犬の認知症
脳の老化が原因
犬の認知症は老化によって脳細胞が減少・死滅し、脳の機能が低下することで今まで出来ていたことが出来なくなってくる状態を言います。このような変化は、人間も犬も同じであることが分かっています。
また、遺伝的要素や飼育環境なども関連性があるとされています。
こんな症状に注意!
- よく知っている人や場所を認識できなくなる
- 落ち着きがなく、同じ場所をうろうろしていたり、または障害物を避けられず立ちすくんでいる
- 飼い主や他のワンちゃんとの遊び、大好きなおもちゃなどへの興味を失くす
- 今までできていたお座りやお手、待てなどの指示に反応しなくなる
- 夜中の徘徊や遠吠え、昼夜逆転
- トイレの失敗が増える 排尿排便のコントロールができない
- 何事にも無関心、または目的の無い行動を続ける(何かを舐め続けるなど)
- 食欲の増加または低下など
大型犬は8歳以上、小型犬は10歳以上でこのような徴候が見られる場合、認知症の可能性があります。
違う道を歩いて違う刺激を
老化によって死滅した脳細胞は再生できませんが、その前に老化現象を遅らせたり、認知症を防ぐことは可能です。
新しい経験や適度な刺激は脳を活性化させるという実験結果もあります。
毎日のお散歩は脳の活性化にとても適しているそうです。
いつもと違うお散歩コース
愛犬の性格や住んでいる街の状況で、お散歩のルートがおのずと決まってくることはよくありますよね。
慣れた道は安心してお散歩できるのが利点ですが、愛犬にとっては目新しいこともなく単調で、マンネリ化してしまいます。
脳の活性化のために、いつものコースに少し変化を加えてみましょう。
逆回りに歩く
お散歩コースは、だいたい家を出て円を描きながら歩き戻ってくるコースが多いと思います。
そういうコースであれば、いつもと逆回りで歩いてみましょう。
家を出てから右に行くところを左へ。帰り道で見ていた景色が歩き始めに見えるだけで受ける刺激も変わってきます。
初めての道を歩く
長年住んでいる街でも歩いたことのない道は意外とあります。
新しい発見は、愛犬にも飼い主さんにも大きな刺激になることでしょう。
初めて歩く道ですので、周囲に気を配っての散歩になってしまうかもしれませんが、脳の活性化には最適です。
途中で細い道に入ってみる
犬連れだと避けてしまうような細い裏路地なども時々は歩いてみましょう。
迷惑にならないように注意する必要はありますが、探検しているようなワクワク感が体験できるかもしれません。
他にも、コースだけでなく歩く速度に変化を与えてみたり、後ろ向きに歩いてみたりすることも脳に刺激を与えてくれます。
我が家の愛犬も11歳になった頃から、お散歩では自ら歩いたことのない道を選んで歩いていました。ワンちゃんも本能的に刺激を求めているのかもしれません。
愛犬のためにも色々なお散歩を試してみましょう。
お散歩以外でもこんな刺激が効果的!
犬の脳に刺激を与える方法はお散歩以外にもたくさんあるので、いろいろと試してみてはいかがでしょうか。
知育玩具
おもちゃの中に入れたおやつを頭を使って取り出すものや、場所によって違う音の鳴るおもちゃなど、ワンちゃんの飽きない工夫がされていて脳も活性化します。
新しい芸を教える
もう年だからとあきらめていた芸にもう一度チャレンジしてみましょう。
または後ろ向きにバックして歩いたり、ゴロンとお腹を見せたり、普段の生活ではしない動きを教えることで筋肉と脳が刺激を受けます。
マッサージで刺激を与える
マッサージをしてあげることで体全体が刺激を受け活性化します。愛犬とのスキンシップで絆も深まります。
旅行に行く
最近は犬と泊まれる宿も増えてきました。一緒に旅行に行くことは愛犬にも人間にもとても楽しい経験です。
愛犬の体調を考慮しつつ、旅行先を探しましょう。
無理をせずに日帰りドライブでも効果はあります。
新しいペットを迎える
愛犬の足腰・気力が衰える前であれば、若い生命力の溢れた子を迎えることも大きな刺激になります。
ただし、お互いの性格などによってはうまくいかないこともあるので注意が必要です。
まとめ
ワンちゃんは、あっという間に人間の年齢を超えていきます。
あんなに元気だった愛犬がいつの間にか寝てばかりいるようになり、何事にも反応が薄くなったと感じると「年だからしょうがない」で済ませてしまいがちです。
でも犬は老犬になっても心は若いときのままで、つまづいたりソファに登れなくなったりすることがなぜなのか分からないそうです。
そんな時飼い主さんからもらえる新しい刺激は、愛犬を落ち込ませずやる気をアップさせることができます。
そんな飼い主さんの愛情がワンちゃんの健康には欠かせないものなのです。