子犬が喜ぶ遊び方
飼い主さんとの遊びの中で、特に子犬が喜ぶ遊びとはどんなものなのでしょうか?犬には「追いかける」「捕まえる」「噛みつく」という狩猟本能があります。
それらの本能を刺激し、その欲求を満たすような遊びが子犬の大好きな遊びです。
ロープ状のおもちゃで「引っ張りっこ」
目の前で動くものに対して、飛びかかり、噛み付こうとするのは子犬の本能です。そういった子犬の本能を満足させるのに、ロープ状のおもちゃは最適です。
ロープ状のおもちゃを不規則に動かすと、まるで生きているかのように様々な動きをするため、子犬は喜んでおもちゃに飛びかかります。
このおもちゃの良いところは、子犬の口と人間の手の間に距離があるので手を噛むことができず、人間の手に飛びかかる癖を付けずに済むという点です。遊ぶ時には、子犬が人間の手を噛んだら遊びをやめるということを徹底します。
子犬の歯が人間の手に当たったら遊びを一旦中断し、少し時間をおいてから「おすわり」をさせてもう一度遊びを再開します。
これを繰り返すうちに、子犬は、人間の手を噛むと遊びが続けられないことに気付き、人間の手を噛んではいけないことを学習します。同じように、子犬が興奮し過ぎて「グルグル」とうなり始めたら、手を止めてクールダウンすることも教えます。
ボールを使って「持っておいで」
ボールを投げて子犬がそれを捕まえたら、手をたたきながら「おいで、おいで」とこちらに戻って来るように子犬を誘います。
子犬が戻ってきたら、まず誉めてあげて「ちょうだい」と言いながら、ご褒美(おやつやフード)とボールを交換してあげましょう。
これができたら、次は「ちょうだい」と言いながら何も持っていない手を近づけ、子犬が口からボールを離したら、奪い返せないようにボールを隠し、ご褒美を与えます。
ご褒美とボールを交換したら、食べ終わるのを待って、また遊びをスタートさせます。ご褒美を与える、与えない、を繰り返しながら、最終的にはご褒美が無くても、子犬にボールを持ってこさせるようにします。
「持っておいで」と指示する時も、「○○を持っておいで」と持ってくる物を指定すると、犬がその物を考えて選ぶことができるようになります。
このように、遊びの中で「指示に従うと良いことがある」ということを教えましょう。
おやつを持って「追いかけっこ」
子犬は、動いているものを追いかけるのが大好きです。追いかけっこをする時に、子犬の好きなおやつやおもちゃを持って逃げることで、人の後をついて走る習慣が身に付きます。
反対に、子犬を追いかけてしまうと逃げることが習慣になり、捕まえたいときに捕まえることができなくなってしまいます。
追いかけっこをする時は、常に子犬が鬼であることが大切ですが、時々負けてあげるのも子犬を上手に遊ばせるコツのひとつです。
子犬がおもちゃを捕まえたら、ゆっくりと引っ張りっこをしながら少しの間遊んであげることで「もっと一緒に遊びたい」という気持ちを子犬に抱かせることができます。
子犬に物事を教える時は、おやつやフードをご褒美として与えることが多いですが、大好きな飼い主さんとの遊びも子犬にとっては嬉しいご褒美になるのです。
おもちゃを隠して「探してみよう」
犬の嗅覚が優れていることはよく知られていますが、犬は生活する中で情報の約40%を鼻から得ているといわれています。
この優れた犬の嗅覚を活かした遊びをノーズワークといい、嗅覚を鍛えるよい機会になります。初めはどちらかの手におやつを隠し持ち、おやつが入っている方を当てさせる遊びで嗅覚を鍛えていきます。
それができるようになったら徐々に難易度を上げていきますが、子犬の場合、難し過ぎても簡単過ぎてもすぐに飽きてしまうので、習熟度に合わせながら隠す場所を変えていくことがポイント。
上手に見つけ出せた時には、誉めてあげることを忘れないようにしましょう。大好きな飼い主さんに誉めてもらえることで、子犬はとても喜びます。その嬉しい気持ちが次の行動へのモチベーションとなるのです。
目に見えない物を嗅覚だけで探すこの遊びは、あまり体力を使わず頭脳だけで楽しめるので、シニア犬になってもおすすめです。
欲求を満たす遊びと、頭を使う遊びのどちらもバランスよく行なう
「引っ張りっこ」や「追いかけっこ」のように犬の本能を満たす遊びだけでなく、「探してみよう」などの頭を使って判断するような遊びをバランスよく取り入れましょう。
欲求を満たす遊びで体を動かして運動量が増えると、ストレス解消に役立ちますし、頭を使う遊びは、子犬の頭脳の活性化や能力を伸ばすことに繋がります。
子犬が遊びに夢中になるおすすめのおもちゃ10選!
