犬だって猫舌?!熱い食べ物が苦手な理由とは

犬だって猫舌?!熱い食べ物が苦手な理由とは

猫は熱いものが苦手なので、猫舌。ではその反対は犬舌?いえいえ!犬も熱いものは苦手なのです。熱いものを食べると舌を火傷することがあるので、手作りご飯の温度には気を付けなくてはいけません。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

なんで犬も猫舌なの?

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熱いものが苦手な人のことを猫舌と言います。
猫は熱いものが苦手だから猫舌という名前が付いたとして、犬は得意なのでしょうか?
答えは、犬も苦手です。
正確に答えると、人以外の全ての動物は熱いものが苦手です。

人以外の動物が暮らす環境の中で、熱い食べ物を食べる機会はありません。
人は進化する中で火を使うようになり、食材に火を通すことを覚え、徐々に熱いものへ対応できるようになっていきました。
自然界に熱い食材はないので、動物が苦手な理由もよくわかりますね。

犬の好みの温度は?

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犬の舌には、甘味、苦味、酸味、塩味、肉らしい味を感じる旨味のような味覚があります。
なので、犬にも味の好みや食べ物の温度の好みがあると言われています。

基本的には、犬は温かい食べ物を好みます。
それは、自然界で生きていた犬たちは、自分たちで獲物を獲り食べていましたが、獲ったばかりの獲物は温かく、本能的に温かい食べ物を好んでいるという説があるそうです。
その他にも、温かい食べ物からは匂いが強く出るためという説もあります。

温かい食べ物を好む犬にとっての理想的な食材の温度は、38~40度ぐらいです。
自然界で獲ったばかりの獲物もそれぐらいの温かさがあったようです。

熱い食べ物にご注意!舌の火傷の危険性

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手作りご飯を愛犬に与えている飼い主さんが多くいると思いますが、冷ましてから与えているでしょうか?
熱いまま食べさせると、もしかしたら舌を火傷してしまうかもしれません。

舌の火傷

火傷するほど熱いものを愛犬が進んで食べることは少ないですが、中には夢中で食べているために、後から火傷の症状が出ることもあります。
また、火傷になる原因は食事からだけではありません。

原因
  • 手作りご飯を冷まさずに与えた
  • 電気コードを噛んで感電した
  • 化学薬品を舐めた

などなど、日常生活には様々な火傷の原因が隠れています。
犬の目線でどういったものが火傷の原因になるか考えてみましょう。

応急処置

熱いものに触れてしまったり、電気コードを噛んだことで火傷したりした場合は、火傷した部分を洗い流し、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
もし、感電したことでショック状態になっている場合は、その様子を電話で獣医さんへ伝え、指示を仰ぎながら病院へ連れていきます。

症状
  • 舌が赤く腫れ炎症を起こしている
  • 白いできものや、ただれている
  • 口臭がひどく、ヨダレが多い
  • 食欲が落ちる、いつもと違う食べ方をする
  • 口周辺をひっかいている

これらの症状がある場合は、「舌炎」という病気になっている可能性があります。

舌炎とは

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口の中の傷や化学薬品を舐める、電気コードでの感電や火傷などが原因で発症する病気です。
治療は、口の中の傷に消毒や消炎剤で炎症を抑え、治るまでの間は柔らかい食べ物で口の負担を減らすことで回復します。
このとき、飲み水もぬるま湯にすることで口への刺激を減らすことができます。

舌炎は、普段から誤って口に何か入れていないか、熱い食べ物を与えていないかに注意することで防ぐことができます。
また、感染症によって発症することもあるので、口の中を清潔に保つことが大切です。

まとめ

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犬は熱い食べ物が苦手です。
手作りご飯をあげるときには、必ず冷ましてからあげましょう。
手作りご飯の中でも特に雑炊。
雑炊は全ての食材を高温の中で煮立たせていますし、冷めにくいですよね。
私も愛犬に雑炊を作ったことがありますが、冷ますのにかなりの時間を費やしました。
でも、そのひと手間で愛犬の火傷を防ぐことができるのであれば、必要な時間として考えられます。
猫舌な愛犬たちには、人肌ぐらいのご飯をあげてくださいね!

