犬が息切れしている状態とは
動物が生きていく上で、呼吸は欠かせないものです。あなたは日頃、愛犬の呼吸を意識して観察していますか?異常に気づくために、まずは何が正常なのかを理解することから始めましょう。
ここでは、犬の呼吸数の正常と異常の違いや、息切れの役割について紹介します。
犬の正常な呼吸状態との比較
安静時の犬の呼吸は、小型犬で1分間に約25回、大型犬で1分間に約15回、鼻で呼吸しています。
散歩など犬が活動するときは、口での呼吸が多くなります。その回数は、1分間に300~400回にもなると報告されています。もちろん、犬種や大きさによって異なるので、一概には言えません。
また、夜間など寝ているときの正常な呼吸数は、1分間に25回以下と言われています。生理現象(運動後や興奮時など)を除き、安静時でも呼吸数が1分間に40回を超えてくると危険な状態と言われています。
犬が興奮や運動で息が荒いのは自然な反応
犬が口をあけてハアハアと息をすることを「パンティング」といいます。パンティングは体温調整をするための重要な役割を担っています。
犬は人間と違い、皮膚に汗腺がありません。そのため、パンティングをすることで体の熱を外部に放出し、体温を下げているのです。つまり、犬は体温調節が苦手ともいえます。飼い主はそのことを理解しておきましょう。
パンティングの役割が理解できたら、散歩や運動後に上昇した体温を下げるために、息が荒くなるのは自然なことだと安心できますよね。健康であれば、時間とともに、呼吸は落ち着いていきます。
散歩や運動だけでなく、うれしくて興奮したとき、マウンティングしたとき、長時間日向ぼしたとき、夏の気温が高いとき、出産後などにもパンティングが起こることがあります。
異常なパンティングを見極めるためには、自然に発生するパンティングを理解することが重要となります。
犬が息切れする原因
犬の正常な呼吸と異常な呼吸の違い、息切れの役割についてご理解いただけたと思います。次に、息切れが頻発する具体的な5つの要因について説明します。
熱中症による高体温・脱水状態
犬は基本的に暑さに弱い生き物で、気温25℃、湿度60%を超えると熱中症の危険性が高まります。
体温が上がると、体はパンティングをして体温を下げようとします。しかし、気温が高いと周囲の熱い空気も取り込んでしまい、うまく熱を放出できなくなり、熱中症になってしまうのです。
熱中症になると呼吸が荒くなり、そわそわと落ち着きがなくなったり、ぼーっとしたりする症状が現れます。また、体内の水分が過剰に放出されることによる「脱水症状」も起こり、嘔吐や下痢を起こすことがあります。
また、日差しの強すぎる場所で日光を浴び続けると、熱中症や脱水症状を引き起こすことがあります。特に、体があまり動かせない老犬が、長時間日差しを浴び続けて息切れをしている場合は要注意です。
恐怖や緊張からくる精神的なストレス
犬が恐怖・不安・緊張などの精神的ストレスを感じ、パニック状態に陥った時にも息が荒くなります。ストレスの原因は個体差がありますが、例えば雷や車などの大きな音や普段聞きなれない音などがあります。
精神的ストレスを抱えている場合は、息切れのほかに、あくびや舌なめずり、耳を後ろに倒して姿勢を低くする、隠れようと逃走するといった仕草や行動が見られます。
肥満による疲労感のアップや呼吸器系の圧迫
「肥満体系」や「短頭種」はパンティングを起こしやすいといわれています。
「肥満」になると、重い体重を支えるために必要以上に体力や筋力を使います。そのため坂や階段、走るときなど普段より活動的に過ごしたとき、気温や温度が高いときは息が荒くなりがちです。
また、肥満犬は脂肪が首周りにつくことで、気道が圧迫されて、余計に呼吸がしにくくなることも多いので、日ごろから適正体重を保つことを意識してください。
「短頭種」とは、いわゆる「鼻ぺちゃ犬」です。頭蓋骨の長さの幅に比べて鼻の長さが短い犬種のことをいいます。
- ブルドッグ
- フレンチブルドッグ
- パグ、ボストンテリア
- シーズー
- ペキニーズ
- チワワ
- マルチーズ
- ポメラニアン
この短頭種に属する多くの犬種が、実は短頭種気道症候群(たんとうしゅきどうしょうこうぐん)と呼ばれる呼吸器に問題を抱え、病気を発症する可能性があります。
短頭種は鼻腔(鼻の穴)が狭く、口や喉の長さも短く、気道がふさがれやすいので、体温調整が困難で熱中症になりやすく、息切れがしやすい傾向にあります。
老犬や子犬の体力不足
犬も人間と同じように心肺機能が十分に保たれていないと、ちょっとした運動でも息切れを起こしてしまいます。
子犬の頃から適切な運動と十分な食事を与えていないと、簡単に肥満や痩せすぎになり、体力や筋力が低下してしまいます。これらは体力不足の原因だけでなく、病気の原因にもなりかねません。
老犬の場合、年齢とともに身体機能が低下するのは当然であり、珍しいことではありません。しかし、体力不足は、子犬でも老犬でも、工夫を加え、適正な運動量を理解して、体力を高め、維持することで防ぐことができます。
病気や痛みの発生
息切れは、病気や疾患、心臓や呼吸器系への外傷による痛みでも見られることがあります。
