犬が布団を掘るのはなぜ?
犬は掘るしぐさを良く見せますよね。寝室の人間用の布団ではなくても、犬自身のフカフカしたベッドやソファなど頻繁に掘るしぐさをしていて、特に寝る前に多いと思います。飼い主から見ていると、なんとも滑稽な姿で可愛らしくもありますが、頻繁に同じ物を掘られていては、家の布団やソファが大変な事になってしまいます。
犬が布団を掘る理由や意味、その時の気持ちはしっかりとあります。決して何も考えずに布団を掘っている訳ではありません。その時の気持ちを飼い主さんがしっかりと把握して、犬にストレスを与えず対処していきましょう。
犬が布団を掘る3つの理由
1. 本能で寝床を作っている
犬はもともと狩りをして生きていた野性の動物でした。もちろん外敵から犬自身が襲われる可能性もあります。犬は外敵から身を守るため巣穴を掘り、そこで生活していたのです。犬が寝る前に布団を掘るのはその野生時代の本能が残っていると考えられるのがひとつの理由です。
犬が寝る前に布団やソファを掘るしぐさをした後に、その場所でくるんと丸くなって寝ている姿を見たことはありませんか?これは犬自身が作った寝床で安心して眠っている状態です。犬は野性時代に暑さや寒さなどの気候や、外敵から自分の身を守るために、安堵できる寝床や巣穴を作ることはとても重要な行動だったのです。
2. 楽しくて遊んでいる
基本的に犬が布団を掘る理由は、野生時代の本能の名残で寝床を作るため、と考えられますが、もし長時間布団を掘るしぐさをしている時は別の理由が考えられます。ただ単純に遊んでいるか、まだ眠りたくなくて飼い主さんに構ってもらいたいなどの理由も考えられます。
犬は布団ではない他の物でも、掘ると言う行動が大好きです。寝床を作るための掘る行動が楽しくて止められない可能性もあります。また一生懸命に掘るしぐさをしている時に、飼い主さんが止めにいった事はありませんか?犬は布団を掘っていると、飼い主さんに構ってもらえると学習しているかもしれません。
3. ストレスが原因の事も
犬が布団を掘る理由のひとつにストレスも考えられます。運動不足の解消のために、掘る行動で布団にストレスをぶつけているかもしれません。夜になってもなかなか寝付けず、長時間にわたり一心不乱に何度も布団を掘るしぐさをしている時は注意してあげて下さい。
飼い主さんとのコミュニケーションが少ない、お散歩にあまり行けていないなどは、寂しさや運動不足からストレスに繋がります。心当たりがある飼い主さんは犬の生活環境をもう1度見直し、一日も早くストレス解消できるよう解決法を見つけてあげましょう。
犬が布団を掘るしぐさの持つ意味
上記にも書きましたが、犬が布団を掘る理由は第一が野生時代の名残になります。特に寝る前に寝床を作る行為として掘る行動を行っていたので、基本的に犬が布団を掘るしぐさをしている時は「もう寝る」「眠たい」などと思っているときが多いようです。
安心できる自分の寝床を作りたいと思っていますので、ガリガリ何度か布団を掘るしぐさをした後に、満足するとその場にコロンと丸まって眠ることが多いです。この状態だとお気に入りの寝床が出来上がり、犬は落ち着き安心して眠りに付くことができます。
もしもストレスで布団を掘る行動をしている場合は、一心不乱に長時間掘る行動をとると思います。人間で考えるとどうでしょう?なにか物にストレスをぶつけるというのは、かなり酷い状況ですよね。犬はイライラが頂点にきているかもしれません。野性の名残で布団を掘るしぐさをしているのか、ストレスで掘るしぐさをしているのか見極めてあげましょう。
犬が布団を掘るときの気持ち
犬が布団を掘るとき何を思っているのでしょうか?基本的に寝る前にとることが多い行動なので、見た目の動きとはウラハラに、のんびりと落ち着いた気持ちのことが多いようです。犬は掘る行動自体は好きで楽しい行為なので眠りに付く前のリラックスタイムのようなものです。
