衝撃的な私の台湾犬デビュー
今から約10年前、友人との旅行で初めて台湾を訪れました。
有名スポットをツアーで巡りつつ、フリーの日には市内散策を楽しむことに。
台湾旅行に来られた方ならわかるかと思いますが、台北は高層ビルが立ち並ぶ大都会でありながら、一歩路地裏に入ると、昔懐かしいような生活感あふれる少しカオスな世界が広がっていました!
そしてこの時、初めて台湾の犬に遭遇しました。
その犬は中型の黒い雑種犬で、歩道に横になって寝そべっていました。
私が子供の頃は地元が田舎だったためか、町中でよく野良犬や放し飼いの犬を見かけましたが、もうそのころには日本で雑種犬を見かける機会も少なく、歩道で寝るノーリードの野良犬にぎょっとしつつも懐かしい!と思いました。
台湾移住と愛犬との出会い
台湾が好きになった私はこちらで仕事を見つけ、定住することになりました。
そして仕事にも慣れたころ、子供のころから大好きだった犬を飼いたいと決意し、今も一緒に生活する大好きな花ちゃんと出会いました。
台湾(台北)のペットと住環境
室内飼育が基本
日本ではペット可の賃貸マンションはまだまだ少ないようですが、台湾はペットOKな賃貸マンションやアパートが多く、一人暮らしのOLでも犬や猫を飼うのは珍しくありません。
私も花ちゃんを飼ってからこれまで2回引っ越しをしましたが、ペット不可の物件の方が少ないくらいです。
ただし、台北の住宅のほとんどがマンションやアパートです。
実際、台北市内で一軒家というと、山のあたりの豪邸と不法占拠のバラック小屋以外、私は見たことがありません。
そのため、大型犬でも室内で飼育される犬がほとんどです。
犬の健康にとっては室内飼いの方が良いと言われていますが、台北では必然的に犬とより密着した生活を送ることが出来るようです。
見分けが難しい野良犬と放し飼い
今でも台湾には野良犬や放し飼いの犬がたくさんいます。放し飼いの犬は主に中型・大型の雑種犬で、うちの近所の犬は夕方になると自分で散歩に行き、トイレを済ませて家に戻るという生活を送っています。
一方、都会に住む野良犬の中には、近所の犬好きにご飯やお水をもらいつつたくましく生きている犬もいます。
首輪をつけている野良犬も多く、完全な野良というよりは「地域犬」と言えるかもしれません。
下の写真の黒い「地域犬」は世界有数の高層ビル台北101すぐそばの公園に住んでいます。
台湾を訪れる犬好きの旅行者の方へ
先ほど述べたように都会に住む「地域犬」はおとなしい犬が多く、基本的には普段餌をくれる地元の人以外には近づいては来ません。
のんびり寝そべっている姿はかわいいものです。
ただし、山間部では野犬に襲われるという事件も発生しています。
また、残念ながら2013年、台湾では約50年ぶりに狂犬病の感染が確認されています。
そして首輪をしていても飼い犬とは限らないので、むやみに近づくことは避けてください。
台湾ではどこから愛犬を迎えるか?
ペットショップ
台湾にも日本と同じくたくさんのペットショップがあります。
台湾での動物の生体販売にはもちろん日本と同じくライセンスが必要ですが、無免許の業者も多く、違法なパピーミルが摘発されたというニュースもよく見かけます。
下の写真は我が家の近くにあるペットショップです。
この辺りはナイトマーケットの入口に位置し、同じような店が5,6軒立ち並んでいます。
人通りも多く、子犬はライトに照らされ、ガラスケースをたたく子供の姿も見かけました。
また、ナイトマーケットの時間に合わせ、深夜二時まで営業しています。
大手チェーン店のこの店はもちろんライセンスを持っているのでしょうが、子犬にとって良い環境には見えませんね。
日本では札幌市の様に、生後8週間は親子を共に飼養してから譲渡するよう条例で定める地方自治体もありますが、調べたところ台湾にはこのような法令はありませんでした。
保護施設
認養代替購買、結紮代替撲殺
台湾では「認養代替購買、結紮代替撲殺(買わずに引き取りましょう。殺さずに去勢・避妊手術をしましょう。)」というスローガンをよく見かけます。
子供のころ飼っていた犬は雑種犬でしたし、ペットの売買には疑問があったため、最初から保護犬を引き取るという選択肢しかありませんでした。
そこで、犬が欲しいと思うようになってからは、毎日のように市やボランティア団体の運営するシェルターのウェブサイトを見るようになり、最終的に台北市の運営するシェルターから犬を引き取りました。
充実した特典
台北市の保護施設から犬を引き取る場合、無料で譲渡してくれるだけでなく、去勢・避妊手術(犬によっては強制的に手術されます)やマイクロチップの装着が無料、狂犬病・混合ワクチンの接種が3年間無料と特典も豊富でした。(2010年当時、現在も一部の特典は継続されています。)
引き取り条件
台湾で犬を譲り受け、里親になる条件は日本ほど厳しくはありません。
一人暮らしやワンルームでも基本的には許可されます。
私は一人暮らしの外国人ですが、保護施設からの引き取り審査で不合格になるということはありませんでした。
私の場合、台湾で就業しているため、台湾人と同じく身分証番号(日本のマイナンバーのようなもの)があります。
この身分証番号は一生変わらず、住所や連絡先が登録されているため、花ちゃんの引き取りが認められたのだと思います。
ブリーダー
台湾では、ブリーダーに直接連絡してお目当ての犬種を引き取るという方法は、日本ほどメジャーではありません。
ウェブサイトや連絡先を公開しているブリーダーも日本より少なく、お目当ての犬種がある場合はペットショップに相談して仕入れてもらう、という方法が一般的なようです。
野良犬(野犬・捨て犬)
日本ではめっきり見かけなくなった野良犬がまだ身近にいる台湾では、野良犬をそのまま引き取るという昔ながらの犬との出会いもよく見かけます。
写真のラブラドールミックスは公園に捨てられていましたが、約半年公園で生活した後、近所のおばさんに引き取られました。
最近では、野良犬を見かけた人がFacebookなどのSNSを通じて飼ってくれる人を探すという方法もよく見かけます。
最後に
日本と台湾の犬を取り巻く環境を比べてみると、法整備や一般的な里親条件は日本のほうがより厳しいように感じます。
ただし、台湾で日本の一般的な里親条件を採用した場合、住宅条件などがネックとなり、引き取り手は一気に減少するでしょう。
台湾ならではの規制のゆるさのおかげで、一人暮らしの外国人である私でも犬の譲渡を受けることが出来たのだと思います。
私個人の意見ですが、全ての犬・猫がもっと幸せに暮らせるよう、それぞれのお国柄に合った法システムの整備と生体販売の全面禁止を望みます。
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女性 Shimmy