予防治療とアンチエイジングが期待されている「オゾン療法」
みなさんはオゾン療法という治療法を聞いたことがあるでしょうか。
日本では馴染みのない治療法ですが、ドイツやイギリスでは30年以上もの歴史のある、オゾンガスを使用した治療法です。
この治療法は、アンチエイジングや血液のクレンジング、歯周病や皮膚の治療などに利用されており、これまで効果が得られにくいとされてきた腫瘍やアトピーなどの病気にも使用することができます。
幼犬や甲状腺機能亢進症の犬を除いては、副作用のない安全な治療法で、世界中で多くの治癒効果が確認されています。
犬のシニア期を考える
人間同様、犬も年を取る度に細胞や内臓が少しずつ衰え、それは症状や病気という形で現れてきます。
そのため、シニア期に合った生活スタイルに変えていかなくてはいけませんが、急に変えることは難しく、また、効果を感じにくいことがほとんどです。
最も効果的な健康管理法として、『毎日の散歩』が体力や筋力をつけるために大切なことと言われていますが、シニア期に入った犬が長く散歩することは簡単なことではなく、もし病気を発症していれば運動が制限されてしまうこともあります。
シニア犬に最適な負担のない安全な治療
『シニア期に合った生活習慣に変えることが難しい』
『病気などで変えることができない』
といった場合におすすめしたいのが、オゾン療法です。
オゾン療法は身体機能の根本である血液に働きかけることで、全身の機能の向上と改善に取り組むことが出来ます。
どんなに健康体であっても血液が健康でなければ、栄養素や酸素が身体の隅々まで行きわたらず、様々な病気を引き起こすリスクが高くなってしまいます。
オゾン療法は、犬に負担をかけることなく、副作用の心配もいらない、シニア犬に適した治療法であると言えます。
オゾン療法の働きと効果
オゾン療法によって期待できる効果は、以下の3つです。
- 体内の酸素化
- 免疫機能の向上
- 細胞の活性化
酸素原子3個でできたオゾン(O3)は、酸素(O2)に変わろうとするため酸素原子を1つ放出することで、酸化反応を起こします。
酸化は老化の原因として良いイメージを持たれていませんが、酸化によってできる活性酸素は細胞を活性化させることで抗酸化力を高める働きがあります。
さらに、体内の酸素化と免疫力の向上、血液の巡りを良くすることから、病気の改善や再発防止、アンチエイジングの効果も発揮されます。
オゾン療法は、病気などで負担のかかっている部分だけでなく、全身に働きかけることができるため、体に蓄積された悪いものを自分の力で排泄できる身体に変えることができ、病気の再発しにくい身体にすることができる治療法です。
オゾン療法が効果的なケース
病気改善、代替療法
高齢になればなるほど麻酔や手術へのリスクが高まり、薬などの副作用にも注意しなくてはいけません。
負担がなく副作用の心配がいらないオゾン療法は、シニア犬のための治療の選択肢の1つとして取り入れることができます。
健康維持、アンチエイジング、病気予防
全身を巡る血液をきれいにすることで細胞を活性化させることができるオゾン療法は、最近元気がない、寝ていることが多くなったシニア犬におすすめです。
もちろん、病気などの症状が出ていない健康な犬も受けることができます。
オゾン療法の種類
オゾンガス
①注腸法
カテーテルを肛門から直腸に挿入しオゾンガスを注入する
②自家血液療法
採決した血液にオゾンガスを入れ、腕の血管から体内に戻す
③皮下注射法
痛みのある部分の皮膚の下に直接オゾンガスを注射する
オゾン水
- 炎症や感染が起きている部分にオゾンガスを反応させた水をかける
- オゾン水で口の中を洗浄し、オゾンクリームを歯に塗り込むことで、歯石が自然と取れやすくなる
オゾンクリーム
- オリーブオイルにオゾンガスを溶かしたクリームを炎症や感染が起きている部分に塗り込む
- 点眼薬として使用することで、目の赤みを抑え、角膜の再生を促す
- 点耳薬として、抗生物質が効かない外耳炎に使用する
まとめ
医療はつねに進歩していますが、これは人の場合だけでなく犬に対しても同様です。
そして今では体に対して負荷がかかったりリスクのある治療は、徐々にリスクのない安全なものへと少しずつ変化していっています。
シニアになった愛犬に対して、負担のない安心な治療を受けさせてあげたいと願う気持ちは飼い主であれば誰でも持つものでしょう。
いざ治療が必要になった時、今回ご紹介したオゾン療法のことを思い出してもらえるきっかけになれば幸いです。