柴犬のマッサージについて
「マッサージされる柴犬が可愛い!」気持ちよさそうにマッサージを受ける柴犬の姿に癒やされるとSNSなどでも話題になっています。
柴犬にマッサージをすると言われても、「犬って肩が凝るの?」と、少々疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、犬のマッサージはスキンシップとしてはもちろん、健康管理にも役立つ、是非取り入れたいコミュニケーションツールの一つなのです。マッサージが出来るということは、信頼関係が築かれている証にもなります。
人間同様、犬にも「ツボ」なるものが存在するため、ツボマッサージをしても良し。犬用の保湿クリームを使用してケアマッサージするのも良し。一言に柴犬のマッサージと言ってもその方法は様々なので、愛犬と飼い主さんに合った方法で柴犬のマッサージを楽しみましょう!
気持ちよさそうにする柴犬を見ていると、マッサージをしているこちらも癒やされますよ!
辻本由香子
柴犬は、警戒心が強い犬種で有名ですが、飼い主様には従順な犬であり、また、柴犬の茶色の瞳は奥まって付いていることもあって、優しい表情の子が多いですね。
そのため、柴犬へのマッサージは外見に似合わず筋肉質な体を解してあげるだけでなく、施された時の表情をより可愛らしく見せてくれる、とても良いスキンシップ方法と言えるでしょう。
柴犬の詳しいマッサージ方法!
柴犬にマッサージをしてあげる方法をご紹介します。
顔や頭のマッサージ方法
柴犬の顔や頭をマッサージする方法については、まず毛並みに沿って行うことを意識してください。
マズルを中心に鼻からおでこへ向けて、目の周りは眼球に沿って、口周りは首へ向けて優しく撫でるようにマッサージしましょう。同様に、耳も付け根から先端に向けて2本の指で挟むようにして撫でてください。
犬の目の少し上、眉間の辺りには攅竹(さんちく)と呼ばれるツボがあり、目の疲れを軽減させたり気持ちを落ち着かせたりする効果があるとされています。
他にも、犬が物をかむ時に使う筋肉がついている「側頭窩(そくとうか)」と呼ばれるくぼみ、人間でいう「こめかみ」辺りも優しく押さえてあげると良いですね。
また、犬の顔をマッサージする時は向かって正面から首、背中へ向かって流すようにリンパマッサージをするのもおすすめです。
「柴犬のツボやリンパがよく分からない!」という場合、毛並みに沿って撫でることだけを意識すれば十分です。柴犬の顔や頭をマッサージする時は、特に難しいことを考えなくてもほっぺたを優しく掴むようにしてムニムニするだけでも喜んでくれますよ。
首のマッサージ方法
柴犬の首のマッサージの方法は、愛犬の後ろ側から耳の付け根に両手を添え、親指を背骨に沿わせながら円を描くように背中に向かって撫でます。
特に首の後ろ側は疲れが溜まりやすいので、時間を掛けて優しくほぐしていきましょう。柴犬の首の後ろ側や肩などを優しく掴んで引っ張ったり、揉んだりするのもおすすめです。
柴犬の首のマッサージは特に念入りに行なってあげましょう。というのも、犬は肩が凝りにくい代わりに「首が凝りやすい」という特徴を持つと言われています。犬は人間と異なり、常に頭を持ち上げておく必要があるため、負担が掛かりやすいのです。
首周りを触られると喜ぶ柴犬は多いので、日常的にマッサージしてあげられると良いですね。
背中のマッサージ方法
柴犬の背中のマッサージの方法も、毛並みに沿って行うことが基本となります。
首から背中、背中からお尻に向けて毛並みに沿って掌で撫でましょう。2本の指で背骨に沿って軽く指圧するのもおすすめです。柴犬の背中をマッサージする時は、しっぽの付け根のマッサージも忘れずに。
犬のしっぽの付け根は足が届きにくく、しっぽを振ることで負担が掛かるため意外と凝りやすい場所でもあると言われています。柴犬の背中やお尻のマッサージをする時、柴犬が嫌がらないのであれば指先で軽く叩くようにしてマッサージをするのもおすすめです。
お腹のマッサージ方法
柴犬のお腹や胸のマッサージの方法は、前足の付け根から後ろ足に向かって毛並みに沿って優しく撫でていきます。
特に疲れが溜まりやすいと言われている前足の付け根や胸の部分は、円を描くように撫でたり、掴むようにして揉んだりするのも良いでしょう。
犬の急所であるお腹は、指先で指圧したりせず掌で優しく撫でます。柴犬が便秘気味の場合は「の」の字マッサージをするのもおすすめです。
最後は、リンパを流すようなイメージで後ろ足の付け根からお尻に向けて撫でましょう。
足のマッサージ方法
柴犬の足のマッサージの方法は、足の付け根から足先に向かって優しく撫でるようにして行います。
柴犬が嫌がらなければ、足の付け根部分をゆっくり動かして可動域のチェックも行うと良いですね。足の付け根から足先まで、優しく握るようにしてマッサージするのもおすすめです。
