チワワのダイエット完全ガイド|食事管理から運動まで成功させるコツを徹底解説

チワワのダイエット完全ガイド|食事管理から運動まで成功させるコツを徹底解説

「うちのチワワ、太りやすいかも?」とお悩みの飼い主様へ。チワワの肥満の原因と病気のリスク、ご家庭でできる体型チェック方法、獣医師が推奨する食事管理・フード選び・運動による正しいダイエットの進め方を徹底解説。愛犬を健康的に痩せさせるコツがわかります。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

チワワが太りやすい原因と健康リスク

体重計に乗る太ったチワワ

チワワはその愛らしい小柄な体格が魅力ですが、実際には肥満のリスクが比較的高い犬種として知られています。食事や運動などの生活習慣を適切に管理しないと、気づかないうちに健康を損なう可能性もあります。

ここでは、なぜチワワが太りやすいのか、その理由を具体的に掘り下げ、さらに肥満によって引き起こされる病気やトラブルについて解説します。

基礎代謝が低いため太りやすい

チワワは世界で最も小さい犬種の一つです。体が小さいため、1日に消費するカロリー量(基礎代謝量)が非常に少ないことが特徴です。そのため、飼い主が良かれと思って与える少量のおやつでも、容易にカロリーオーバーを招いてしまいます。

例えば、体重が2kgのチワワの1日の必要カロリーは約120kcalですが、これは市販のおやつを数粒与えただけでも簡単に超えてしまう数値です。少ない食べ物で十分なエネルギーを補える反面、少しの与え過ぎでも体重が増えやすいことを常に意識する必要があります。

室内飼育で運動不足になりがち

チワワは室内飼育が主流の犬種であり、外で活動する時間が他犬種より少なくなりがちです。特に飼い主が「室内で自由に動き回っているから十分」と考えてしまうと、運動不足に陥る可能性が高くなります。

毎日の散歩時間が短かったり、天候により散歩が減ると、エネルギー消費が低下して徐々に脂肪が蓄積されやすくなります。その結果、食事量が変わらなくても体重が増えてしまうことがあります。

去勢・避妊後に太りやすくなる

チワワは去勢や避妊手術後に体内のホルモンバランスが変化することで、脂肪を溜め込みやすく、基礎代謝が低下する傾向があります。

手術後は食欲が増すことも多いため、手術前と同じ食生活を続けていると、短期間で体重が増えることがあります。獣医師とも相談のうえ、手術後の食事量や運動量を適切に調整しておく必要があります。

肥満で関節への負担が増える

チワワは骨格が細く華奢であるため、少しの体重増加でも関節や骨にかかる負担が大きくなります。特に膝蓋骨脱臼(パテラ)は、肥満がリスクを増大させる疾患として知られています。

肥満状態が続くと歩き方が不自然になり、段差を避けるようになったり、重症化すると痛みで歩けなくなることもあります。

肥満で心臓・呼吸器疾患が悪化する

肥満になると、チワワの小さな心臓に過度な負荷がかかります。その結果、僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病の発症リスクが高まると指摘されています。

また、首周りの脂肪が増加すると気管が圧迫され、「気管虚脱」という病気を悪化させ、咳や呼吸困難を引き起こすことがあります。

肥満が糖尿病リスクを高める

犬は生活習慣が原因の糖尿病になりにくいとされていますが、肥満が糖尿病につながるリスクがあるとされています。

肥満はチワワの糖代謝を乱し、インスリン抵抗性を高めます。そのため、人間同様、糖尿病の発症リスクが高まることが報告されています。

多飲多尿(水を大量に飲む・排尿量が増える)や疲れやすさなどの異変を感じた場合は、早めに動物病院を受診することが望ましいでしょう。

チワワの適正体重と体型チェックの手順

飼い主に腹部を触られているチワワ

チワワが健康を維持するには、体重の数値だけでなく「適正な体型」を維持することが重要です。見た目や触った感触など、家庭でも簡単に確認できる方法を知っておけば、肥満を未然に防ぐことができます。

ここでは、チワワに適した体重の目安と、自宅ですぐに実践できる体型チェックの具体的な手順を解説します。

チワワの成犬における適正体重の目安

チワワの標準的な適正体重は、成犬の場合1.5〜3.0kg程度が一般的とされています。ただし、体格や骨格には個体差があり、適正な体重も異なります。月齢ごとの一般的な目安を参考に、かかりつけの獣医師と相談して、愛犬に最適な体重を把握しておきましょう。

