中国が原産の犬(小型犬)
- シーズー
- パグ
- チャイニーズクレステッドドッグ
- ペキニーズ
- ラサアプソ
- チベタンスパニエル
- チベタンテリア
シー・ズー
シー・ズーは古くから中国王朝貴族の家庭内で大切に飼われてきました。シー・ズーは短頭種で垂れ耳、体高より体長がわずかに長いという特徴がある小型犬で体重は4キロ~7キロほどです。
大きな眼球が傷つきやすいので、長めの頭部の毛を結んであげたりカットしてあげるとよいでしょう。
シー・ズーの性格は、遊び好きで活発な面の裏に穏やかで落ち着きがあるという落ち着いた一面をあわせ持っています。なのでお年寄りや子どもとも上手に過ごせる賢い犬です。
軽やかな足取りで体を揺らしながらウキウキと歩く姿はとても愛らしいです。
パグ
パグは中国で最も古い犬種の1つで、祖先は紀元前にまでさかのぼる犬種です。現在は小型犬ですが、なんと当時は大型犬であったと推定されています。
紀元前600年頃から現在のような姿、大きさになったと言われていますが、中国の美術品や文献にも登場するほど、中国の王室や貴族に愛された犬でした。
パグは、がっちりとした筋肉質と短毛で滑らかな毛並みに、前に垂れた耳と大きな丸い目が特徴的の犬種です。体重は6キロ~8キロです。
パグの性格は明るく陽気、素直で落ち着きがありとても飼いやすいです。ですが、わがままになるほど甘やかしてしまうと、テコでも動かないほど頑固でマイペースになってしまうという難しい一面もあります。
警戒心が少なく無駄吠えもあまりしないので番犬には向いていません。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
チャイニーズ・クレステッド・ドッグに「クレステッド」という名前がついているのは、犬の飾り毛が昔の中国の男性の髪型(クレストヘア)に似ていることからつけられました。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは毛がないことで知られている体重6キロほどの小型犬で、頭部と足先などの体の先端だけにフワフワとした細い毛が揺れる美しい特徴があります。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグの性格は、感受性が強く、明るく、愛情深く、他の犬にも家族にもフレンドリーだとされています。穏やかな性格は家族の生活によく馴染み、とても飼いやすい犬種です。
ペキニーズ
ペキニーズは中国の宮廷で大切に飼われていた犬種で、宮廷外への門外不出として昔は宮廷内だけで繁殖が行われてきました。
ペキニーズの体重は5キロほどですが、がっちりした前足、細目の後ろ足、太めの首回りが特徴的で、全身を長い毛が覆っているので全体的にボリュームがあるように見えるのが特徴です。
ペキニーズの性格は、独立心が旺盛、飼い主にはあまり依存しない猫のような性格とされています。人見知りがあり、家族以外にはなかなかフレンドリーには振る舞いません。
しかし、一度信頼関係ができると、飼い主には愛情深く、素直で遊びが大好きな一面もあります。
ラサ・アプソ
ラサ・アプソは紀元前から中国チベットを中心に飼われていました。修道院の番犬として役割を果たしていたことで知られています。歴史が長く、シー・ズーなど様々な犬種の祖先になっている犬です。
体重は6キロほどの小型犬で、愛らしいアーモンド型の大きな目と大きくて黒い鼻、長くて硬めのボリュームがある被毛が特徴です。頬やあごに独特のひげがありライオンにも似ているといわれることもあります。
ラサ・アプソの性格は陽気で明るいですが、気まぐれでわがままな一面もありそこがまた魅力的な犬種です。臆病な性格を持っている個体もいて、飼い主以外の人や犬に人見知りをしてしまう一面もあります。
チベタン・スパニエル
チベタン・スパニエルは中国チベットの寺院などで古くから大切に飼われていて、寺院の番犬の役割を果たしていました。また、祈祷時に必要な道具を運ぶという仕事もこなす賢い犬です。
体重は4キロ~7キロほどの小型犬で、小さめの頭に小さめのマズル、アンダー・ショットの独特な噛み合わせ、フワフワの巻いたシッポが特徴です。
チベタン・スパニエルの性格は、愛情深く忠実な一面と独立心があり単独行動を好むという一面があるため、犬というより猫に似た性格かもしれません。
チベタン・テリア
チベタン・テリアは中国チベットのラマ教の僧院で大切に飼われていた歴史があります。テリアと名前がついていますが、テリア種とはまったく関係がなく、テリアぐらいの大きさという意味でテリアと名前がついたようです。
体重は8キロ~14キロの小型犬です。テリアに似た美しく長くい被毛を持ち、飾り毛がついた耳とシッポが優雅です。
チベタン・テリアの性格は、愛情深く活気があり穏やかです。飼い主を喜ばせることも大好きで家庭犬としてとても適している犬種といえます。