また、柴犬の足のマッサージをする時は犬用の保湿クリームなどを使って肉球マッサージをしましょう。肉球や指の間を優しく握ったり、押さえたりしてマッサージをします。肉球を優しく5秒程度握って、10秒程度かけながらゆっくり離していく方法もおすすめです。
柴犬にマッサージをしてあげる方法は非常に様々です。特に決まりはありませんので、愛犬が好む方法を見つけてあげられると良いですね。
ただ、前述した方法や部位によっては柴犬が嫌がったり、痛みを感じたりしてしまう場合もありますので、様子を見ながら行うことが大切です。
特に子犬の場合は、日頃からマッサージをしてあげることで信頼関係を築くためのトレーニングになったり、全身に触られることに慣れることでお手入れがしやすくなったりとメリットがたくさんあります。
成犬や老犬の場合も、体の異変に気づくきっかけになる場合もありますので、是非柴犬のマッサージを取り入れてみてくださいね。
辻本由香子
柴犬は全ての日本原産犬種の中でもっとも小さい犬種として位置づけされておりますが、頑健な体格と毎日十分な時間を取った運動を必要とする犬種でもあります。
特に首元や後ろ足といった部位は緊張しやすく、動かす頻度も多いため、そういった点を重点的に全体的なマッサージをしてあげることをおススメします。
柴犬のマッサージをやる際のテクニックやコツ
柴犬が喜ぶマッサージのテクニックについてご紹介します。柴犬をマッサージでうっとりさせるために様々なテクニックを取り入れてマッサージを行いましょう!
1. ストローク
柴犬が喜ぶマッサージのテクニックとして最も基本的なのが「ストローク」、つまり「撫でる」という手法です。
掌を使ってゆっくりとストロークしたり、指先で指圧するようにストロークしたりと、愛犬の好みや部位に合わせてマッサージしましょう。
2. スキンツイスト・ローリング
スキンツイスト、スキンローリングとは柴犬の皮膚をつまんだり、軽くひねったりするマッサージテクニックです。
特に頬や首周り、しっぽの付け根などの部位におすすめのテクニックであり、血行促進やアンチエイジング効果があるとも言われています。
皮膚に余裕がある首周りなどの部位ではスキンツイストを、頬やしっぽの付け根などの部位ではつまむ場所を変えていくスキンローリングを行いましょう。
木下 明紀子
スキンローリングとは、本来は筋肉を覆っている筋膜の癒着やねじれを解消する理学療法の「筋膜リリース」を指すようですが、飼い主さんがそこまでやるのは難しいと思いますので、わんちゃんが嫌がらない程度に皮膚をつまむ程度で良いでしょう。
3. ピックアップ
ピックアップマッサージとは、指でつまみながら揉んだり、広い範囲の皮膚を優しくつかんでゆっくりと持ち上げるマッサージテクニックです。
特に耳の付け根や肉球、背中などにおすすめ。力を入れすぎないように注意しながら、柴犬の喜ぶツボを揉みほぐしていきましょう。
4. バイブレーション
柴犬が喜ぶマッサージテクニックとして「バイブレーション」、つまり振動させるようなマッサージテクニックを取り入れましょう! 前述したストロークやピックアップ、スキンローリングなどのテクニックに合わせて小さく振動するように揺らしてみましょう。手で行うのが難しい場合は、ブラッシングブラシなどを利用するのもおすすめですよ!
このテクニックは、血行促進や皮膚の健康にも役立つと言われています。
5. タップ
柴犬が喜ぶマッサージテクニックの中でも最も取り入れやすいのが「タップ」、軽く叩くようなマッサージテクニックです。背中やしっぽの付け根などを指先でトントンと叩くようにマッサージしましょう。
人で言う「肩たたき」のようなイメージですね。小型犬や子犬の場合は、力加減に十分注意してください。
6. Tタッチ
柴犬のマッサージに取り入れたいテクニック「Tタッチ」とは、世界的に有名な馬のトレーナー「リンダ・テリントン・ジョーンズ」が考案したものを他の動物にも転用したテクニックです。
Tタッチは、とても軽い力で皮膚を動かすようにタッチするマッサージテクニックであり、その具体的なやり方については動画などでも紹介されていますので、是非一度挑戦してみてくださいね。
木下 明紀子
Tタッチは、マッサージだけではなくオリジナルの道具やコミュニケーション方法を通じてあらゆる動物の心と体に良い影響を与えるとされています。興味のある方は、Tタッチ日本事務局のホームページをのぞいてみて下さい。
柴犬が喜ぶマッサージテクニックには非常に様々なものがありますが、どれも難しいものではありません。撫でる、つまむ、揉む、引っ張る…など、人間用のマッサージと似たようなものが殆どです。
柴犬のマッサージはその部位やテクニックなどによって健康効果が異なることもありますので、愛犬の体質や体調に合わせて選ぶと良いですね。
辻本由香子
犬の体は、その総重量の40%以上が筋肉で構成されていると言われています。そのため、ストロークやピックアップといったマッサージ法は、愛犬が健康でマッサージを嫌がらなければ飼い主様ご自身が行う事が可能です。
