なぜ自然乾燥はNGなのか
皆さんはどのくらいの頻度で愛犬のシャンプーを行っていますか?週に1度行うという人もいれば、2週間に1度というご家庭もあるでしょう。シャンプーの後は濡れた被毛を乾かす必要があるのですが、意外と自然乾燥させているという人も少なくありません。
しかし、実は犬のシャンプー後の自然乾燥は基本的にNGとされています。では、いったいなぜ自然乾燥ではいけないのでしょうか。
毛質が悪くなるから
まずは毛質が悪くなってしまう原因となる可能性があるため、犬のシャンプー後の自然乾燥は推奨されないという理由が挙げられます。これはキューティクルが剥がれてしまうことで毛質が悪くなってしまうのです。
キューティクルが剥がれてしまうと聞くと、「それだとドライヤーで乾かす方が毛質が悪くなりそう」と思われがちです。しかし、正しくドライヤーを使用することでキューティクルを守ることは可能です。
そしてキューティクルが剥がれてしまう原因は熱風だけではありません。実は水によっても剥がれてしまうのです。そのため、水で被毛が濡れている時間が長ければ長いほど、キューティクルが剥がれてしまい、毛質が悪くなってしまいます。
カビが生えてしまう恐れがあるから
シャンプー後の自然乾燥がダメな理由は大きく分けて2つあります。まず1つ目は先ほどご紹介した毛質が悪くなるという理由です。そしてもう1つが被毛の間で雑菌が増殖してしまい、様々な悪影響を起こす恐れがあるという理由です。
この悪影響の1つがカビ、つまり真菌です。雑菌が繁殖してしまうことにより、被毛や皮膚に真菌感染が起こり、ごわごわとした毛になってしまったり、あるいは粘つきが感じられるようになったりすることがあるのです。恐ろしいですよね。
特に夏場は油断大敵です。湿気も多い季節のため、真菌が増殖しやすい環境が整っています。「夏場はすぐ乾くだろうから…」と自然乾燥させてしまうと、愛犬の被毛や皮膚に真菌が生えてしまう恐れがあるため注意しましょう。
皮膚病になってしまう
被毛の間に雑菌が繁殖してしまうと起こる症状として皮膚病が挙げられます。細菌が被毛の間で増殖することで、皮膚にまで到達してしまい、結果的に炎症を起こしてしまう恐れがあるのです。
皮膚病になってしまうと最も多い症状に痒みがあります。痒みが生じると犬は一生懸命その痒みをとろうと自分の身体を掻き続けます。しかし、掻き続けてしまうことでより皮膚を傷つけてしまい、炎症を酷くしてしまう恐れもあります。
このような事態を防ぐためにも、犬のシャンプー後はしっかりと毛を乾かし、細菌の繁殖を食い止める必要があります。もしも皮膚に炎症が起こってしまった場合には、早めに獣医さんに診てもらいましょう。
正しいドライヤーでの乾かし方
なぜ自然乾燥がいけないのかについては、上記でご紹介したとおりですのでご理解いただけたかと思います。シャンプー後には自然乾燥ではなく、しっかりドライヤーで乾かしてあげる事が大切ですが、あまりにも熱風を当てすぎてしまうと、それはそれで皮膚に良くありません。
そこでどのようにドライヤーを使い乾かすべきかをここで簡単にご紹介します。いくつかポイント押さえておくことが大切ですので、しっかり覚えておきましょう。
まずドライヤーの前にタオルでしっかりと水を拭き取ってあげる事が重要なポイントです。ここでなるべく拭き取っておくことで、ドライヤーの熱をあてる時間が短縮されるからです。そのため、吸水性のあるタオルを使用すると良いでしょう。
タオルドライ後にドライヤーを使うことになりますが、ドライヤーの設定は「弱」に設定しましょう。「強」で行ってしまうと、熱風が強すぎてしまい、皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。また、なるべくドライヤーを遠ざけて当てるようにしてください。
この時、ドライヤーを少し離した状態であてながら、ブラッシングをしてあげる事もポイントの1つです。ブラッシングをしながらドライヤーをかけることで、被毛の奥までしっかりと乾かすことが可能ですよ!
まとめ
いかがでしたでしょうか。「自然乾燥の方が良いのでは」という考えから、あえて自然乾燥させていたという人もいるかもしれませんが、カビが生えてしまったり、皮膚病になってしまう恐れがあるなど悪影響を及ぼしかねません。ぜひ次回のシャンプーからは、自然乾燥ではなくドライヤーを使うようにしましょう。