犬がおならをする理由と軽減させるための対策5つ

犬がおならをする理由と軽減させるための対策5つ

日常生活の中で、ふと自分と同じようなおならの臭いを感じたことがある飼い主さん達も少なくないと思います。そこでこの記事では、犬のおならについて調べ、犬のおならと人間のおならは全く同じなのか、そうでないのかお伝えしていきます。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬はおならをするのか

子犬にお尻を向ける犬

人間は日頃の体内に不必要なガスを外に出すために、おならをしています。
ですが、犬はおならをするのでしょうか?

犬もおならをする

答えはYESです。犬のおならのメカニズムも、人間のおならのメカニズムも、全く一緒であると考えられています。
つまり、食事をしているときや水を飲んでいるときに同時に体内に入ってきた空気が、腸内から出る際におならとして出ていきます。
また、食べ物が腸内で分解される際にもガスを発生しますので、それがおならとなって体外へ排出されているのです。

犬がおならをする理由

飼い主と一緒に携帯を見る犬

おならのほとんどの理由が、上記に述べたように食べ物と一緒に体内に入ってきてしまった空気と、摂取した食べ物が分解される際に発生するガスになります。
しかしそれを更に詳しく見ていくと、人間のペット(家族)として共存している犬だからこその理由もあるように感じます。

  • 病気
  • 早食い
  • ストレス
  • 運動不足
  • 食事の変化
  • 消化管の機能の低下(主に老犬)

これらの理由が、犬のおならが発生する要因として考えられるものになります。
ここで犬特有の理由として考えられるものは、ストレス、運動不足、食事の変化です。例えば人間とともに遊び、お散歩やお出掛けをすることで運動不足を解消・予防している飼い犬にとっては、自分で運動不足をコントロールできる訳がありません。
つまり、私たち飼い主が意識すれば改善される余地が十分にある、ということです。

犬のおならを軽減させるためには

犬はお腹の調子が悪いと感じると、自分で草を食べ調整すると言われたりもしますが、人間と同じように調整できるわけではありません。
そのため、日頃より我々飼い主ができることを考えていきましょう。

1.ご飯をゆっくり食べさせる努力をしてみる

ご飯を食べる犬

いくら自分に従順でいてくれる愛犬だとはいえ、「1口につき30回噛んで食べようね」とお願いしても、愛犬はごめんなさい分かりません、という気持ちでいっぱいです。
消化をしやすいように、少しだけふやかしてみたり、なるべく餌を平らに広げてみたり、でこぼこの早食い対策グッズ等を試してみるのも有効であると言われています。もしくは、飼い主さんの都合がつくのなら、一回の食事量を減らしあげる回数を多くする方法もあります。

2.腸内環境を整えてあげる

ヨーグルト

人間も便秘だなと思うと、整腸剤を飲んだり、食物繊維の豊富な食材を食事に多く取り入れてみたり、自分なりに工夫をすることがあるかと思います。
それと同じことを愛犬にもしてあげましょう。
本来犬にとって乳製品はあまり相性の良いものではありませんが、「スプーン1杯程度のヨーグルトであれば整腸作用が期待できます」。
あくまでも「味のついていないプレーンヨーグルト」を与えましょう。ただし、逆にあわずに下痢や嘔吐、皮膚がかゆくなったりする子もいますので、注意しましょう。
また、犬用の整腸剤も販売されていますので、それに期待してみるのも方法として有効です。

ほかには、病院で取り扱っている療法食の中には、繊維質が含まれていたり、腸内環境を整えてくれるようなご飯も売っていますので、相談してみるのもいいかもしれません。

3.運動やマッサージをする

男性にマッサージされる犬

人間がストレスを感じたり、腸内環境が少しおかしいと感じるとき、外に出て歩いたり、ストレッチをしたりして体を動かそうと思われる方も少なくないと思います。
もし、飼い主さんが忙しくてどうしてもお散歩に行けない場合、犬はある程度自分で家の中を歩き回ることはできますが、腸内環境を整えたりストレスを解消できたりするほど、意識的に運動することはできません。
ですので、外に出る余裕がない場合は室内でも構いません。できるだけ愛犬と遊んであげましょう。
また、老犬でみられる便秘にはマッサージも有効です。「お腹の辺りを指の腹でくるくると撫でる」ことで、腸の動きが少し良くなります。でみられる最近出ていないなと感じた際に、是非試してみてください。

ただし、老犬の場合、単に消化管の運動機能が落ちてるわけではなく、病気によってうまく消化管が働かない、もしくは脱水などによって便秘になっている可能性もあるため、気になる際は獣医師に相談しましょう。

4.急にフードを変えない

ドッグフード

愛犬の健康等を考えた結果、今のフードを変えようと考えたことはないでしょうか。
そのときに気を付けたほうがいいことがあります。
それは、「急に全てのフードを変えない」というルールです。
フードを変えるということは、少なからず犬にとっては負担があります。そのため、フードを変える際には少しずつ新しいごはんの割合を増やし、逆に元のご飯の割合を少なくし、様子を見ながら変えてあげてください。

5.食事を少しだけ変えてみる

様々な野菜と犬

人間も便秘を感じると食事を変えることがあります。それと同じように、いつものフードを少しだけ減らし、その分少しだけ「犬が食べられる」食物繊維の多い野菜をトッピングします。健康に問題なく、大丈夫な子には試してみるのも一つです。ただし、あげ過ぎに注意してください。

犬のおならがどうしても臭い場合

病院で診察される犬

何をしてもなんだか愛犬の匂いが臭い場合、病気の可能性を十分にあり得ます。そのような場合は様子を見ずに病院を受診しましょう。また、そういった場合、おならではなく肛門腺が溜まっている場合もありますので、定期的に病院トリミングさんで「肛門絞り」をしてもらいましょう。

最後に

後ろを振り返る二匹の犬

ここまで、犬のおならが出る大きな理由、日常的な理由、そして対策についてお伝えしてまいりました。
飼い主さんが気にしなければいいじゃないか、というお気持ちもあるかもしれません。
しかし、おならが臭い、回数が多い、ということは腸内で何かが起こっていると考えられます。
病気の中には、気付きづらい症状もあります。しかし、おならは臭いで気付いてあげることができます。
どうぞ自分の腸と一緒に愛犬の腸内環境を整え、お互いが健康に暮らせるよう、日頃より意識していきましょう。

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