オス犬の赤チンが出る時ってどんな時？去勢したのに出る？対処法は？

犬の赤チンとは

まずはじめに、犬の性器からたまに見える赤色やピンク色のものを、ここでは「赤チン」という言葉を使うことにします。

この言葉を代用するとオブラートに包まれ、ちょっぴり可愛らしい響きになるから不思議ですね。

ちなみに海外では「lipstick」と呼ばれることもあるようです。女性の飼い主さんにとっては、犬の赤チンを初めて見た時、多少ショッキングな気持ちになるかもしれません。

筆者も初めて愛犬のそれを見た時に、パピーだと思っていた愛犬に対し複雑な感情が芽生えました。

今はもう慣れましたが、一家団らんの時にたまにチラ見させられると、何となく恥ずかしさを感じますね。

しかし、犬にとっては正常な行動なのです。

オス犬はなぜ赤チンが出るの？

オス犬の飼い主さんであればお分かりかと思いますが、興奮すると犬は赤チンを出します。しかし去勢手術をしているのに赤チンを出すのはどんな時なのでしょうか？

動物医師のエリック・バーカス博士は、子犬がトレーニングに集中して興奮している時と同じような行動である、述べています。

飼い主としてすべきことは、それを無視することだといいます。無視することによって興奮状態が徐々に失せていき、犬の性器は包皮に戻ります。犬を無視することで飼い主に対し興奮したりすることはありません。

赤チンを出す時の犬の心理とは？

去勢した犬が、相手がオス・メスに関わらず、他の犬に乗っかり腰を振るか赤チンを出していることがあります。飼い主にとってショッキングなこの行為は、本質的には犬にとって発情のための行為ではないのです。

米・カルフォルニア州モバイルペット病院の獣医師Atif Wardany博士は、「それは一般的に犬の遊びの行為である」と述べています。

犬が興奮したりストレスを受けたり、これらの感情を適切に伝達する方法をきちんと学習しなかったことで、犬は激しい怒りから興奮し始めて他の犬に乗っかり背を丸めるといいます。

相手の犬の飼い主さんに対して「うちの犬が･･･」的な申し訳ない気分ですが、犬にとっては悪気のない行為なのです。

犬の交尾とマウンティングの違い

そもそも犬の性器が外に出る時は、発情したメス犬の上にオス犬が乗っかり交尾をする時です。

マウンティングは犬同士が上下関係を確認したり、仲間同士でじゃれ合うなどコミュニケーションのひとつでもあります。

ようするに発情期のメス犬のフェロモンにオスが誘発されて交尾をするためのものではありません。しかし、マウンティングも交尾もオス犬が興奮するため赤チンを出すこともあります。

オス犬の性器の構造について

犬の交尾の際中に、犬の性器を私たち人間が見ることはまずないのではないでしょうか。去勢していない犬同士が交尾している際中に、慌てて引き離そうとしてもなかなか離れないことがあります。
これはなぜでしょうか？

まず人間と違うのは、犬の陰茎には骨があります。性器の両側に”bulbus glandis”（※動物学用語）と呼ばれる2つの腺があります。オス犬が交尾中にこの部位が膨れてメス犬の性器に引っかかるため、一度交尾が始まると数分間～1時間ほど続くこともあるようです。

この現象はオス犬の性器をメス犬の膣の中に保つことが目的で、受精の確率を高めるためのメカニズムなのです。

黄緑色の液体は何？

犬を抱っこした時や犬と戯れている時に、犬の性器から黄緑色の液体のようなものが出てくる時があります。

黄色がかった緑色の液体は”smegma”と呼ばれるもので、死んだ細胞や犬の包皮に囲まれた部位に集まる物質の集合体で、通常では正常な現象です。

しかし性器から血液や膿状のものが出る場合には、下記のようなことが考えられます。

• 外傷
• 異物が詰まっている
• 尿路感染症
• 性器感染症
• 尿路結石（尿道結石）
• 前立腺疾患
• 血液凝固疾患
• 勃起障害

などが疑われます。必ず獣医師の元で診察してもらうことをおすすめします。

去勢したのに赤チンが出るのはなぜ？

犬は去勢した後にも時々赤チンが出ることがあります。赤チンが出ていても、その後完全に包皮に戻れば心配する必要はありません。

犬が赤チン…つまり時々勃起するのは正常な行動です。しかし神経学上の問題や解剖学的異常などを取り巻く問題で、速やかに元に戻すことができなくなることがあります。

性器の色が赤やピンク色、または紫色の場合は正常ですが、変色が見られたり乾燥している場合は、排尿障害や性器の損傷など永久的に障害が起こる可能性があり得ます。

直ちに掛かりつけの獣医師に診察してもらうことをおすすめします。

まとめ

オス犬の赤チンがたまに見えるのは正常な行為であり、犬にとっては無邪気な遊びの行動のひとつでもあります。

突発的なシチュエーションで飼い主として複雑な心境になることもありますが、犬にとっては生理現象のひとつであること。自分の愛犬だけでなく他のオス犬にもあり得ることを理解しておきましょう。

【参考資料URL】
https://www.dogster.com/dog-health-care/all-about-the-dog-penis
https://www.petmd.com/dog/general-health/dog-penis-heath-guide-everything-you-need-know#