食事について
老犬になると見られる変化
犬も人間同様に、歳を重ねるごとに体のあらゆる機能が衰えてきます。
もちろん内臓機能も例外なく衰えますから、子犬期や成犬期に与えていた物と同じようなカロリーの高いフードを与え続けていると、犬が糖尿病や腎臓病などの病を患ってしまうリスクが高まります。
予防・対策
ですから一般にシニア犬と分類される7-8歳頃からは、それまでのカロリーの高いフードや脂肪分の多いフードではなく、高タンパク質、低脂肪、そして低カロリーのシニア犬のドッグフードに切りかえましょう。
きちんと犬の年齢に合ったフードを与えることで、あらゆる病気の予防に繋がります。
シニア犬用のドッグフードは、低脂肪・低カロリーということからもわかるように、それまで与えていた高カロリーの物と比較すると味があっさりとし、それほど嗜好性が高くない物が多いのが現状です。
そのためある年齢になったからといって、突然シニア犬用のフードに切りかえると、わんちゃんが食べてくれないこともあります。
ですから、はじめのうちはこれまで与えていたフードと混ぜて与え、徐々にシニア用のフードの量を増やしていき、最終的にはシニア用のフードだけにする、というように、少しずつ切りかえていくのがポイントです。
また、高齢犬は胃腸の機能も衰えてきますから、一度にたくさんの量を食べると胃腸に負担がかかってしまいます。
ですから1日に与えるべき量を1度で与えるのではなく、最低でも1日2回以上に分けて与えましょう。
毛のお手入れについて
老犬になると見られる変化
老犬になってくると、毛の色が白っぽくなったり、毛艶がなくなったり、また毛量が減るといったような変化が見られます。
予防・対策
老犬になると、上記のような被毛に関する様々な変化が見られてくる為、日々のブラッシングはそれまで同様に、またそれまで以上にしっかりと続けていくことが大切です。
ブラッシングを行うことで、被毛の状態を清潔に保ったり、抜け毛を取り除いて皮膚トラブルを予防することが出来ます。
またブラッシングには血行を促進する効果もあるため、あらゆる機能が衰えてきた老犬の健康状態を少なからずサポートすることに繋がります。
ですから老犬でなくとも日々のブラッシングは欠かせませんが、とりわけ老犬の場合は、こまめなブラッシングを徹底するようにしましょう。
お散歩について
老犬になると見られる変化
犬も人間同様に、年齢とともに少しずつ足腰が弱くなります。
予防・対策
弱くなった足腰に過度な負担をかけないよう、老犬のお散歩はなるべく無理のない範囲で行いましょう。
ですが、足腰が弱くなったからといって、全くお散歩をやめてしまうことは良くありません。
衰えた足腰を使わなくなることは、かえって著しい機能の低下をもたらしてしまいます。
ですから足腰が弱くなったからといって、全く動かさないようにするのではなく、むしろ適度な運動を心がけるようにしましょう。
運動量やお散歩の時間、距離などは、わんちゃんの様子を見ながら無理のない範囲で適宜判断します。
お散歩の際は、首に負担のかかってしまう首輪ではなく、体に負担のかからないハーネスを使用すると良いでしょう。
生活環境について
老犬になると見られる変化
老犬になると徐々に睡眠時間が増え、サークル内やベッドなどの一定の場所で過ごすことが多くなります。
また、目も見えにくくなり、耳も聞こえにくくなるといった変化が考えられます。
予防・対策
睡眠時間が増え、サークル内やベッドなどで過ごす時間が多くなりますから、そのような犬が主に過ごすサークルやベッド、またその周辺は常に清潔に保つように心がけましょう。
また、わんちゃんがお部屋で快適に過ごせるよう、暑さや寒さなどにも気を付けます。
そして、目や耳も悪くなってきますから、突然お部屋の中や犬が過ごす場所の周りの配置を変えたりすると、上手に対応出来ず、怪我や事故に繋がったり、わんちゃんがストレスを感じてしまう可能性もあります。
ですからわんちゃんが高齢になったら、やむを得ない場合以外はあまり突然ガラッと部屋の模様替えをしたりはしないようにしましょう。
また、怪我予防のために、室内や犬が過ごす場所の周りの段差はなるべくなくすように気を付けましょう。
まとめ
以上今回は、高齢犬と暮らす上で気を付けるべき4つの項目について、高齢になると見られる犬の変化と、その予防・対策について述べました。
大切なわんちゃんに、いつまでも元気で長生きしてもらうためには、きちんとその時々の健康状態に合わせたお世話をすることが非常に大切です。
そのためにも、各年齢ごとにどのようなことに注意すべきなのかを心得ておくことが必要です。
今回は、高齢犬と暮らす上での注意事項をいくつか挙げましたが、これらはあくまでもその一例に過ぎません。
大切な愛犬の変化は飼い主さんが一番よくわかりますから、愛犬の様子をよく観察し、わんちゃんが快適に過ごせるような環境作りを心がけましょう!
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ユーザーのコメント
女性 アイカ
30代 女性 セリ
8才になった愛犬ですが、やはり年々老いは感じます。特に疲れやすくなったこと、寝ている時間が増えたこと、被毛にツヤがなくなったこと。
今年から健康診断は、ワンランク上の項目を増やしたものにしました。いつまでも愛犬の健康を守っていくために、また介護が必要になった場合のために今からいろいろ勉強しないとと思っています。
20代 女性 シーナ
40代 女性 匿名
一つ目の【食事】ですが、やはり高齢になると噛む力が衰えてきて、消化力も若い時に比べると落ちてきますので、基本となるフードをシニア用にするのはもちろん、場合によってはドライフードを豆乳などで少しふやかしてあげたりしても良いと思います。大豆アレルギーがないようでしたら豆乳は免疫アップにもなるのでお勧めです。牛乳は色々な説がありますが犬の胃には少し強いようです。そして、おやつも改善が必要で、市販のジャーキーやガム系のものも消化しづらいのでやめた方が良いと思います。できれば保存料など添加物のない手作りおやつが高齢犬には特に良いと思います。
二つ目の【お手入れ】で、もしシャンプーが難しい状況の時にお勧めなのが洗い流さなくてよい<泡シャンプー>です。(写真有)これはあらかじめ温めたタオルでザッと汚れを拭いた後で毛にまんべんなく泡をつけて馴染ませて軽くブラシをしてから再びお湯で絞ったタオルで拭き上げるだけで、良い香りがしてフワフワになります。
三つ目の【散歩】に関しては、記事にもありますように首に負担のかからないハーネスで歩かせるのが良いと思います。そして、高齢になるとその日の体調や気分でちょっとのコースにしたいとか、マイペースでワガママに思える事もあると思いますが、決して無理はさせずに犬にあわせてあげて下さい。その分、回数を増やしてあげるとかストレスなく過ごさせてあげるのが良いと思います。
四つ目の【生活環境】は、だんだんと耳が聞こえなくなったり目が見えにくくなったりしてきますので、段差をなるべくなくしてあげたり危険なものをよける工夫をしなければいけないと思います。足元も踏ん張りがきかない場合は滑り止めマットを敷いてあげたりすると転倒防止になるかと思います。
実際に高齢犬と暮らすと、気づくことも多く「イライラしてはいけない。あせらずに待ってあげる。のんびり気長に見てあげる。」という余裕がとても大切だと思いました。
女性 おもち