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 rose

    いつもふやかしたフードに野菜のトッピングをしてあげています。温度、気になっていました。沸騰したお湯をいれて冬は10分。夏は15〜20分置いてから与えていますが、熱そうな時は指を入れて確認しています。人間でも熱いものは食道がんなどの影響を受けるため、ワンコも同じように食道がんなどの可能性があるかどうか記事に書いて欲しかったです。
  • 投稿者

    女性 ピーチ姫

    「犬なのに猫舌」というとネタ話のようですが、実は大変重要な話題です。犬に適温でない食事を与えることの危険度を飼い主は知っておかなければならない事を、この記事をキッカケに調べてわかりました。熱いものを食べた際に怖いのは、舌の火傷もそうですが、熱いものを飲み込んでしまった際に食道が炎症を起こし、結果、食道が細くなってしまう「食道狭窄」を起こしてしまうことです。「食道狭窄」を起こすと、固形物が飲み込めない、嘔吐、食欲不振と愛犬の身体に相当辛い症状が起こり、検査も大変、絶食や点滴など治療も大変です。「食道狭窄」のキーワードで調べると、たった1度熱いものを食べた場合に起こった事例もあるようで、癌になりやすくなる云々以前の危険度です。手作りご飯派は勿論、ドッグフードでも最近はお湯でふやかしてという方が増えているようですが、38度〜40度が基本。餌皿の底の方まで指を入れて「熱っ」とならない温度まで冷ましてあげましょう。
  • 投稿者

    30代 女性 38moto

    犬も猫舌、文字にすると面白いですね。猫舌は熱いものが苦手なこと、犬舌はその逆だと勘違いしてしまいますが、犬も熱いものは苦手なんですね。
    犬の舌は体温調節や健康状態を見るバロメータになります。とても重要な機能を持った器官ですので火傷には特に注意が必要です。
    ご飯は温かいものを好むので、我が家ではお湯で温くなるよう調整したりレンジで温めたりしています。どちらも自分の手で温度を見てから与えています。適温といっても毎回測るのは大変です。目安として人肌と同じくらいか少し温かいくらいが良いかと思います。

    夏場は蚊取り線香を焚くご家庭も多いと思います。うっかりするとこの蚊取り線香を舐めて火傷してしまう犬もいるので、届かないところに置いた方がいいです。
    犬の火傷の原因は人の不注意によるものが多いです。常にアンテナを張り、愛犬が怪我をしないようにしなくてはなりません。
    体調不良や食欲はあるのに食事を取らない場合は舌のチェックをすると原因がそこにあるかもしれません。
  • 投稿者

    女性 ろん

    毎日手作りごはんを与えています。我が家のわんこに急かされ、冷まし不十分で与えることがたまにあったため、記事を読んで非常に反省しました。熱いと言えない・冷めるまで我慢できないわんこだからこそ、飼い主が気をつけなければいけないのに。痛感です。
    うちのわんこは寒がりのため、逆に冷たすぎるものを与えないよう気をつけています。冷蔵庫から出して室温に戻してから与えるよう心がけています。散歩の後など飼い主目線ではきゅっと冷たい飲み物を出してあげたいところですが、お腹を冷やさないためにも散歩の前にお水をくみ置きして、室温に戻ったものを与えています。夏場は特にがぶがぶと飲みがちだと思うので、飲み水の管理は気をつけたいですね。重ねて、口内環境も歯だけでなく舌もチェックしなければと思いました。
  • 投稿者

    40代 女性 Connie

    犬に適温の食事をという話、意外と盲点だと思います。手作りご飯を作っていると、湯気の立ったおいしそうな出来立てを食べてもらいたくなってしまうのですが、気を付けなくてはですね。確かに自然界に湯気が出たホカホカの食べものはありませんし。また冷たいものより、体温に近いものの方が香りが立つのはもちろん、胃腸にも優しく消化にも良いです。夏場の暑い時には、冷たいものを与えたくなりますが、与え過ぎると胃腸の働きが悪くなるため、冷たい水を与えてもゴハンは人肌程度の温かいものにするといいですよ。
    余談ですが、ぐつぐつ煮えたぎる熱々のものを食す文化は西洋にはないそうです。日本人には当たり前のラーメンや鍋などは熱くて食べられないそう、なので西洋人には猫舌の方が多いそうですよ。
  • 投稿者

    女性 KOMA

    確かにワンちゃんに限らず、猫や鳥等の動物達も熱するという概念がない為、熱い物は無縁ですよね。温かい程の食べ物ならば匂いも発しやすく(ワンちゃんは味覚より嗅覚に優れているから匂いで判断する為)進んで食していますよね。そして熱い物で何より危険なのがやはり火傷。人間同様、火傷を起こすと口内が炎症を起こし、最悪の場合病源菌の苗床になってしまいます。菌は炎症など温度が高くなる場所を好む為、特に注意が必要です。シニアやパピーなどは体も免疫力も弱い為、一段と注意しないといけませんね。火傷は食事の時だけでなく、電気コードや電源類等、電気が通ってるもの電気で動くものもワンちゃんには好奇心の対象になりかねないので、それらを噛まないような環境を作る事も大切です。ワンちゃんのご飯を作る際や、フードをふやかす時は温度を自分が触って「熱い!」と思ったら38〜40度程まで下げて(触って温かいという感覚)からあげるよう徹底しましょう。
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