信頼できる飼い主がいること
犬は群れ社会で暮らす動物を祖先としているため、信頼できる家族やリーダーの存在を求める動物です。優しく頼りがいがある飼い主がリーダーとしてそばにいるととても安心して暮らすことができ、人間社会の中で不安なことや困ったことがあっても「この人がいれば大丈夫」と落ち着いて過ごすことができるのです。不安や心配は犬にとっても大きなストレスとなりますので、そのストレスを感じさせない、また軽減することができる存在は犬の幸せにつながるものだと思います。
頼れるリーダーといっても、威張っていて強そうである必要はありません。犬が信頼を寄せるリーダー=飼い主の条件は、指示に一貫性があり指導や叱り方が的確で感情的にならないということ。また、スキンシップや愛情の注ぎ方も優しく犬のペースを乱さないことも大切です。ただ溺愛するだけでなく、適切なしつけと深い愛情を持って接することが信頼される飼い主として必要になってくれることです。
すこやかに過ごすことができること
すこやかに過ごすというととても抽象的になってしまいますが、運動や食事、精神面など全てにおいて健全に、健康的に過ごすことができるというのは犬にとって非常に重要な要素です。人間でも同じですが、しっかりと食事が摂れて自分の足で歩き、快適に眠る場所があるということは当たり前にようですが実はとても幸せなことです。その当たり前のことが、病気などにかかることで一変してしまうこともあるでしょう。病気だからと言って幸せではないということではありませんが、心身の負担やストレスをできる限り防ぎ、取り除く努力をすることは飼い主として最も注力しなければならないことだと思います。
日頃から健康管理をしっかりと行い、予防接種や定期健診を受けて健康な体を守ること。そして温度や湿度を適切に調節したり、家の中をすべりにくい床などに整えたりして常に快適な住環境を用意することも犬が毎日を幸せに暮らし続けるために必要なことなのです。
本能が満たされること
日本では家庭犬として暮らしている犬種の中にも、本来は特定の仕事をするためにつくり出された犬は数多くいます。ミニチュアダックスフンドは土の中を潜って害獣駆除をしたり、ゴールデンレトリバーは鳥猟犬として狩りに同行したり、コーギーは牛追いをしたりと皆さまざまな仕事を持ち、その仕事に適した体に改良されてきた犬種でもあります。しかし、現代日本においては仕事を持つ犬はごくわずかで「日本の犬は失業中」などと言われることもあるのです。
仕事や作業をすることが本能に組み込まれている犬たちは、その仕事に就いていないとしてもそれに似た運動や活動をすることを好みます。日頃の散歩やドッグスポーツなどでそういった本能を満たすことができると犬はとても満足し、心身ともに満たされた充実感あふれる毎日を送ることができます。逆にそれらの本能が適切な場所で満たされないといたずらや問題行動となってあらわれてしまうことがあるので、自分の愛犬が好きなことは何か、どんなことに喜びを感じるのかということを把握してその本能を満たしてあげるようにしましょう。
<まとめ>犬にとっての幸せについて
「犬のとっての幸せは何か?」という疑問の答えは、おそらく犬の数だけあると思います。ここで挙げた3点はあくまでヒントに過ぎず、具体的にどのようなことをすれば犬が幸せなのかということは飼い主さんが一番よく分かると思います。
ただ、どんな犬にも共通する幸せとして「飼い主から愛されること」があると思います。立派なリーダーではなくても、何らかの疾病を抱えていても、本能のままに走ることができなくても自分を心から愛して大切にしてくれる飼い主がいるということは最大の幸せなのです。犬ははるか昔から人間と寄り添って生きることを選んできた動物です。言葉で通じ合えなくても人間の感情を読み取る能力に長けた犬だからこそ、心から愛することが犬に幸福を感じさせるために必要なことなのではないかと思います。
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20代 男性 匿名