牧羊犬種として見張り犬としても活躍した歴史もあるため、番犬としても向いています。
中国が原産の犬(中・大型犬)
- チベタンマスティフ
- 重慶犬(じゅうけいいぬ)
- 下司犬(シャーシィいぬ)
- シャーペイ
- 昆明犬(クンミングウルフドッグ)
- チャウチャウ
チベタン・マスティフ
チベタン・マスティフは中国チベット高原を原産とする超大型犬です。中国チベットで古くから牧羊犬や番犬として活躍してきました。
力強く筋肉質で、長くて厚い被毛が特徴です。体重は64キロ~82キロもあり、中国では地位や富の象徴として富裕層に人気があります。純血種の数が圧倒的に少ないことから希少価値が高く、金額も驚くほど高額です。
チベタン・マスティフの性格は、忠実、物怖じしない、勇敢、警戒心が強いとされています。近年では、温和な性格に改良されていますが、縄張り意識が強く番犬の要素が強いのでペットとして飼うには難易度が高めです。
重慶犬(じゅうけいいぬ)
重慶犬はシャー・ペイの祖先ともいわれる中国の古代犬種で、熊や猪などを追う猟犬、番犬として活躍してきました。
外見はボクサーとマスティフを足して2で割ったような姿ですが、それらの犬種の血は流れていません。人間の介入なしの自然交配によって固定化された犬種だと考えられています。
重慶犬は長めの立ち耳、垂れ尾で、短めのマズルと脚の長さが特徴です。体重は20キロほどの中型犬で力強い印象があります。
重慶犬の性格は、狩猟や番犬として活躍していたことから分かるように、主人に忠実で警戒心が強く、熊や猪も恐れない勇敢さがあります。
下司犬(シャーシィいぬ)
下司犬は中国の貴州東部を原産とする、家畜管理用の犬種です。
働くのが大好きで、家や家畜の見張りをして番犬の役割をしたり、アヒルなどの家畜を移動させたりするハーディング・ドッグの役割を果たしていました。
中国のミャオ族とトン族専用の犬種でしたが、近年になってペットとして飼われるようにもなりました。下司犬はスピッツによく似た主にホワイトの毛色と、ルビーのように赤い目、短い立ち耳が特徴です。体重は20キロ~30キロの大型犬です。
下司犬の性格は忠実で温厚ですが、番犬として働いてきた歴史があるように見知らぬ人には警戒心を示します。
シャー・ペイ
シャー・ペイは分厚いたるんだ皮膚、たくましい筋肉、チャウ・チャウと同じ青黒い舌が特徴の中国原産の中型犬で、重は16キロ~20キロあります。
分厚いたるんだ皮膚は、もともとシャー・ペイが闘犬だったことに由来しています。ですが後に猟犬、番犬として活躍するようになりました。
シャー・ペイの性格は、独立心が強く勇敢で、むやみにはしゃいだりしない冷静さがあります。ですが、仲間として家族を守ろうと警戒心や闘争心を表そうとすることがあるので、飼い主がいつでもコントロールできるようにしておくことが大切です。
昆明犬(クンミング・ウルフドッグ)
クンミング・ウルフドッグは、中国雲南省昆明市原産の軍用、警察用、番犬として活躍してきました。
2008年に開催された中国北京オリンピックでは、雲南省の警備にこの犬種が使われ、それによって初めて他国の人の目に触れたというくらい比較的新しい犬種です。
クンミング・ウルフドッグは、ジャーマン・シェパード・ドッグに外見が似ていますが毛色がウルフです。立ち耳、垂れ尾、マズルが長く体高も高いという特徴があり運動神経は抜群です。体重は30キロ~38キロの大型犬です。
クンミング・ウルフ・ドッグの性格は、知的で警戒心が強いですが、外交的でよく人になつきます。
チャウ・チャウ
チャウ・チャウは、紀元前から中国にいたとされる大型犬です。2004年に発表された遺伝子の分析によると遺伝子的には秋田犬に最も近いことが分かりました。
顔まわりにフサフサした黄金色のライオンのような被毛に、つぶらなアーモンド型の瞳、青黒い舌が特徴的です。体重は18~27キロにもなります。
チャウ・チャウの性格は、忠実、独立心が強い、もの静かとされています。寒さに強く、狩猟犬、番犬、ソリを引く犬として中国で活躍してきました。その代わり夏の暑さにはとても弱い犬種です。
後ろ足の関節がまっすぐなので、大型犬なのにチョコチョコと歩く姿がかわいいです。日本では高度成長期にCM で起用されたため人気が出ました。
まとめ
中国が原産の犬にはたくさんの種類があり、長い歴史を持つ中国だけに、祖先を何世紀もさかのぼることができる犬たちがいることが分かりました。
主に小型犬種は中国宮廷の王族や僧院などで可愛がられていた歴史があり、また、番犬や狩猟犬、牧羊犬として人間の生活と深く関わってきた犬達の歴史もありました。やはり犬と人間は、長い歴史を深い絆で結ばれて歩んできたのですね。
中国原産のどの犬もそれぞれの個性的な愛らしい特徴があり、本当にかわいいです。それぞれの犬種について、特徴をよく知るとなんだか触れあってみたくなりますね!
ユーザーのコメント
30代 女性 くっきー