あなたは犬にとって危険な植物を把握されていますか?
人間にとっては何でもない植物でも、犬にとっては有害なものが多く生息しており、植物によっては重篤な症状を引き起こすものも。
身近に生息するものも、犬にとっての危険植物に含まれるので、飼い主側の知識と、注意が必要となります。
ここでは、犬にとっての危険植物として代表的なユリ科植物について、植物の種類や食べてしまった場合の症状、処置、対策について述べて参ります。
犬にとってユリ科の植物は非常に危険
犬にとってユリ科の植物は非常に危険です。ユリは花や球根など部位に関わらず、植物全体が犬にとって有害だとされています。
また、ユリ科の植物を生けた水も危険です。ユリ科植物の中には、人間をも死に至らしめるほどの毒性を持つものもあり、特に注意が必要なのです。これは猫にとっても同じ。ペットを飼っている方は、ユリ科植物の取扱いに気をつけましょう。
ユリ科の植物とは?
- ユリ
- チューリップ
- ヒヤシンス
- スズラン
- アロエ
- タマネギ
- ネギ
- ニンニク
- ニラ
- ラッキョウ
ユリ科の植物には、上記の植物などがあり、身近に生息しているものも多いのです。犬が食べてはいけない野菜として知られる、ネギ科の植物もユリ科の一種とされます。これらはタマネギ中毒を引き起こす植物として知られていますね。
ユリ科の植物は、花、花粉、葉、球根など全てが犬にとって有害であり、少量でも危険性が高いとされています。ユリの中でも、特にテッポウユリやオニユリなどは、毒性が非常に強い種です。
犬がユリ科の植物を食べた時に出る症状
ユリ中毒になる場合、症状が出るのは即時〜3日ほどとされ、尿細管壊死(腎障害の一種)により腎不全を起こします。毒性が高いため、少量の摂取でも症状が出ることが。また、重度の胃腸炎を引き起こしたり、肺や心筋に症状が及んだりと、症状は多様です。
症状としては、植物や量によって違いはありますが、嘔吐・下痢・食欲不振・痙攣・吐血・大量の涎・多臓器障害・呼吸不全などが見られます。犬は(人間も)ユリの毒性に対する分解酵素を体内で作ることができません。よって、少量でも重篤になる危険性が高いのです。
もし犬がユリ科の植物を食べてしまったら
万が一、犬がユリ科の植物を食べてしまったら、とにかく動物病院に相談すること。胃洗浄、嘔吐処置など適切な処置をしてもらいましょう。自宅で処置される方もいるようですが、素人の処置は危険であり、お勧めできません。
動物病院に相談する場合は、なるべく早く、そして「食べた時間・食べた量・症状」を正確に伝えられるようにしましょう。ただし、ユリ科植物に対する解毒剤は今のところ存在しません。透析などの処置をする場合もありますが、効果的な治療方法がほぼないのです。つまり、最悪のケースも起こりうるということです。
犬にユリ科の植物を食べさせないための予防対策
愛犬をユリ中毒にさせないためには、とにかく予防を徹底することです。
- 部屋にユリ科の植物を置かないこと
- 散歩中に近づく植物に気をつけること
- 与えないこと
花を生けた水も、布類についた少量の花粉でも死に至ることがあります。中には、体に付着した花粉を舐めて死に至ったケースも。犬は様々なものに興味を示し、匂いを嗅いだり舐めてみたりするものです。とにかくユリ科の植物は家内に置かない、庭や散歩コースにある場合は愛犬を近づけないことを徹底しましょう。
ユリ科植物の誤飲は、犬の命に関わります。少しの不注意が、取り返しのつかない結果に繋がることも少なくありません。
それを防ぐためには、飼い主の意識が大切。まず、ユリ科植物の誤飲事故が起こらないような対策と知識、毎日の意識づけが必要です。
家に飾る植物、散歩ルートに生息する植物、与える食品に注意し、愛犬には健康で安全な生活を送ってもらいたいですね。