なぜ犬は急に立ち止まるのか?
散歩に出かけようとすると、一目散に玄関に走ったり、自らリードを咥えてきたり、散歩中は楽しそうに歩いて、時折飼い主さんの方を見てくれたり…。飼い主さんと愛犬にとって、散歩はとても大切な時間ですよね。
しかし、楽しそうに歩いていたのに、犬が急に立ち止まることがありませんか?リードを軽く引いてみても、驚くくらい全く動かなくなることがあります。この行動には、犬のどのような気持ちが隠されているのでしょうか?
立ち止まる理由①見慣れない景色が広がっていて緊張
散歩にまだ慣れていない、子犬の時期によくみられる光景です。特に散歩デビューの日は立ち止まる回数も多いでしょう。
初めて嗅ぐ外の世界のニオイや、歩き慣れていないコンクリートの感触、様々なニオイを放つ草花、自分よりはるかに大きな自動車や自転車、初めて会う犬や人。多くの時間を家で過ごしてきた子犬にとって、外の世界は未知なものばかりです。
信頼する飼い主さんが側にいたとしても、立ち止まったり座り込んだりしてしまうのは、自然のことといえます。
立ち止まる理由②疲れた
散歩の時間が長くて疲れたために、立ち止まっている可能性があります。犬は人間の何倍ものスピードで成長し、いつの間にか年をとり、老犬となります。
毎日の散歩コースを覚えていて、「散歩が終わるまであとどれくらいか」を分かっているので、立ち止まって休憩をしている可能性があります。毎日の散歩コースで同じような場所、同じような時間で立ち止まる場合は、犬にとってそれが切り上げるべき時間なのかもしれません。
愛犬の体調や年齢、性格によって、適した散歩コースや所要時間を決めましょう。老犬は特に天候や気温、湿度によって体調を崩しやすいので、十分に気を付けてあげましょう。
しかし健康な犬の場合、ダダをこねている可能性があります。過去に、「疲れて立ち止まったら抱っこしてくれた、構ってくれた」と、イイコトを経験したために、ワガママになっているのかもしれません。
子犬の散歩デビューならまだしも、成犬でなおかつ健康な犬に対して歩かせようとオヤツを与えてしまうと、「立ち止まる=オヤツ」と学習してしまうので逆効果となります。
立ち止まる理由③向かう先にトラウマがある
散歩中に急に立ち止まってしまう理由として、恐怖を感じていることが挙げられます。しっぽを足と足の間に入れる、耳が後ろに倒れている、などが犬が怖がっているときの仕草として挙げられます。もしかしたら過去に、怖い思いをしてトラウマとなっているのかもしれません。
例えば、自分より大きな犬に吠えられた、自動車のクラクションに驚いた、子供に追いかけられた、真夏の太陽で熱されたアスファルトで痛い思いをした、など。
犬は学習する動物なので、一度嫌な思いをした場所には近づこうとしません。こうした場合は無理に引っ張って歩かせようとせず、オヤツなどで興味を引き、違う方向へ導きましょう。散歩コースを変更するのもいいかもしれません。
立ち止まる理由④病気やケガの可能性
もともと散歩が苦手な性格の犬は別として、少し前までは楽しそうに散歩をしていたのに、最近は乗り気でない様子がみられたら、体に異変を感じている可能性があります。
犬は、「足が痛い」「お腹が痛い」などと声に出して助けを求めることができないので、飼い主さんはいち早く気付く必要があります。
場合によっては散歩を中止し、家で行動や食欲など様子を見て、獣医師さんに相談しましょう。
まとめ
犬が立ち止まってしまうのには、様々な理由があります。ただのワガママかもしれませんし、病気やケガをしている可能性もあります。犬の異変に気付いてあげられるのは飼い主さんだけなので、立ち止まる理由をしっかりと見極めるようにしましょう。