生活習慣病
生活習慣病。糖尿病や脂質異常症、高血圧、高尿酸血症など、その「生活習慣」が発症の原因に関連していると考えられる疾患の総称です。以前はこれらの疾患は加齢によって発病するものだと考えられていましたが、生活習慣が深く関わっていることが判明してきました。そのため生活習慣で予防できるという考えのもと、生活習慣病と名づけられました。
犬についてはどうでしょうか。獣医学の発展や室内飼育の増加、栄養バランスの高いフードの普及などに伴い、犬の寿命も延びています。そのため、犬も人間と同じような健康問題を抱える犬も増えています。これらのことから犬にも生活習慣病は起こるものだと考えられています。
犬の寿命が延びるということは長生きしている犬、つまり高齢犬や老犬が増加しているということです。これらの高齢化や生活習慣の変化による影響を受け、犬にも遺伝的な要因によるものではない「糖尿病」や「心臓病」「腫瘍」といった生活習慣病の発症が増加しているのです。
犬の生活習慣病とは?
生活習慣病とは遺伝的な要因ではなく、普段の生活習慣が発症に関わると考えられるものです。生活習慣により犬に発症する疾患について、代表的なものをご紹介します。これらは高齢になってからではなく、若いうちからの健康管理が重要になります。ぜひどういったものがあるのかを知り、健康管理を心掛けるようにしましょう。
糖尿病
糖尿病は体内のエネルギーを作る出すインスリン(ホルモン)が低下することで、糖質や脂質、タンパク質の代謝に影響を及ぼす病気です。病状が進行することで、他の病気との合併症を起こすこともある怖い病気です。症状としては、大量の水を飲み大量の尿をするといった多飲多尿。食べているのに体重が減る。嘔吐や下痢。といったものが起こります。遺伝的な要素以外にも、肥満やストレス、運動不足といった要因が重なることによる発症が考えられます。
心臓病
心臓病は心臓の機能が低下し、正常な血液循環がされなくなってしまう病気です。血液循環がされないことで、呼吸困難や咳といった症状があらわれ、命にも大きく関わるものです。特に高齢になると心臓の機能が低下するため、心臓病が発症しやすくなります。また、心臓に負担のかかる肥満も心臓病を発症する原因となりまので若い頃から注意が必要です。
腫瘍(ガン)
犬の死因として最も多い病気が腫瘍だと言われています。悪性腫瘍、一般的にガンと呼ばれるものです。腫瘍は細胞が異常に増殖することで発生します。腫瘍の存在は正常な組織を圧迫することによる機能不全や栄養不足、ホルモンバランスを崩すといった症状を引き起こします。腫瘍の発生は遺伝的な要因以外にも、環境的な要因が影響すると考えられていますので、栄養の偏った食生活や運動不足など、普段の生活習慣が大きく関わる病気なのです。
歯周病
歯周病も生活習慣病の一つです。歯垢が歯石へと変化することで歯周病を発症します。歯周病になると、口内の出血や口臭、歯の抜け落ち、食欲低下といった症状を引き起こします。また、歯周病が原因で心臓病や肝臓病といった内臓疾患へ進行するといった報告もあるのだそう。これらを予防するためにも日頃の歯磨きが非常に重要です。
肥満に注意!
生活習慣病を引き起こす要因はさまざまありますが、特に注意したいのが「肥満」です。肥満自体が生活習慣病だとも言えますが、肥満は糖尿病や心臓病、関節疾患などの他の生活習慣病を引き起こす原因となってしまいます。最近は運動不足や大幅なカロリー摂取が原因となる肥満犬が増加しているといわれています。これらは飼い主さんのコントロールで制限できる部分です。かわいいからといって、犬が好きなように食べ物を与えてしまった結果、犬が生活習慣病を招いてしまうと本末転倒です。生活習慣を見直す上で、まずはぜひ肥満について考えてみましょう。
まとめ
犬の寿命が延びていることは嬉しい限りですが、長生きする分、健康でありたいですよね。健康寿命を延ばせるように、普段の生活習慣から愛犬の健康管理を意識するようにしましょう。愛犬の健康寿命を延ばすのも、縮めるのも飼い主さん次第なのです。