なぜ犬は狭いところを好むの?
犬が狭いところを好むのは犬の祖先の名残
犬は狭いところや隙間を好むというのを聞いたことはありますか?実際に、愛犬がいつも狭いところでよく寝ている。そんな経験をもつ飼い主もいることでしょう。犬が狭いところや隙間が好きなのは、どうやら犬の祖先の生活が関係しているそうなのです。
犬の祖先であるオオカミは野生の中で生きていたので、常に危険と隣り合わせの生活をしていました。寝ているときは特に無防備な状態になりやすいので、少しでも安全な場所で眠る必要があったといえるでしょう。
そんな危険な環境で生きていたオオカミは、安全を確保できる場所としてうす暗くて狭い洞穴などを好んで寝床にしていたそうです。うす暗くて狭い場所は敵から見つかりにくく、寝ているときに背後から敵に襲われる危険が少ないからです。もし見つかっても、周りを敵に囲まれる心配が少ないので対処がしやすいといえますよね。
フィット感がある狭さが落ち着く
安全な場所としてオオカミが狭い場所を好んだ習慣は、やがて犬が人と暮らすようになってからも名残として残り、狭い場所は犬にとって落ち着ける場所となったそうです。犬は狭い場所の中でも、特に体がピッタリとおさまるフィット感のある狭さの場所を好みます。体が何かに触れている方がより落ち着けるのでしょうね。
薄暗いともっと良い
犬は狭い場所にいると安心しやすくなりますが、さらに薄暗さが加わるとより落ち着けるようになるといえます。薄暗い場所を好むのも、犬の祖先が洞穴などの暗い場所で生活していた名残なのだとか。ですので、犬が不安を感じているときはケージを布で覆ってあげるなどして、薄暗くて狭い環境をつくってあげるととても効果的ですよ。
ふだんの生活で狭いところにいるのはどんなとき?
落ち着くから狭いところにいる
犬が狭い場所を好む理由は分かりましたが、犬の祖先と現在の犬では狭い場所を好む理由は少し変わるといえるでしょう。ふだんの生活で犬が狭い所にいるのは、どんな理由からなのか気になりませんか?
現在の犬は、敵に襲われることは滅多にありません。ですので、ふだん生活している中で犬が狭い場所を好む理由は、単純に落ち着ける場所だから好んでいる。というものがほとんどだったりします。古くからの名残で狭い場所や隙間は、もっとも落ち着ける場所として記憶に残っているのでしょうね。
不安や恐怖を感じたら隙間に避難!
基本的に敵に襲われることのない犬でも、不安や恐怖の対象となるものは少なからず存在します。身近なものだと花火や雷、飛行機などの大きな音に不安や恐怖を感じる犬はとても多いことと思います。そういった犬が怖さを感じるものに出くわしたときに、避難場所として狭い場所に行くことが割とよくあります。
静かに過ごしたい
犬は静かにしたいと思っているときにも狭い場所や隙間を好んで利用することがありますよ。狭いところや隙間って、大体部屋の隅や音がしにくい場所にあるイメージではないですか?実際に、部屋の片隅にちょうど隠れるような隙間があったり、犬がピッタリおさまる空間があったりする場合がとても多いです。
犬も音がしにくくて隠れられる場所としてちゃんと知っているので、気づくと愛犬が静かに眠っていた、なんてことも結構あったりすることでしょう。
体調が悪い
犬は体調が悪いときにも狭くて薄暗いところで眠ろうとします。自分の体が弱っているのを感じることで、少しでも無防備になっても大丈夫な場所で眠ろうとしているのでしょう。ずっと狭い場所から出てこないで、元気がなさそうにしているときは、体調不良になっていることが考えられるので、必要でしたら病院に連れて行くようにしてあげてくださいね。
まとめ
犬が狭いところを好むのは、犬の祖先の生活習慣が関係しているみたいですね。犬の祖先が狭いところを利用していたときとは少し理由が違いますが、現在の犬も落ち着ける場所として狭いところや隙間を好んでいるのは一緒だといえるでしょう。愛犬の生活するスペースに狭いところを1か所でも作っておくと、より快適な生活環境にすることができるといえますね。