犬は飼い主と同じ部屋にいることをなぜ好む?
リーダーのそばが安心できる
飼い主が家にいる時には室内ではどこにでも行けるようフリーにしていることが多いと思いますが、結局いつも飼い主と同じ部屋にいてそばにいる状態になっているという家庭が多いのではないでしょうか。愛犬が飼い主と同じ部屋にいるのはやはり安心感を感じられるからということが最も大きな理由だと思います。多くの犬は本能的に群れで行動することを自然なことと感じる傾向にあるため、家庭の中でリーダーであり信頼している飼い主のそばにいることが最も安心出来る状態なのだと思います。
飼い主の行動を把握できる
また、犬にとっては飼い主と同じ部屋にいることで飼い主の行動を把握出来るというメリットもあります。隙あらば遊んで欲しい、少しでもかまって欲しいと思っている犬は多いと思いますし、いつお散歩に行くのかということやそばにいれば食べ物がもらえるチャンスがあるかもしれないということなどを考えている場合もあります。飼い主のそばにいれば自分にとっていいことが起こるかもしれないという期待もあり、いつも自然と同じ部屋にいるようになるのです。
犬が飼い主と同じ部屋で感じるストレスとは
常に騒がしい場所は注意
基本的に犬はいつも飼い主と同じ部屋にいたがりそばにいることで安心感を得ていることが多いと思いますが、場合によっては近くにいるからこそのストレスを感じることもあると思います。特に愛犬が寝ている時やリラックスしている時に過度にスキンシップを取ろうとしたりして休息の邪魔をしてしまったり、小さな子供がいるなど常に騒がしく落ち着いて休むことが出来ないなどという場合は犬がストレスを感じやすいので注意しましょう。
犬の逃げ場所を作ってあげて
犬の居場所がリビングに決まっているなど犬が他の場所に自由に行くことが出来ない場合などは、そのような状況でストレスを感じやすいのでその部屋の中でハウスやゲージなど犬の“逃げ場所”になるスペースをつくってあげるといいでしょう。特に「今はゆっくり休みたい」「触らないでほしい」などという犬の気持ちや活動のペースを考えることがむずかしい小さな子供がいる家庭などでは、子供が手を出しにくいように部屋の隅の方に犬だけのスペースをつくってあげるなど気を配るようにしましょう。
犬の監視はNG
また、飼い主と同じ部屋にいる場合飼い主が犬の行動を逐一監視するような言動をしていると犬はそれをストレスに感じることがあります。ちょっと動いて何かしようとするたびに「いたずらしたらダメよ!」「ちょっと待って」など指示や行動の制限をされると犬はとても窮屈に感じてしまうと思います。多少気になる行動があっても、いちいち口を出したり犬の行動をコントロールするようなことは控えるようにしましょう。
犬と飼い主が同じ部屋で寝ることは危険?
「犬を飼い主と同じ部屋で寝かせてはいけない」ということを聞いて、不安に感じたことがあるひともいるのではないでしょうか?「食事は犬よりも飼い主が先」「ドアを出る時は飼い主が先に出る」「散歩のとき犬に前を歩かせてはいけない」など犬がリーダーが自分であると勘違いさせる行動はさせないようにすべきだという考えがあり、「犬を飼い主と同じ部屋で寝かせてはいけない」というのもそれと同じ理由から言われていることです。それらのリーダー論は一時期広まっていましたが、最近ではそれは必ずしも正しいというわけではなく、リーダーシップを取るためにはそれらの行動そのものよりも日頃のしつけや関わり方の方が重要であるということが説かれてきています。
ただし、リーダー論とは別の意味で一緒に寝ない方がいい場合もあります。犬が小さい場合など飼い主が寝返りを打つ時などにけがをさせてしまう恐れがありますし、反対に寝返りなどに対して犬がびっくりして思わず飼い主を噛んでしまう可能性もあります。また、犬の体には散歩に出た時に汚れや花粉、害虫などがついている可能性もあり、衛生面を考えると同じ布団やベッドで眠るということは控えた方がいいかもしれません。
まとめ
犬は飼い主のことが大好きで、いつでも一緒にいたがることから同じ部屋にいようとすることが多いと思います。それにより安心感を感じたり、楽しいことやうれしいことが起こることを期待している場合もあるでしょう。しかし、犬の気持ちやペースを考えずに一方的にスキンシップを取ろうとしたり行動を監視するようなことがあると犬もストレスを感じてしまうと思います。犬が飼い主と同じ部屋にいることでゆったりとリラックスすることが出来るように、環境づくりや日頃の接し方をぜひ見直してみてくださいね。