柴犬の耳から気持ちを読み取る!動き別の感情、注意したい病気について

【獣医師監修】柴犬の耳から気持ちを読み取る!動き別の感情、注意したい病気について

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柴犬の耳といえば、普段はピンと真っ直ぐ立っているのを思い浮かべると思います。ですが、ペタンと横になっていたり、前に倒れてたり、色々な動きをします。じつは、これらの耳の動きは柴犬の心理状態と深く関わっています。日本犬である柴犬はもともと警戒心が強く、自立心も高いため、しつけが難しい犬種です。適切なしつけをする上で柴犬の気持ちを理解する事が重要です。耳の動きから柴犬の気持ちを読み取ってあげましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

柴犬の耳が動く意味とは?

笑顔の柴犬

柴犬を含め、犬は様々な表情や行動を私達に見せています。一見は何の意味もないと思われがちですが、実はこの動作は私達に何か伝えるための犬にとっての言葉のようなもので、この動作をカーミングシグナルといいます。

カーミングシグナルは、自分や相手を落ち着かせるために行う目的や、相手に感情を伝える事で不必要な争い事を避けるための手段でもあります。

犬のカーミングシグナルは様々で、あくび、目線をそらす、口や鼻をよく舐めるなどの行動が当てはまります。

その中でも大事な部分が「犬の耳」です。この犬の耳の動きも、じつはカーミングシグナルの一種であり、様々な感情を耳の動きから読み取る事が出来ます

耳が前に倒れる、耳がピンと立つ、などの色々な耳の動きは、犬から私達へのメッセージのような物です。特に柴犬の耳はピンと立っている「立ち耳」なので他の犬種と比べて、耳の動きの変化に気づきやすいと思います。

感情や心理状況によって色々な耳の動きがあります。耳の動きの意味を見ていきましょう。

柴犬の耳がピーンと立っている

耳がピーンと立っている

通常の柴犬の耳も真っ直ぐ立っていますが、何かに注目していたり危険を察知している場合は普段よりも耳がピーンと立つ特徴があります。また何かに興味をそそられている時にも耳がピーンと立っています。

柴犬が耳を横にぺたんと倒す

耳を横にぺたんと倒す

柴犬の耳が横にぺたんと倒れている時は嬉しい時や楽しい時、甘えたい時などパッピーな気持ちにみられます。

嬉しい時に柴犬が耳を横に倒す形が飛行機の翼にみえることから「飛行機耳」や「ジェット耳」と呼ばれています。

柴犬が耳を横に倒す時、柴犬はニッコリと満面の笑みを見せてくれます。他にも普段の柴犬の目はまん丸ですがその時は目を細めています。また嬉しい時に柴犬は耳を広げることもあります。

柴犬の耳がピクピク動く

耳がピクピク動く

柴犬が極度の緊張状態に陥っている時、柴犬の耳は正面に向き、ピンと立っています。また音を集中して聞いている時や様子を伺っている時なども耳をピンと立たせ、ピクピクと動くこともみられます。

柴犬が集中していたり緊張していたりする時は、柴犬の口元は閉じており、グッと力を入れています。

柴犬が耳を前に倒す

柵に噛みつく柴犬

警戒心がとても強い柴犬は縄張り意識の高さから攻撃性な性格をもっています。そのため相手に対して威嚇したりなど攻撃的な姿勢の時には柴犬の耳は前側に倒れています。

しかし恐怖心が強い攻撃性の場合は反対の後ろ側に向いています。そのため同じ攻撃的でも柴犬の心理状態によって耳が前に向くのか、あるいは後ろに向くかが変わってきます。耳が後ろに倒している時の柴犬は恐怖心を抱いている場合にみられます。

柴犬が耳の後ろに倒す

耳の後ろに倒す

耳が後ろに倒している時の柴犬は恐怖心を抱いている場合にみられます。恐怖心を抱いている場合は耳だけではなく体全体が後ろに重心を傾けており、腰も低くしている体勢をしています。

