあります。

子犬の時から実施してみよう!①「食後のハミガキ」

ハミガキをする犬

みなさんは愛犬のハミガキ、週に何回ほど行っていますか?

犬の口内はpH8~8.5の弱アルカリ性であるため虫歯になりにくいですが、その代わりに歯石が残りやすい口内環境といわれています。

人間も同じですが、歯周病や歯石を放置してしまうと口臭がきつくなったり、歯が抜けたり、炎症が起こって下アゴの骨が溶ける場合があります。さらに悪化すると菌が血流と一緒に全身を巡り、心臓や腎臓などの内臓に侵入し、全身疾患に発展することもあります。

理想的にはハミガキは可能であれば毎食後に行うのがオススメです。難しければできるときになるべくしていただけるといいかと思います。子犬の時からハミガキを習慣付けることで歯周病や口内炎を防ぐことができ、老犬になっても強い歯を保つことができるでしょう。

子犬の時から実施してみよう!「②一風変わった散歩」

散歩する犬

毎日の散歩では、新しいものを取り入れていきましょう。
例えば、いつもの散歩コースから1本外れた道を歩いたり、いつもとは違う洋服で出かけたり、オヤツの種類を変えてみたり、アジリティのように障害物をジグザグに歩いてみたり、などほんのちょっとの変化を加えることが重要となります。

成犬になるにつれて、飼い主さんも犬も生活リズムがワンパターンになりがちですが、このように遊びや変化を作ることで「今日は何をするのかな」「どこに行くのかな」と脳を刺激してくれます。足腰を鍛えることができるだけでなく、認知症の予防にもつながるでしょう。

子犬の時から実施してみよう!③「健康診断」

犬の健康診断

飼い主さんにとって当たり前の行事かもしれませんが、子犬の時から健康診断は欠かしてはいけません。「シニア期は何年も先だから」「子犬は健康」という認識や概念は捨て、将来を見据えたうえで、子犬の時から予防できるものは予防しましょう。

健康診断は少なくとも年に1回、中年齢~高齢期になったらできれば半年に1回の受診をオススメします。

子犬の時から実施してみよう!④「脳のトレーニング」

オモチャを持つ犬

愛犬と一緒にかくれんぼをしたり、お気に入りのオモチャを隠して宝探しゲームをしたり、知育用のオモチャなどによって、脳をフル回転させたり五感を使う遊びはとても有効的です。とくに子犬は好奇心が旺盛で遊ぶことが大好きなので、喜んで遊びに参加するでしょう。

またマテやフセ、オスワリなどを行うことも、脳のトレーニングとなります。犬は飼い主さんの喜ぶ顔が好きな動物であるため、「飼い主さんが出した指示にきちんと従うことができた」「飼い主さんに褒められた」と喜びを感じます。

その達成感や幸福感によって心身ともに満たされつつ、脳の活性化にもつながります。しっかりと指示に従うことができたときには、ご褒美としてオヤツも忘れないようにしてくださいね。

まとめ

飼い主を見上げる犬

犬の寿命が延びていることは、飼い主さんとしてもとても喜ばしいことです。しかし、それはつまりシニア期が長いということ。今までできていたことができなくなったり、好きだった食べ物が嫌いになってしまったり、飼い主さんも犬自身もとまどうことが多いでしょう。

しかし、そのシニア期を楽しむのも犬と生活する楽しみの一つではないでしょうか。寿命が延びることで愛犬と過ごす時間を増える喜びや感謝を感じたり、子犬とは違うシニア犬の可愛さもたくさんあります。

だからこそ、子犬の時から老後にそなえて健康的な生活習慣を送ることで、素敵なシニア期を過ごすことができるでしょう。老化のサインは急にあらわれるものなので、飼い主さんは見逃さないようにしてくださいね。

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