また犬が遊びで布団を掘るしぐさをしている時は、犬は楽しくてワクワクしている気持ちの事が多いでしょう。しつこく何度も布団を掘るしぐさをしている時は、飼い主さんと遊びたいと言う気持ちの表れのことも。飼い主さんをチラチラと気にしながら布団を掘るしぐさを続けている時は、犬の気持ちとしては、もう少し飼い主さんに一緒に遊んでほしいと思っているかもしれません。
ストレスで布団を掘る犬は、怒りや悲しみなどのイライラした気持ちが表れている行動ですよね。常日頃からのストレスではなく一過性のものであれば良いのですが、日常的なものであれば体調を崩しかねません。掘ることでストレス発散になる布団を取り上げてしまうことで、さらにストレスになる可能性もあるので、犬にストレスがかからない方法で解決してあげましょう。
犬が布団を掘るのをやめさせる方法
犬が何かを掘る行動をとるのは、野性時代に穴掘りをしていた頃から長く続く、ごく自然な行為なので掘る行動自体をやめさせる必要はありませんが、私たち飼い主が使用する、布団やソファなどボロボロにされては困るものに対しては対処が必要ですね。
私たち飼い主、また愛犬にとってもストレスにならない対策をご紹介します。
犬の眠る場所をケージなどにする
子犬の頃から飼い主さんとずっと一緒に眠っていて、布団を掘るしぐさをしていた場合は始めは少し嫌がるかもしれませんが、愛犬が寝る場所をケージやサークルに限定しましょう。
飼い主さんの就寝時間や犬が眠そうにしていたら、愛犬を眠らせるためケージやサークルに移動さて寝る場所は布団ではなく自分のお部屋(ケージやサークル)と覚えてもらうためです。
布団で一緒に寝ることが習慣となっていたご家庭は、飼い主さんも少し寂しいかもしれませんし、犬もなかなか慣れてくれない可能性が高いです。しかし犬はケージやサークルが安心できる自分のお部屋で、落ち着くことが出来る場所だと認識してくれたら掘ることなく眠ってくれます。根気良く教えてあげて下さい。
布団以外の掘っても良いものを与える
犬は掘る行動が大好きなので、何も掘る事が出来ないのはとってもかわいそうです。布団やソファなど掘ることをしてほしくない物は、あらかじめ触れさせないことが一番ではありますが、すでに癖になってしまっている場合は他の掘っても良いものを与えてあげましょう。
おすすめなのは犬用のベッドです。愛犬の体の大きさに合わせたサイズのベッドを購入し犬に与えてください。犬が気に入ってくれれば寝る場所も布団ではなく、与えたベッドで眠ってくれるはずです。
犬用ベッドも安価なものから高価なものまで色々ありますが、人間用の布団よりは買い替えも楽なのでボロボロになるまで掘るしぐさをしても「まぁ、しょうがないか~」と言う気持ちで見ていられると思います。愛犬も思う存分掘れて安眠できるかも。
指示でやめさせる
基本的な「オスワリ、フセ、マテ」の指示による、しつけが出来ている犬限定にはなってしまいますが、指示でやめさせる方法もあります。
掘る行動自体はやめさせる必要がなく、布団やソファなど飼い主さんが困るものに対して、やめてほしいだけなので、怒ってやめさせるのは好ましくありません。しかし布団だから掘ってはいけないと犬に教えるのはなかなか難しいですよね。
試していただきたいのは、布団を掘るしぐさをみせたら、犬に「オスワリ、フセ、マテ」の指示で「マテ」の状態を保ってみてください。我が家の愛犬はこの状態のときに背中やわき腹などを優しく撫でてあげると、そのまま眠ってしまいます。
布団を掘る以外にもクッションに対するマウンティングなどもこの方法で対処できたので、お困りの方は1度試してみて下さい。大切なのは犬が布団を掘るしぐさを癖にしないことです。
まとめ
愛犬がホリホリする姿はなんとも可愛らしいものですが、場所も物も選ばず何でもホリホリされては私たち飼い主はちょっぴり困ってしまいますよね。でも犬にとってはホリホリするのは自然なことで、なんなら日頃のストレス発散にも繋がっています。
無理矢理やめさせるのではなく、愛犬が布団を掘る理由や性格を把握して対処していきましょう。