犬用のおもちゃには、種類、サイズ、形など様々なものがあります。年齢(月齢)が進むにつれて、おもちゃに対する興味や好みも変わるので、成長に合わせて買い替えてあげるとよいでしょう。
SUSWIM 犬ロープおもちゃ(5スーツ)
ロープ状のおもちゃで5種類のセット。丈夫で耐久性があり、遊びと同時に歯を磨くことができ、犬のお口を清潔に保つことができます。
ペットにやさしいナチュラルコットン100%使用。接着剤不使用、プラスチックやゴム組成物を使用していないので安全。汚れや傷み具合に応じて定期的に交換することをおすすめします。
Anjing 犬ロープ 噛む 犬おもちゃ
硬い釣竿型のおもちゃです。ポールの長さが26cm~68cmまで伸び縮みし、持ちやすく使いやすい構造です。2種類のロープ状のおもちゃが付いていますので、好きなサイズを選べます。
ロープ状のおもちゃの素材は天然綿を使用。耐久性も高く安全安心です。
LaRooテディ犬デンタル玩具
小型犬~大型犬用とサイズが豊富。盛り上がった表面で犬の歯茎をマッサージし、歯磨き効果と歯周病防止効果があります。また、変形せずに引っ張ることができて、かみ傷に強く丈夫。
リング型の形状でフリスビーとしても使用でき、運動不足解消やストレス解消も効果的。防水機能で水に浮き、ビーチなどでも使用できる多機能リングです。
ドギーマンハヤシ 考えて遊ぶ! 学びのたまご
おいしいにおいと透明部分から見えるフードが出そうで出ない形状で、犬の本能を刺激する知育トリーツ玩具。難易度が4段階に設定できるので飽きずに遊べます。
コンパクトな形状で持ち運びにも便利。パーツは分解して丸洗い可能なので清潔に保てます。すべる床では転がりにくいため、転がりやすい場所で遊ばせるのがポイント。
ドギーマン アミーバー ボール
超小型犬用(S)~中型犬用(M)の2種類。編み目のすき間からおやつを入れると知育玩具としても楽しむことができるボール型おもちゃ。グネグネゆがむ面白い噛みごたえが犬の遊び心を刺激します。
素材は天然ゴムを使用し、安心安全です。ボールが苦手な犬もくわえやすい形状。
Kong(コング))コングスクイークエアー
超小型犬用(XS)、小型犬用(S)、中型犬用(M)の3種類。鳴り笛入りで、音が出るテニスボール型のおもちゃです。よく弾み楽しく遊べて、運動不足やストレス解消になります。
表面素材には、犬の歯と歯茎にやさしい ポリエステルフェルトという素材を使用。原材料はゴム、プラスチック(鳴き笛)を使用。
Leeko 犬用 おやつボール
透明な部分から中の餌が見えることで狩猟本能を呼び起こすデザイン。餌の形と愛犬のタイプによって、出やすさ(穴サイズ)が調節でき、早食いを防止。遊びながら運動不足やストレスの解消ができます。
食品級ABS素材を使用し安全安心、嫌なニオイもありません。フードボールは分解して水洗い可能。お手入れも簡単で清潔に保てます。
Kong(コング) 犬用おもちゃ パピーコング
超小型犬用(XS)~中型犬用(M)の3サイズ。子犬用に開発された乳歯に優しい固さのコング。かみ心地のよいユニークな形状で、内側の空洞にあるコング独自の凹凸に、専用ペーストやフードを入れることで犬が中身を出そうと夢中になります。
天然ゴムを使用しペットが舐めても無害だが使用前に洗うこと。使用後は食器用洗剤で洗えてお手入れもラク。熱に弱いため食洗機や電子レンジの使用NG。シンナー、ベンジン等の使用不可。
DogSUDOKUスライドパズル カラフル (アドバンス)
