犬にもUVケアが必要な理由
みなさんは、犬は日焼けをすると思いますか?全身を被毛で覆われていることや、日焼けが見た目からは分かりずらいことから、犬に日焼けのイメージを持たれない方も多いのではないでしょうか。ですが、犬の皮膚の角質層の厚さは人の1/3程で、外部からの刺激や乾燥に弱い構造になっています。
皮膚に紫外線が当たると、角質層で跳ね返され皮膚深くへの侵入を防ぐ仕組みになっています。跳ね返しきれなかった紫外線が、日焼けの原因です。角質層が薄い犬の皮膚が、直射日光を受けてしまうことで、時には人以上の影響が出てしまうことは、想像に難くないでしょう。
「日焼け」とは
日焼けとは、日光によって起こる「色素沈着」「やけど状態」といった、皮膚変化のことをいいます。この変化を引き起こすのが「紫外線」です。紫外線は皮膚の細胞に働きかけて、炎症を起こしたり、DNAを傷つけたりします。
日光や紫外線によって、犬に現れる症状
人の日焼けは、皮膚の変化や痛み・痒みといった自覚症状が分かりやすいですよね。では、犬の場合はどうでしょうか。犬の場合でも、被毛で隠れて分かりずらいかもしれませんが、同じように症状が出ます。
具体的な症状をみてみましょう。
- 軽度の皮膚炎(赤くなる)
- 色素沈着(しみ)
- 日光性皮膚炎
- 光線過敏症
軽度の皮膚炎は、皮膚の表面がダメージを受けている状態です。犬自身も自覚症状はあまりないかもしれません。色素沈着は人と同様に、紫外線などの刺激から身体を守るための、皮膚の正常な反応です。色素沈着がある皮膚は、何らかのダメージを受けているのかもしれません。
日光性皮膚炎は、症状が強く出た場合、患部に湿疹のような症状が出ます。繰り返し日光性皮膚炎を起こしている場合、皮膚がんのリスクも高まります。
光線過敏症は、光アレルギー反応の一種と考えられる、原因不明の皮膚炎です。症状は、初めは鼻や目の周辺に現れますが、徐々に身体や四肢先へと進行します。
日焼けを起こしやすい犬
人にも日焼けしやすい人・しずらい人がいるように、犬の中にも日焼けをしやすい犬がいます。愛犬が該当する場合は、特にケアしてあげましょう。
色素の薄い犬は、身体を紫外線から守る「メラニン色素」が少ないために、紫外線の影響を強く受けてしまします。被毛が淡い色をしている犬や、鼻の色が薄い犬は気をつけましょう。
シングルコート・ヘアレスドッグなどの被毛が少ない犬や、病気など何らかの原因で脱毛がある犬も、弱い皮膚が日光に直接さらされることになります。夏場に被毛を短く刈り込むようなカット(サマーカット)をしている場合も同様です。また、コリーやシェットランドシープドッグは光線過敏症を起こしやすい犬種として知られています。
犬のUVケアの方法
毎日を健康的に過ごすためには、太陽の光を浴びることも大切です。ですが、直射日光を浴びすぎてしまうと日焼けのリスクがあります。犬も人と同じようにUVケアをして、紫外線から皮膚を守りましょう。
強い日差しに当たらないように注意する
照りつけるような強い太陽が出ているときに、犬を外に出すのは控えましょう。熱中症のリスク回避にもなります。色素が薄い犬や光線過敏症の犬の散歩は、日が落ちてからにしましょう。
市販のUVカットグッズを使用する
外出の際に、日差しを遮るよう服を着せるのも効果的です。夏でも着やすいように、風通しのいい素材で、様々なデザインの服があります。服で覆えない部分には犬用の日焼け止めを使ってあげましょう。スプレータイプやシートタイプのものなどがあります。人用の日焼け止めは、犬の薄く弱い皮膚には刺激が強いので、使用できません。
愛犬が日焼けしやすいタイプの場合は、室内や車内にいる場合でも、UVケアをしましょう。窓ガラスにUVカットフィルムを貼ることで対策できます。
まとめ
日に焼けてしまった時のヒリヒリした痛みを覚えていますか?実は飼い主が気がついていないだけで、愛犬も同じように日焼けしているかもしれません。夏場は、熱中症予防のために日中外出する機会は少ないかもしれません。ですが、暑い時期にはもちろん、気温が下がってきても日焼けのリスクがなくなるわけではありません。
愛犬も一緒にUVケアをして、紫外線を気にせず過ごせるようにしましょう。