犬が太る原因
- 食事の与えすぎ
- 運動不足
- インスリノーマ
- 甲状腺機能低下症
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 遺伝によるもの
犬が太る原因には上記のようなことが考えられます。単純に食事量と運動量に問題があることもあれば、病気が原因となって太りやすくなっていることも考えられます。太った犬には様々な健康上のリスクが伴うため、飼い主が注意して肥満を防止する必要があります。
太った犬の肥満チェック
太った犬の肥満度は、「ボディコンディションスコア(BCS)」でチェックすることができます。BCSは主に3つの観点で体型を9または5段階で評価したものです。現在の体重とBCSを用いて獣医に計算してもらうことで適正体重を求めることもできます。ここでは5段階による3つの観点での見分け方のポイントをご紹介します。
肋骨に触れない
BCS1(痩せ)、BCS2(やや痩せ)の場合は肋骨を容易に触ることができます。過剰な脂肪の沈着がなく肋骨を触ることができる状態がBCS3(理想体重)です。太った犬の場合は厚い脂肪により肋骨に触りにくくなり、かろうじて触れればBCS4(やや肥満)、容易に触れなければBCS5(肥満)となります。
腰にくびれがない
太った犬に腰のくびれが見られるかどうかもポイントとなります。犬を上から見たとき、痩せている犬には肋骨の後ろに顕著なくびれが見られますが、肥満の犬の場合はくびれがないか、ほとんど見ることができません。適度なくびれがある状態が適正体重であるとされています。
お腹が垂れ下がっている
お腹の垂れ下がり具合も肥満となるかの判断基準となります。BCS1(痩せ)からBCS4(やや肥満)の場合は、犬を横から見たときに腹部の吊り上がりが見られます。BSC5(肥満)とされる太った犬の場合は、吊り上がりが見られないかお腹が垂れ下がっている場合がほとんどです。
太った犬のダイエット方法
食事の内容を見直す
太った犬の減量では、食事の内容の見直しが成功の鍵となると言っても過言ではありません。それまでの食事に豚肉や牛肉を使っていた場合は、カロリーの低い鶏ささみに替えるのもおすすめです。市販されている犬用のダイエットフードを活用するのもよいでしょう。
急に食事の内容を変えると犬が食べないこともあるので、今までの食事に少しずつ混ぜるなどして緩やかに移行してあげてください。人間の食事は塩分が高く、犬が中毒症状を起こす玉ねぎなどの食材が混ざっていることもあるので与えない方が無難です。
食事の量や回数を変える
1日あたりの食事量は体重から求められる「1日あたりのエネルギー要求量」と、ペットフードに表示された「代謝エネルギー」で簡単に計算することができますが、成長段階や運動量、季節によっても変わってくるので、獣医と相談しながら調整してください。ドッグフードに表示されている目安の食事量は、現在の体重ではなく理想体重をもとに計算しましょう。
食事回数が1日1回だと空腹状態が長くなるために犬がガツガツ食べてしまう可能性があります。これは「次にいつ食事ができるかわからないので、食べられるうちにたくさん食べておこう」という犬の本能的な部分でもあります。食物の消化吸収を緩やかにするためにも、太った犬の食事は複数回に分けるとよいでしょう。
おやつに気をつける
1日の食事量にはおやつのカロリーも含まれるため、太った犬の体重管理では食事だけでなくおやつにも気をつけなければなりません。おやつのカロリー量は、1日に必要なカロリーの10パーセント以内が目安です。おやつを時々ささみや野菜などの低カロリーなものにすると、ダイエットの効果が期待できます。
また、犬はおやつの量ではなく回数で喜びを感じるので、しつけの一環でおやつを与える場合は1度にあげる量だけを減らして回数を変えないことで、満足感をそのままにしてあげることが大切です。しつけたことができたときには大袈裟に褒める、一緒に遊ぶ時間を増やすなどして、おやつ以外の方法で犬を喜ばせるのもよいでしょう。
運動量を増やす
太った犬のダイエットでは、運動量を見直すことも重要です。太った犬は散歩に出たがらなくなることもあるので、カロリーを消費しきれず脂肪が蓄積するという悪循環に陥いらないように注意します。
散歩は時間を少しだけ延ばす、走る時間を少なくして歩く時間をゆっくり長めにとる、公園や芝生でウロウロするなどして、少しずつ運動量を増やし筋肉をつけていくとよいでしょう。散歩以外の運動では、水泳は足腰への負担が少なく、階段昇りや坂道はカロリー消費が高めであるとされています。いきなりハードな運動をすると関節や肥大した心臓に負担がかかるため、運動の内容や量は獣医と相談して決めるようにしましょう。
マッサージを取り入れる
マッサージは代謝が上がるため、太った犬にダイエット効果があるとされています。散歩の後は特に代謝が上がりやすい状態なので、犬が落ち着いたタイミングで、呼吸に合わせてゆっくり背中やお腹を撫でてあげてください。
犬の肥満が抱えるリスク
関節や骨に負担がかかる
肥満によって体が重くなると、関節や骨に負担がかかり関節炎や靭帯損傷、椎間板ヘルニアなどを発症しやすくなります。太った犬の中でも、ゴールデンレトリバーやジャーマンシェパードなどの骨関節炎になりやすい犬種、大型犬は特に注意が必要です。
心臓に負担がかかる
太った犬の体が大きくなればなるほど、多くの血液が必要となり、血液を送り出すポンプの役割を持つ心臓に負担をかけることになります。負荷がかかり続けると心臓が肥大して僧坊弁閉鎖不全(心臓の弁が閉じず血液が逆流してしまう状態)になる場合があり、そうなると一生薬による補助が必要になってしまいます。結果的に寿命を縮めることに繋がるため、できるだけ早く心臓の負担を減らすことが大切です。
呼吸がしづらくなる
肥満によって首周りに脂肪がつくと、空気の通り道である気管が圧迫されて呼吸がしづらくなってしまいます。太った犬が苦しそうに鼻をフガフガさせている場合は呼吸がしにくくなっているだけでなく、呼吸器系の病気の可能性もあります。特にブルドッグやシーズー、パグなどの短頭犬種はもともと呼吸器系の病気になりやすいと言われているため、太らないよう注意しましょう。
病気にかかりやすくなる
太った犬は、膵炎や尿石症、糖尿病、皮膚病などの様々な病気にかかるリスクが高まります。病気を改善するための手術をすることになったときにも、脂肪によって麻酔や手術がしにくくなったり、呼吸が浅いために十分な酸素が取り込めなくなったりする可能性があり大変危険です。
肥満は排卵数や受胎率を下げるという報告もあります。出産の際も産道の脂肪によって赤ちゃんが体外に出づらくなったり、最悪の場合死産となったりすることも考えられます。
ユーザーのコメント
男性 匿名
女性 もふころ
肥満にさせない程度少しぽっちゃりくらいだと、病気の時の蓄えになることもありますよ。