しかし上記の獣医師の方の補足にもあるように、中には解剖学が関係するマッサージも存在するため、マッサージを行う際は慎重に判断してあげてください。
柴犬にマッサージをする時の注意点
柴犬にマッサージする際の注意点には、以下のようなものがあります。
力加減に注意する
柴犬にマッサージをする際、最も注意しなければならないのが力加減です。人間の指圧マッサージやツボ押しマッサージなどは「痛いが気持ち良い」というイメージですが、柴犬のマッサージに痛みが伴うことは避けなければなりません。
特に小型犬や子犬、老犬などにマッサージをする時は力を入れないように注意しましょう。また、犬にも「ツボ」なるものが存在しますが、無闇に指圧することはおすすめできません。
これは柴犬に限らず言えることですが、犬と人では骨や筋肉の構造が異なるため、柴犬に本格的なマッサージを行いたい場合は骨や筋肉の構造を勉強することも必要となるでしょう。
マッサージをするタイミングに注意する
柴犬にマッサージをする際の注意点として、マッサージをする時はリラックスしている時を選ぶようにしましょう。
興奮している時や熟睡している時などに無理にマッサージをしようとすると、かえってストレスになる場合もあります。柴犬にマッサージをする時は飼い主さんの側に寄り添って寛いでいる時など、そのタイミングに注意してください。
マッサージを始める時は、「はじめるよ~」などと一声かけてから始めてあげるといいですね。
また、体に触られることに慣れていない柴犬にマッサージをする場合、スタートする部位にも注意が必要です。足やお尻などを突然マッサージすると、何をされるのかと警戒心を強めてしまう可能性もあります。
信頼関係が浅い犬に対しては、抵抗が少ない首周りや頬などのマッサージから始めることも大切です。
反応をしっかり観察する
柴犬にマッサージする時は、常にその反応をしっかり観察しましょう。表情はもちろん、些細な足の動きなどをしっかり読み取れるよう注意してください。反応を確認せずマッサージを続けると、柴犬が痛みや苦痛を感じ続けてしまう可能性があります。
柴犬にマッサージをしている時に少しでも嫌がっているなと感じた場合は、痛みがあるからなのか、ただ単に触られるのが苦手な部位なのか…などをしっかり観察するようにしましょう。
突然飛び上がるようにして拒否したり、鳴き声を上げたりする場合は非常に強い痛みを伴っている可能性があり、何らかの病気が隠れている場合もありますので、獣医師に相談しましょう。
辻本由香子
補充療法の中でも、タッチ(触感)セラピーは最もシンプルでお手軽なマッサージ方法です。このマッサージは、タッチセラピーの中でも最も有効な治療法だと言われており、その結果によるリラックス効果も期待されています。
しかし、愛犬の状態や行うマッサージの仕方によっては、逆効果になる場合もあるため十分注意した上で、必要であれば獣医師を頼るなど工夫をしながら、マッサージを行ってあげてください。
まとめ
柴犬にマッサージをする時のおすすめテクニックや注意点についてご紹介しました。
柴犬にマッサージをする時に大切なのは「力加減」と「愛犬の反応を見る」ことです。犬によってマッサージをされて喜ぶ部位やそのテクニックは異なるため、様々な方法を試して愛犬の喜ぶマッサージを見つけてあげましょう。
日頃から柴犬にマッサージをすることで体の異変にいち早く気づくことができますし、愛犬との信頼関係を深めたり、互いにリラックス効果が得られたりすることが報告されています。
マッサージされてうっとりしている柴犬を見て飼い主さんもリラックスできるのですから、まさに一石二鳥と言えますね。
ただ撫でたり、つまんだりするだけでも十分にマッサージを行うことができますので、専門知識がないからと敬遠せずに柴犬のマッサージに挑戦してみてくださいね。
木下 明紀子
わんちゃんにも飼い主さんにも癒しとなるマッサージは、お互いがリラックスして楽しめるものでなくてはいけません。
柴犬をはじめとして日本犬には、そのほとんどが家庭犬として飼われている現在でもなでられることが好きではない子が他の犬種より多くいます。ご自分のわんちゃんが何を喜ぶのか、リラックスしているのか、記事内にかかれている通り反応をよく見てマッサージを行ってあげてください。
また、人間だってどんな犬だっていきなり足先を触れられたらびっくりします。足先や肉球を触る時もこの記事に書かれているように足の付け根からゆっくりと足先にさがっていくと良いと思います。
足先だけはどうしても嫌がる、というわんちゃんも多いかと思います。嫌がるのであればマッサージをする必要はありませんが、怪我をした時などに触らせてもらえるように、ごほうびを使って少しずつ足先も触られることに慣れさせるのはいざという時に役立つでしょう。