犬にとって危険なもの
みなさんは、犬が食品の空袋で窒息死してしまった事故をご存じですか?アメリカのある飼い主さんの愛犬ピーティも、この悲しい事故によって死んでしまいました。
ある日、飼い主さんが帰宅すると、いつもは玄関に出迎えてくれるピーティが来ないため、様子を見に行くと、キッチンでスナック袋を被ったまま冷たくなっていたそうです。
キッチンに放置していたスナック袋を発見し、残りカスを食べようと顔を突っ込み、息を吸ったことで袋が顔に張り付き、そのまま窒息したと考えられています。人間であれば簡単に袋を取れますが、犬の足では不可能に近いでしょう。
では、なぜこのような悲しい事故が起こってしまうのでしょうか?
空袋の危険性を認識していない
同じように、ヒューストンに住むボニーさんもこの事故で愛犬を亡くしました。そこで彼女は、「ペットの窒息死をなくしたい」という思いから、Prevent Pet Suffocationと呼ばれる予防医療情報に、力を注ぐ機構を設立しました。
「空袋によってペットが窒息死することは珍しいことではない」ということを飼い主さんに知ってもらうことと、同じ事故でペットを亡くした飼い主さんをサポートすることを目的としています。
Prevent Pet Suffocationの調査によると、これらの事故は毎日のように起こっていると発表しています。しかも、事故が起きたのは留守中のときだけではありません。この事故でペットを亡くした飼い主さんの約4割が、隣の部屋にいたときに起きているのです。
また、飼い主さんの9割が、「空袋がこんなに危険だと思わなかった」と回答しているそうです。つまり、初めてペットを飼い始めた人も、経験豊富な愛犬家の人も、空袋の危険性を認識していない人が多いということです。
犬が袋に顔を入れてから死に至るまでの時間は、わずか3~5分です。これは犬種や体格の大きさ、年齢、性格、体力に関わらず、どの犬も時間は変わらないといわれています。
窒息死を引き起こす袋には、様々なものが対象となります。例えばポテトチップスなどのスナック袋や、ペットフードの袋、犬用オヤツの袋など。犬はこれらをゴミ箱の中から発見したり、キッチンのカウンター上から引っ張ったり、捨て忘れてテーブルの上に置きっぱなしになっているのを見つけたり、散歩中に道端に落ちているものを発見したりします。
事故が起こらないための対策
あらゆる可能性を考えて、事故が起こらないようきちんと対策をしましょう。犬がふだん過ごす空間と、空袋がたくさんあるであろうキッチンとの間に仕切りがないご家庭は、特に注意が必要です。袋の中に食べ物が残っていなくても、ニオイは残っています。犬はこのニオイにつられて食べ物を食べようと、袋に顔を突っ込んでしまうのです。
- 食べ終わったらすぐに捨てる
- 食べ残りがある場合は容器に移し、袋は捨てる
- 袋を捨てる際は、底または両端を切る
- ゴミ箱は犬が簡単に開閉できないようなタイプのものにする
また、散歩中に空袋が道端に捨てられていることもあるでしょう。犬は地面のニオイを嗅ぎながら歩くことが多いので、空袋を発見するスピードは凄まじいもの。犬が気付く前に空袋を発見した場合は、遠ざけて歩きましょう。犬が発見してしまった場合は、すぐさま引き離しましょう。
まとめ
私たちがふだん何げなく使用しているものが、愛犬の命を脅かす可能性があります。小型犬でも、大型犬でも、どんな犬種でも起こりうる事故ですが、気を付けていれば防ぐことができる事故です。
「うちの子は大丈夫」なんて過信せずに、不慮の事故によって愛犬を失わないよう、私たちはできる対策を何でもしなければなりません。