ホリスティックケアとは?
人間や動物は、「自然治癒力」を持っています。自然治癒力とは、病気やケガに対して、生まれながらにして備わっている自分の治癒力のことです。しかしその自然治癒力が低下しているのかもしれません。アレルギーが増えていることは事実です。
動物の病気も、以前はよく原因がわからなかった病気もどんどん解明され、治療方法が多岐にわたり、使用する薬も開発されています。原因がわからないまま亡くなってしまっていた犬の病気も治療可能になっているものもあります。
このように、獣医療の発展に伴ってワンちゃんの寿命が延びているといわれている一方で、新たな疑問も浮上しています。
痛みに苦しむワンちゃんに強い薬を投与したり、痒みに苦しむワンちゃんに痒みを抑える薬を投与したり、これらの治療方法は高い即効性と効き目が明確であることから、積極的に取り入れていました。
しかし、薬の効果が切れると痛みや痒みが再度訪れること、薬がないと生活できない体へと変化してしまうこと、それに伴い薬の使用量も増えざるを得ないことも現実です。
ワンちゃんの平均寿命が延びるに連れて、関節炎や心臓病、ガン、アレルギーなど現代病といえる病気に苦しむワンちゃんが平均寿命の延びに比例して増えています。
そこで新たに注目されているのが「ホリスティックケア」です。
動物が本来持っている自然治癒力を高めたり、心身のバランスをとることで、病気やケガを引き起こしにくい体に近づけていくことが目的です。
ホリスティックケアって具体的に何をするの?
ホリスティックケアにはアロマセラピーやハーブ療法、マッサージ、手作り食などさまざまな方法があります。
正直、アロマセラピーを行うときに「ホリスティックケアのためにアロマセラピー取り入れている」と考えて行っている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。アロマセラピーがワンちゃんにとって良いもの、手作り食の方が健康に良いもの、と聞いて取り入れていると思います。何気なく始めたことがホリスティックケアだったというケースが多いかもしれません。
このように、愛犬の健康のために、セラピーや食事を一生懸命考えている飼い主さんが多いことが分かりますね。
下記では、ホリスティックケアの具体的な方法を一部ご紹介します。
ホリスティックケアの具体的な方法①ケガをしたワンちゃんには
「外に遊びに行けない」「歩けない」とストレスを抱えるワンちゃんが多いです。遊べないストレスや落ち込んでいる気持ちを考慮しながら、ケガをした部分を使わない遊びをしてあげたり、マッサージを行います。
ホリスティックケアの具体的な方法②高齢のワンちゃんには
高齢になったワンちゃんに対しては、アロマを使ったケアが役に立つ場合もあるでしょう。高齢になると視力が低下し、聴力に頼る生活になるため、小さな音にも敏感になり、神経質な性格になりやすいといわれています。ラベンダーなどのアロマを部屋に焚くことで、少しでもリラックスを得ることができます。
ホリスティックケアの具体的な方法③手作り食
愛犬に手作り食をあげている家庭も多いと思います。ホリスティックケアでいう手作り食は、食材本来の栄養素をそのまま生かし、最大限に活用することが特徴です。つまり、人工合成された食材を与えるのではなく、天然の野菜や果物や使用します。ケガをしたワンちゃんの傷の炎症の回復には、ホリスティックケアの手作り食が効果的です。
傷の程度によりますので、傷の回復の一助として与えてください。また、長期になると栄養バランスが取れなくなることもありますので、適切な栄養指導を受けてください。
まとめ
ホリスティックケアの方法はさまざまですが、以下の2点が重要なポイントです。
- ワンちゃん本来の自然治癒力を高めること
- 体だけでなく、心から健康で幸せな状態であること
飼い主さんの中には、知らず知らずのうちにホリスティックケアを行っている方も多いのではないでしょうか。
ホリスティックケアは基本を学び忠実に行えば難しいものではないかもしれません。そもそも、愛犬に対する愛情こそがホリスティックケアの原点です。愛犬に対する言葉や行動、コミュニケーション、触れ合い、そのすべてが愛犬に伝わっています。
しかし、マッサージやアロマテラピー、手作り食も必ず勉強をしてから行わなければ、かえって健康を害することもあります。やってみようと思う方は必ず専門家の指導を受けてから行いましょう。
ホリスティックケア・カウンセラーという資格もあるので、興味がある方、愛犬のために勉強したい方はぜひ見てみてはいかがでしょうか。
アロマテラピーは香りを楽しんだり癒しを得るだけでなく、直接中枢神経系に働きかけ様々な作用が起こります。呼吸とともに肺に入った香り成分は、少量ですが血液中に混じります。好みでない香りや、使わないほうが良い香りをかいだときには気分が悪くなったり、思わぬ作用が起こる場合もあります。
ラベンダーは比較的問題が起こりにくい香りですが、濃度を下げて使用するほうが良いでしょう。
また、猫が同居している場合は使用を控えてください。猫は肝臓でグルクロン酸抱合という解毒を行うために必要な働きができません。犬はグルクロン酸抱合ができますので、犬で問題なく使用できるアロマオイルでも猫では使えないことが多いのです。
使用してもよいかどうかわからない場合は、動物のアロマテラピーに詳しい専門家に確認をとったのちに使用するようにしてください。