またビクビクと体が小刻みに震えたり、口元にグッと力が入ったりします。柴犬は警戒心が非常に強いため、恐怖心から噛みつくなど、攻撃的になる場合もあります。

柴犬の耳の病気

柴犬

外耳炎

柴犬をはじめ犬の病気の中で外耳炎が多く発症しやすい耳の疾患であり、外耳炎とは耳介(耳の入り口)から鼓膜までの外耳道で起きる炎症のことを指します。

外耳炎を発症する原因は細菌やマラセチア(真菌)、耳ダニなどの寄生虫感染、甲状腺機能低下症などの内分泌疾患など様々あります。

また犬の外耳道の構造は人とは違います。人は水平耳道のみですが、犬は垂直耳道と水平耳道を持ちL字型の耳道をしています。耳が垂れているA・コッカーなど体質的に外耳炎になりやすい犬種もありますが、外耳炎を引き起こす主な要因としてアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどのアレルギー性によるものがあげられます。

ある研究データではアトピー性皮膚炎を発症している約80%以上の犬に外耳炎を発症していると報告されています。

特に柴犬はアトピー性皮膚炎になりやすい犬種でもあり約8割がアレルギー体質ともいわれています。外耳炎をおこすと耳の炎症度合いによりますが耳を痒がり後ろ足で耳を頻繁に掻く、頭をよく振る、耳から悪臭がする、耳の中が赤い、耳垢がでるなどの症状が現れます。

また炎症により痛みを伴い触っただけでも、痛がったり攻撃的になったりすることもあります。

中耳炎・内耳炎

耳の炎症が外耳道より奥の中耳・内耳まで炎症が及びます。柴犬が内耳炎・中耳炎になりやすいわけではありませんが外耳炎の治療が不十分だったり、外耳炎を放置してしまったりすると炎症がどんどん耳の奥まで広がってしまうため適切な治療こそが大事になります。

中耳炎では耳の痒みや耳からの悪臭、頭をよく振るなど外耳炎と似たような症状がみられますが内耳まで炎症が広がると斜頸(頭が傾く)、旋回運動(ぐるぐる回る)、真っ直ぐ歩けないなど神経症状を起こしてしまいます。

異物の混入

耳の中に異物が混入して炎症が起きることもあります。散歩中に草むらに入った時に植物の種などが耳の中に入り込んでしまうことが主な原因であり、特に柴犬など耳が立っている犬種が起きやすいです。

柴犬をはじめ犬は垂直耳道を持つため異物に気づきにくく、耳掃除により綿棒で異物が更に奥にいってしまうこともあり最悪の場合は鼓膜が破れてしまう恐れがあるため注意が必要です。

頭を頻繁に振ったり、異物が混入している耳を下にして頭を傾けたりするなどの症状が見られます。

腫瘍

耳介部分や耳の中に腫瘍ができることもあります。耳に腫瘍ができる原因はハッキリと分かってはいませんが慢性的な耳の炎症が起こっている犬や耳が垂れているA・コッカーやキャバリア、ビーグルなどの犬種、耳にある分泌腺から特異的に起こるなどが関係しているといわれています。

柴犬は他の犬種と比べて比較的腫瘍になりやすい種類ではありませんが乳腺腫瘍や精巣腫瘍など、腫瘍が起きることもありますし、元々耳からの分泌物の量が多いと、その分炎症が起きやすく汚れやすいため、適切な治療や耳掃除をすることが大事です。

耳血腫

耳の耳介部分に分泌液や血液が溜まってしまうことを耳血腫といいます。耳血腫が起きてしまう要因はいくつかあり、慢性的な耳の炎症や耳ダニなどの寄生虫感染、柴犬にかかりやすいアトピー性皮膚炎や食物アレルギーなどがあげられます。

このようなことが原因になり耳の痒みが長期間に渡ると激しく耳を掻いたり、強く頭を振ったりすることで耳介部分の血管が破れてしまうことで発症します。

アトピー性皮膚炎などアレルギーによる場合は、激しい痒みが起きることもありますので、適切な治療を行いましょう。また、アレルギー検査を踏まえて、事前に予防策を行っておくことが何よりも大事です。

まとめ

笑顔の黒柴犬

嬉しい時や不安な時など、それぞれ感情によって耳を動かしています。犬種によって耳の形が様々で柴犬は立ち耳なので比較的耳によるカーミングシグナルが分かりやすいと思います。

もちろん耳だけではなく口元や目、姿勢なども気持ちによって変化するのでしっかりと読み取ることが大事です。

特に柴犬は警戒心が強い犬種でもあり、耳の動きと感情が一貫していないこともありますので、耳の動きだけでなく、表情などから気持ちを読み取り、接してあげることが大切です。

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