全ての犬種対象。ピースに隠したおやつを鼻や足を使って探して、楽しく学べるパズル型知育トイ。難易度は4種類から選べます(ベーシック、アドバンス、エキスパート、ジーニー)。
老犬の脳トレや、ストレス解消、雨の日の遊び、早食い防止などに最適。ブナ材、MDF、ABS樹脂を使用。お手入れは固く絞った布で汚れを拭き取り、よく乾燥させること。水に濡らすのはNG。
Amakunft 犬 歯ブラシ 噛むおもちゃ
超小型犬~大型犬まで使用可能。丈夫なTPR素材を使用し、耐久性も抜群。歯の特性に合わせて設計されたデザインで歯垢除去、マッサージなど、犬の口腔の健康を維持するのに役立ちます。
吸盤シャーシは壁や床に取り付けることができ、固定も可能。
子犬と遊ぶことの大切さ
子犬にとって遊ぶことは、ただ単に楽しいというだけではなく、健全な心身を育てるためにとても大切なことです。
飼い主さんが遊びを通して楽しいことを教えてあげることで、子犬との間に強い信頼関係を築くこともできるでしょう。
子犬は遊ぶことで多くのことを学んでいます。2ヵ月、3ヵ月と成長していくごとに少しずつ遊び方にも変化を持たせていくのがとても重要です。
子犬に間違った遊び方を教えると後に問題行動を起こす可能性や、子犬の性格にも関わってくるので正しい遊ばせ方を知っておくことが大切です。
しつけに繋がる
犬が人間と暮らすには、最低限のルールを守らせる必要があります。そのルールを教えるのが「しつけ」です。
子犬と遊ぶ時にルールを設けそれに従って遊ばせることは、人間と暮らすためのルールを教えるのに役立ちます。
たとえば、遊び始める前に「おすわり」や「待て」をさせたり、遊びの中で「指示に従ったら遊んでもらえる」ということを教えるなど、生活に必要な合図やコマンドを、子犬はゲーム感覚で覚えることができます。
子犬に無理なく生活のルールを覚えさせることができるのも、遊びのメリットのひとつです。
社会性を育てる
子犬の脳は、生後数か月の間に大きく成長、発達していきます。新しい経験を受け入れやすいこの時期に、意識して多くの刺激に触れさせ、様々な経験を積ませることで、子犬の社会性は育っていくのです。
子犬にこの時期の遊びや経験が不足していると、社会性が育たず攻撃的になったり、逆に萎縮してしまうなど、問題を多くかかけてしまうことも。
子犬をどのように遊ばせるか、また十分に遊べているかは、子犬の性格に大きく影響するということを忘れないようにしましょう。
ストレス発散
「怒りっぽくなる」「物を壊す」「吠え癖がつく」「自分の手足を延々と舐める」などの問題行動は、運動不足や遊び不足が原因であることが多いので、子犬の頃からしっかりと遊ばせて、ストレスを発散させてあげることが大切です。
家の中でおもちゃ遊びができれば、欲求不満でストレスが溜まることも防げます。
子犬の頃に飼い主さんと遊ぶことは、お留守番をしなければならないような時など、独りで時間を過ごすための準備にもなりますので、できるだけたくさん遊んであげましょう。
子犬との遊び方で注意すること
まだ幼い子犬は、加減するということができません。遊びに夢中になると他のことが目に入らなくなり、大きな事故やケガに繋がってしまうこともあります。
子犬の間は、精神的にも肉体的にまだまだ未発達ですので、子犬が遊んでいる時は飼い主さんが側で注意して見てあげることが大切です。
過度のジャンプは控える
子犬は、肉体的に未発達で骨も細く弱いため、過度なジャンプは体に大きな負担となります。
