最初の異変は肉球に現れる!?
栄養と統合医療を専門とするRaditic獣医師は「犬の肉球内の細胞はとても新陳代謝が速く、多くの栄養と血液の供給を必要とするため、犬の健康状態に何か不調があったなら最初に肉球に現れる」と言っています。
参考資料
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How to Care for Your Dog's Cracked and Dry Paws
肉球は足への衝撃をやわらげるクッションの様な役割や、小石などの固い物を踏んだ時に足を保護する人間の靴の様な役割を果たします。また肉球にはエクリン腺という汗腺があり、水っぽい汗を分泌します。この汗で肉球が湿る事で適度な滑り止めになったり、匂いをつけてマーキングにも使われる大切なパーツです。
そして肉球に現れる様々な症状が病気の早期発見にもつながるのです。
犬の肉球に現れる5つの不調
①怪我
肉球の表面は厚い何層もの角質層で覆われてはいますが、熱いアスファルトやマンホール、砂浜の上を歩いて火傷をしたり、尖った物を踏んで怪我をしてしまうことがあります。肉球の内部は神経や血管が多く通っていますが、表面の部分は血管が少ないため傷ができると治るまでには数週間もの時間がかかるそうです。
肉球が剥がれたり怪我をしてしまったら、消毒をして細菌感染による悪化を防ぐ事が大切です。病院で診てもらい、悪化しないよう気を付けましょう。
②アレルギーや皮膚病
アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎、指間炎、膿皮症などによって、かゆみや痛み、炎症がおきて、いつも以上に肉球を舐めたり噛んだりする症状が見られる事があります。
わんちゃん達は炎症を抑えようとしきりに舐めるのですが、舐めすぎると口内の細菌でかえって悪化したりただれてしまう事があります。
③病気
他の様々な症状と併せて見る事で病気を特定するヒントにつながります。
クッシング症候群
肉球に石灰化沈着が見られたり、傷ができやすくなり、出血する事があります。
甲状腺機能低下症
皮膚疾患、むくみが出ます。
ジステンパー感染症
肉球が黒く変色したり、鼻や肉球が石の様に硬くなってしまう「ハードパッド」と呼ばれる症状が現れる事があります。
心筋症や血栓症、貧血など血流に問題が出る病気
肉球に血が通いにくくなり、ピンク色の肉球の子は白っぽくなります。
肝臓の病気
かさぶた、びらん、水泡ができたり、慢性的な感染症を起こす事もあるそうです。
発熱
普段よりも肉球が熱く感じたら発熱している可能性があります。
④老齢期
高齢のわんちゃん達は代謝の低下で角質化が進むので肉球の弾力がなくなり、硬化してひび割れしやすくなります。白っぽくガサガサとしてあかぎれの様にひび割れしてしまうとそこから出血したり、雑菌が入って悪化したりと、病気に感染する可能性もあるので注意が必要です。
また、肉球が硬くなって乾燥している事で滑りやすくもなるので、関節や足腰の他の部分にも負担がかかります。そうなると運動量がますます減って筋力の低下にもつながってしまうので、高齢のわんちゃんは特に気をつけてケアをしてあげたいですね!
⑤過剰なお手入れ
健康なわんちゃんの肉球は潤いがあるので、散歩後などの汚れのケアは乾燥したタオルで足を拭くだけでも充分だそうです。足をゴシゴシと強く拭いたり、石鹸で洗いすぎたりといった過度なお手入れはかえって肉球を乾燥させて傷つけてしまい、元々持っている免疫力も低下させてしまいます。
また、シャンプー後にしっかりと乾かさずにいると雑菌が繁殖して炎症が起きる事もあるので気を付けましょう。
スキンシップの一環として肉球を触ろう!
普段のお散歩は土の上ではだけなく、アスファルトの上をお散歩する事が多いですよね。冬は冷たく、夏は熱くなる温度変化の大きいアスファルトの上は乾燥しやすく、肉球が傷つきやすい状態になってしまいます。
肉球の潤いがない時には肉球用の保湿クリームを塗って乾燥ケアをしてあげましょう。また、今は舐めても安心な保湿+滑り止めクリームなども売られており、保湿効果だけでなく室内での滑り予防にもなります。
こうしたケアとともに日常でスキンシップの一環として毎日肉球を見て触っていれば、些細な変化にも気がつきやすくなるのでトラブル予防にもつながります♪
まとめ
体の中で地面と接触している事が一番多いのは肉球です。肉球を痛めてしまうと痛みをかばう為に股関節までも痛めたり、傷から感染したりと他の怪我や病気にもつながってしまう恐れがあります。
わんちゃん達の肉球は健康のバロメーター。普段から愛犬の肉球を見て触ってチェックをして、病気やケガの早期発見につなげましょう♪