例えば、心臓の病気であれば僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)、呼吸器系の病気であれば気管虚脱(きかんきょだつ)などです。
特に僧帽弁閉鎖不全症は、シニア期以降の小型犬の死因の上位を占めています。その中でもキャバリアやチワワなどは、シニア期になると心臓疾患が増えやすい犬種ともいわれています。
その他、フィラリア症、何らかの原因による痛みや外傷(肋骨の骨折、交通事故など)、吐き気、腹水、肝臓腫瘍などが呼吸が荒くなる原因として挙げられます。
悲しいことに、犬が亡くなる直前、息を引き取る瞬間にも呼吸が荒くなるといわれています。
これまでご紹介したように、呼吸に影響を与える原因はさまざまです。明らかにいつもと違う息切れを早期に発見できるよう、日頃から愛犬をよく観察しておくことが大切です。
犬の異常な息切れを見極めるポイント
息切れが多くなる原因は理解できたかと思いますが、その中でも命に関わる危険な息切れもあります。
ここでは、異常な息切れを見分けるポイントや、どのような場合に受診すればよいかを解説します。もし、愛犬の息切れに異変を感じたら、次のような症状がないか注意深く観察しましょう。
- 肩を大きく揺らすようにしてゼーゼーと呼吸する
- 何もしていないのに(普段と変わらない運動量なのに)息切れしている
- 舌の色が紫色や濃い赤に充血して、チアノーゼや高体温を示している
- 暑くないのに息切れが止まらない
- 息切れが治まらず、横になって休んだり寝たりすることができない
- 長い時間、咳やパンティングが続いている
- 震えが止まらず、何回もあくびをする
- いつもよりよだれの量が多く、止まらない
- 痙攣やふらつき、嘔吐がみられる
- 寝息が荒い(急にイビキをするようになった)
- 一時的に息が詰まる、もしくは息が止まる
- いきなりむせて、苦しそうにしている
- 血尿(熱中症が重症化して血尿がみられるときがあります)
- 水をがぶがぶとよく飲んで荒い息がみられる(胃拡張や胃捻転の可能性がある)
明確な要因がはっきりせず、息の仕方がおかしい、いつもよりパンティングがひどいなと感じ、これらの症状が1つでも当てはまる場合は、すぐに病院で診察を受けてください。
余裕があれば、愛犬の異常な行動を動画で撮影しておくと、診察の際に役立つと思います。
犬が息切れしているときの対処法
実際、上記のような症状が出たとき、応急処置として家庭でできることを知っておくことは、いざというときの備えとして重要です。ここでは、具体的な対策を3つご紹介します。
犬を涼しい場所に移動して休ませる
犬が熱中症で息切れを起こした場合は、速やかに涼しい場所に移動して休ませてあげましょう。その際、「日陰、水や氷、風通しの良い」の3点が重要になります。
自宅で熱中症になった場合は、エアコンを使って室温を一定に保つようにし、日の当たらない場所に移動させ、水を飲ませるようにしましょう。ただし、無理に水を飲ませることはしないでください。
また、頭、首、喉、脇の下、お腹、内股など、太い血管がある場所を氷のう(ビニール袋に水と氷を入れたもの)や保冷剤で冷やしましょう。
もしくは、水を含ませたタオルを犬に巻きつけて風を当てるのも効果的です。ただし、冷やしすぎに注意してください。
犬が呼吸しやすい姿勢を取らせてあげる
心配だからと無理に抱っこして体勢を変えようとすると、余計に呼吸がしにくくなる体勢になってしまうことがありますので、ご注意ください。
基本的には、揺れのない安定した場所で、犬の好きな姿勢をとらせてあげるのが一番です。呼吸がしやすい姿勢はうつ伏せで、横向きや仰向けは肺が圧迫されると言われています。
また、あごの下にタオルなどを敷いてあげると呼吸が楽になることがあります。
動物病院に連れて行く、獣医師に指示を仰ぐ
犬が苦しそうにしていると、飼い主は時にパニックに陥り、冷静な対処ができなくなることがあります。自分一人では判断がつかない場合がほとんどですので、すぐに犬を病院に連れて行きましょう。
また、動物病院に電話をして、応急処置としてできることを獣医師から指示を受けるという方法もあります。
電話をかける際には、健康手帳などを手元に用意し、体重や犬種などの基本情報、病気の治療歴や使用している薬などを伝えると、獣医師がより的確な指示を出しやすくなります。
事前に最寄りの動物病院の電話番号を調べておき、緊急時にすぐに電話できるように準備しておくとよいでしょう。
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実際に使用された方のレビューにも
「元気に走り回るようになった!」
「散歩に行くようになった!」
などの反響があります。
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まとめ
息切れは、生命に直結する大切な役割を担っています。愛犬の息切れが自然によるものか、病気によるものかを見極めるには、日々の観察が大切です。
また、愛犬がかかりやすい病気を把握することも大切です。息切れの異変に気づいたら、軽く考えずに早めに動物病院を受診してくださいね。