元が猟犬であった柴犬のような犬と、チワワやトイプードルのように華奢な体格の子犬とでは、運動能力にも差があります。子犬が喜ぶからといって、過度にぴょんぴょん飛ばせないよう気を配りましょう。
引っ張りっこは様子を見ながら行なう
引っ張りっこで子犬が夢中になって興奮し過ぎたり、人の手を噛んでしまった時は、遊ぶのをやめてクールダウンさせることを忘れてはいけません。
また、飼い主さんが子犬のくわえているおもちゃを激しく動かし過ぎたり、おもちゃをくわえたままの子犬を吊り上げたりすると、子犬の首を痛めてしまう可能性も。優しくゆっくり動かすようにして、吊り上げるようなことは絶対にしてはいけません。
子犬を興奮させ過ぎない
肉体的に未発達な子犬は、血糖値を調節する機能も十分ではありません。空腹の時間が長く続くと血糖値の維持ができず、低血糖になる恐れがあります。
子犬が遊びに夢中になり過ぎて、すっかり食事の時間を忘れていたということも意外にありがちですが、低血糖になるのを防ぐために、短い時間内で遊ばせるように心がけておきましょう。
また、低血糖にはストレスが大きく影響するといわれています。遊びに熱中するあまり、ついつい興奮状態になってしまうのも子犬にとっては大きなストレスに繋がります。子犬を興奮させ過ぎないように注意しましょう。
子犬が主導権を握らないようにする
子犬と遊ぶ時の始まりと終わりのタイミングは、必ず飼い主さんが決めて常に主導権を握っておくことが大切です。
「飼い主さんを噛んだ」「吠えるなど興奮状態になった」「飼い主さんからおもちゃを奪う」など、子犬が主導権を握った時には、一旦遊びを終了します。
その後、少し時間をおいて子犬が落ち着いたところで、遊びを再開させるようにしましょう。主導権を子犬に握らせてしまうと、自分の思い通りにいかないとわがままになってしまい、指示に従わわないことで思わぬケガや事故になる可能性もあります。
愛犬に信頼してもらうためにも、主導権は常に飼い主さんが握るようにしましょう。
おもちゃ選びに気をつける
おもちゃを選ぶ時には、子犬の月齢やおもちゃのサイズ、丈夫にできているかなどの点に注意しながら慎重に選びましょう。
子犬に合わないおもちゃを選んでしまうと、誤飲や事故につながることもあります。また、丈夫でも硬すぎるものは子犬の弱い歯にはよくありません。
おもちゃは、色やデザインだけで選ぶのではなく、サイズや素材、壊れにくさ、用途などをよく考えて子犬に1番ふさわしいものを選びましょう。
独り遊びをしている時はそっと見守る
子犬がおもちゃを持って独りで遊んでいる時は、手を出さずにそっと見守ることも時には必要です。飼い主さんとの遊びの時間も大切ですが、独り遊びも子犬にとっては大切な学習の時間です。
しかし、飼い主さんとの遊び時間より独り遊びの時間ばかりを優先させてしまうと、物(この場合は、おもちゃ)に対する執着心が強くなり、くわえているおもちゃを取ろうとすると興奮してしまうことも。
飼い主さんと十分に遊んだ後も夢中で独り遊びをしている場合は、邪魔をしないで見守りましょう。
まとめ
子犬と過ごす時間は、子犬にとっても飼い主さんにとっても至福の時であることは言うまでもありません。遊びを通して飼い主さんと触れ合う中で、子犬は単に楽しいだけでなく、様々なことを学習しています。
ほんの少し心配りや工夫をすることで、安全に楽しく、遊びの中で様々なことを子犬に学ばせることができます。愛犬に関するトラブルはすべてが飼い主さんの責任です。
大切な遊びの時間を楽しみながら有意義に使って、子犬がトラブルや問題行動を起こすことのない健全な犬に育つように飼い主さんが導いてあげましょう。