体型の評価指標「BCS」を活用する

チワワの体型を適切に評価するためには、世界中の獣医師が使用している「ボディコンディションスコア(BCS)」という評価指標を用いるのが効果的です。

BCSは数値(5段階または9段階)で理想的な体型を評価し、健康維持の目安にできます。一般的には、肋骨が触ると薄い脂肪の下に確認でき、上から見たときに腰にくびれがあり、横から見たときにお腹のラインが適度に引き締まっている状態(BCS3/5または5/9)が理想的です。

肋骨が触れるかで肥満チェック

まずは愛犬の胸部を優しく撫でて、肋骨の感触を確認します。理想的な体型では、脂肪の下に肋骨が一本一本はっきり触れる感覚があります。

一方、脂肪が厚すぎて肋骨が感じにくい場合は肥満傾向、肋骨が骨ばって浮き出ている場合は痩せ過ぎの可能性があります。

上から見て腰にくびれがあるか確認

チワワを真上から見て、肋骨の後ろから腰にかけてのラインに「くびれ」があるか確認しましょう。理想的な体型では、腰にかけて緩やかな曲線のくびれが確認できます。

くびれがほとんどなく背中から腰が寸胴になっている場合は、体重の増加が進んでいる可能性が考えられます。

横から見たお腹のラインで判断する

横から見たチワワのお腹のラインも、体型判断に役立ちます。胸から後ろ足に向かってお腹のラインが緩やかに上がっているのが理想的です。

お腹のラインが地面と平行になっていたり、垂れ下がっていたりする場合は、皮下脂肪や内臓脂肪が増えている可能性があります。

これらの簡単なチェック方法を日頃から行うことで、早期に体型の変化に気づき、肥満予防に役立てることができます。

チワワに最適なダイエットの正しい進め方とポイント

診察台の上で獣医師に保定されているチワワ

チワワの肥満に気づいた際、慌てて自己流でダイエットを始めると、体調を崩す恐れがあります。特に小さなチワワは体への負担が大きいため、適切で安全な手順を踏むことが非常に大切です。

ここでは、チワワに最適なダイエットを正しく進めるための準備から目標設定、減量の適切なペースまでを詳しくご紹介します。

健康診断でダイエットの準備を整える

ダイエットを始める前に、まず動物病院で愛犬の健康診断を受けましょう。肥満の原因が単なる食べすぎや運動不足ではなく、甲状腺機能低下症など病気が関係している場合もあるからです。獣医師の診断により健康状態を確認し、ダイエットを安全にスタートできる環境を整えます。

目標体重の設定目安は15〜20%減

チワワのダイエットでは、無理のない範囲で具体的な目標体重を設定することが成功の鍵です。一般的には、現在の体重から15〜20%程度の減量を目標とします。個体差や健康状態を考慮し、必ず獣医師と相談しながら適切な数値を決定してください。

週1〜2%ずつ無理なく体重を落とす

チワワの減量はゆっくり着実に進めることが重要です。理想的なペースは1週間に現在の体重の1〜2%程度であり、3kgのチワワなら週30〜60g程度の減量を目安にします。急激なダイエットは体調不良や筋肉量の減少を招くため避けましょう。

記録をつけてダイエット成功率アップ

ダイエットの成功率を高めるためには、毎日の記録が有効です。決まった時間に愛犬の体重を測定し、その日の食事内容や量、運動量などをノートやスマホのアプリに記録しておきましょう。記録をつけることで体重変化の傾向を把握しやすくなり、効果的なダイエット管理が可能になります。

チワワのダイエットに効果的なフード選びと食事管理のコツ

食器に入ったドッグフードと上を見上げるチワワ

チワワのダイエットを成功させるには、単にフードの量を減らすのではなく、栄養バランスを維持した適切な食事管理が大切です。栄養不足や空腹によるストレスを防ぐためにも、ダイエット用に適したフードの選び方や、与える際のポイントをしっかり理解しておきましょう。

減量用フード選びでカロリーを抑える

チワワのダイエットには、通常のフードよりもカロリーと脂肪分が抑えられた「減量用」や「体重管理用」と表記されたフードが最適です。こうした専用フードなら、摂取量を大幅に減らさずとも、自然に摂取カロリーを制限できるため、空腹感によるストレスも軽減できます。

