ぽっちゃり犬の魅力とリスク
みなさんは、ぽっちゃり犬は好きですか?
コロコロした見た目がぬいぐるみのようで、愛らしさや、柔らかい触り心地が好きな方も多いようです。ぽっちゃりしてくると動作がゆっくりになりがちなので、そんなところも可愛らしいですよね。
実は動物病院のスタッフの中にも、ぽっちゃり犬が好きな人たちがいます。獣医師が愛犬を「ぽっちゃり犬」にしていることもあります。
とっても魅力的なぽっちゃり犬ですが、「これ以上体重を増やさないでね」や「ダイエットしましょうね」と言われてしまうのは何故でしょうか。
これは皆さんご存じの通り、健康を害してしまうリスクがあるからです。肥満が原因で愛犬に起こるかもしれないリスク・病気を確認しましょう。
犬の肥満のリスク
- 歩行や運動への障害 (運動不耐など)
- 関節脊椎などへの負担 (関節炎など)
- 呼吸器循環器への負担 (気管虚脱など)
- 内科疾患のリスク (膵炎糖尿病など)
- 麻酔使用時のリスクが高まる
肥満犬が必ずこれらの疾患になってしまう訳ではありませんが、標準体型の犬と比べてリスクが高いのは間違いありません。いくらぽっちゃり犬が可愛くても、愛犬が苦しむようなことがあってはいけませんよね。
ぽっちゃり犬が肥満に対して思うこと
当然ですが、犬は「自分は太っている」とか、「健康のために痩せよう」というように考えることはありません。「膝が痛いのは毎日食べる量が多くて、体重が増えすぎたからだ」と思うこともないのです。犬の中では、ご飯やオヤツをお腹いっぱい食べて過ごすことと、体調不良は結びつきません。
もし、愛犬の健康を思ってダイエットを始めたとしても、愛犬がそれを理解することはできません。いつも通りのオヤツを欲しがりますし、モチベーションのない運動はしません。だからこそ愛犬のダイエットは難しいのです。
動物病院からみたぽっちゃり犬
前述のように動物病院には、「ぽっちゃり犬は可愛い!」と思っているスタッフもいます。ですが、診察や検査を行う上で、ぽっちゃり犬はいくつか良くないことがあります。
例えば、採血や超音波といった検査を行うときに、脂肪に部位が阻まれて、時間がかかってしまうことがあります。肥満体系の犬の中には、検査が長引くと興奮して呼吸が苦しくなってしまうような犬もいます。
また、麻酔等の薬の代謝が悪くなってしまうために、薬が効きづらくなってしまったり、長く効きすぎたりする場合があり、注意しなければなりません。
愛犬のダイエットをお勧めしたい体型の目安
愛犬が太っているか、標準体型なのかを考えるときには体重ではなく「体型」を目安にしましょう。犬というのは個体によって大きさが様々で、種類と体重だけで太っているのかを判断することはできません。
実際に体格を目で見て、肉付きを触って判断します。
体型を判断するポイントは大きく2つです。
肋骨・背骨を触ってみる
1つ目のポイントは「肋骨・背骨を触ってみる」ことです。皮下に脂肪がつきすぎると、それらに阻まれて骨の感触が触れなくなります。肋骨や背骨のゴツゴツした感触が、脂肪の下にわずかに感じられる程度が、標準体型の目安です。
上からみて腰にくびれがあるか
2つ目のポイントは「上からみて腰にくびれがあるか」ということです。被毛にボリュームがある犬種は分かりづらいかもしれませんので、こちらも手を当てながら確認しましょう。
体型の判断は、理想的な体系を理解できればお家でもできますが、初めは動物病院などで確認してもらうと良いでしょう。
また、動物病院によっては体脂肪計で体脂肪の計測を行ってくれる場合もあるようです。人間用の体脂肪計のような精密さはないようですが、興味がある方は計測してみてもいいかもしれません。
まとめ
愛犬が肥満で抱えることになるリスクを理解した上で、それでもダイエットが難しいと感じることは多々あることと思います。
動物病院では急な体重減少はお勧めしませんし、愛犬のサイズによっては数字での効果が感じづらいかもしれません。
それでも、しっかり時間をかけてしたダイエットは、愛犬の生活の質を上げてくれるでしょう。
ダイエットに成功した犬たちは、毛艶や目の輝きが良くなってイキイキしてくる子も多いので、ぜひそういった一面も引き出してあげていただければと思います。