タンパク質30%以上のフードで筋力を保つ

健康的な減量のためには、筋肉量を維持することが重要です。筋肉が落ちてしまうと基礎代謝が下がり、かえって痩せにくくなります。

タンパク質含有量が乾物量基準で30%以上のフードを選ぶことで、筋肉を維持しながら無理なく減量を進めることが可能になります。原材料表示を確認し、動物性タンパク質(鶏肉や魚など)が主原料となっている製品を選びましょう。

食物繊維で満腹感を維持する

フード量を減らすとチワワは空腹感を感じやすくなりますが、食物繊維が豊富なフードを選べば、消化速度がゆっくりになるため満足感が長続きします。満腹感が高まることで食事の催促も減り、無理なく食事制限を継続できます。

おやつはカロリーの10%以内に抑える

ダイエット中のおやつの与え方が減量の成否を左右します。理想的にはおやつを控えるのがベストですが、どうしても与えたい場合は、1日の総摂取カロリーの10%以内を厳守し、その分、主食の量を調整する必要があります。家族内で与える量を統一し、無意識のうちにカロリー過多にならないよう気をつけましょう。

1日3〜4回の食事で満足感アップ

同じ1日の食事量でも、1日の食事回数を増やして細かく与えることで、愛犬の空腹感やストレスを軽減できます。たとえば、これまで1日2回だった食事を3〜4回に分けて与えると、空腹のつらさが緩和され、ダイエットを長期的に継続しやすくなります。

チワワの運動量アップでダイエット効果を高める方法

屋外を走るチワワ

チワワのダイエットを成功させるには、食事管理だけでなく適度な運動を取り入れてエネルギー消費量を増やすことが重要です。

特に小型犬のチワワは、ちょっとした工夫で運動効果が大きく向上します。ここでは、散歩や室内での遊び方を工夫することで運動量を増やし、健康的に体重を落とすための具体的な方法を紹介します。

早歩き・坂道散歩で運動効率アップ

普段の散歩に少し工夫を加えるだけで、消費カロリーを増やしダイエット効果を高められます。散歩の一部を早歩きに変えたり、緩やかな坂道をルートに取り入れたりすることで、短時間でも効率よくエネルギーを消費できます。これらの変化は筋力アップにもつながり、基礎代謝の向上にも役立ちます。

ノーズワークで楽しく室内運動

雨の日など屋外で運動ができない場合でも、自宅で楽しめるノーズワーク(宝探しゲーム)がおすすめです。ドッグフードやおやつを部屋のさまざまな場所に少量ずつ隠して、愛犬に嗅覚を使って探させましょう。この遊びは体だけでなく頭も使うため、短時間でも満足感が得られ、運動不足やストレス解消に効果的です。

滑りにくい環境で室内運動を安全に

チワワは小さくて繊細なため、室内での遊びも安全性を考えることが大切です。フローリングなど滑りやすい床は関節に負担がかかるため、カーペットやマットを敷いた上で、引っ張りっこや軽めのボール遊びをしましょう。短時間でも集中して遊ぶことで、楽しみながらカロリー消費を促進できます。

持病があるチワワ向け運動法

高齢のチワワや膝蓋骨脱臼などの持病を抱えるチワワの場合は、1回の運動時間を短くして、回数を増やすことが理想的です。

例えば、1回10分ほどの軽い散歩を1日に複数回行うなど、愛犬に負担のかからない範囲で適度に体を動かすと、安全にダイエット効果を高めることができます。具体的な運動量については、獣医師の指導に従って調整しましょう。

まとめ

メジャーと食器が乗った体重計の上で正面を見つめるチワワ

チワワのダイエットを成功させるには、小さな体格と肥満になりやすい傾向を理解し、健康リスクを把握することが大切です。適正体重や理想体型を把握した上で、獣医師と相談して安全な減量ペースを設定しましょう。

また、低脂肪・高タンパクのフードを選び、食事回数やおやつの与え方を工夫することで、空腹感を抑えながら健康的に痩せることができます。さらに日々の運動量を増やすため、散歩に工夫を加えたり室内遊びを取り入れることで、ストレスなく無理のないダイエットが可能になります。愛犬の健康と長生きのため、焦らず着実に取り組みましょう。

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