「不眠・歯が欠ける、抜ける」は栄養失調が原因?
栄養失調と聞くと、鎖骨やあばらの骨はむき出し、髪も抜け、目がうつろなやせ細った姿を誰もが想像するでしょう。
もちろんそれも間違いではないですが、栄養失調になると「不眠」「歯が欠ける、抜ける」などの症状が出てきます。
一見栄養失調が原因ではないような症状も、栄養不足からきていることも多いのです。
では、なぜ食べ物が豊富にある現代で、そのようなことが起こるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
栄養失調になってしまう原因
そもそも、なぜ栄養が足らなくなるってしまうのでしょうか。
我が家の愛犬は避妊手術をしました。
その際に「避妊したら太りやすくなるから気を付けてください」と言われました。
確かに避妊手術をしてから、太りやすくなったように思います。
なので度々愛犬の体重をはかり、ドックフードの供給量をきちんと調べたり、ご飯のときのトッピングやおやつなどにも気を付けています。
また、我が家の愛犬ゴールデンレトリバーは、元々股関節形成不全など、足腰の病気になりやすい犬種です。
足腰に負担をかけないようにするためにも体重管理は必須なのです。
私と同じように愛犬を思って、体重管理に気を使っている飼い主さんもたくさんいるのではないでしょうか。
太っているか太っていないかは、大半の方が体重で判断されていると思います。
体格がしっかりしている、筋肉が発達しているなど、自分の愛犬の体質はそっちのけで、とにかく体重を減らそうとしている方が多いようです。
お恥ずかしいことに私もその1人でした。
ドッグフードの量を減らしてみたり、カロリーや脂質を抑えたダイエットフード、シニア用フードなどを与えることによって、知らず知らずのうちにカロリー不足になっていることが多いのです。
そして知らず知らずのうちにカロリーとともに、体を作っていく上で重要な、タンパク質、ミネラル、ビタミン、脂質などの必須栄養素までも不足している状態になっているのです。
必須栄養素の「カルシウム」「リン」「マグネシウム」は犬の骨や歯をつくる栄養素です。
不足すれば骨折しやすくなり、歯も欠けたり、抜け落ちたりします。
またリンは、細胞膜やエネルギーの元ですし、酵素の材料であるマグネシウムは、皮膚のトラブルや、消化不良、代謝不良を防ぎます。
ホームセンターやスーパーなどで販売しているドックフードは、穀物が一番多く使用されているものも多く、タンパク質不足になりやすくなりますし、ヘルシー志向から脂質が少ないものも多いです。
そのようなドックフードを食べていますと、たんぱく質、脂質不足の状態が続き様々な病気を引き起こします。
ただし、パッケージに総合栄養食と記載があれば栄養基準は満たしていますので確認しましょう。基準が満たされている場合は、量が足りていない、吸収ができていないなどが原因の場合もあります。
たんぱく質・脂質が不足するとどうなるのか
- 筋肉量が減るので、体温を作れなくなる。
体温が下がると様々な病気になりやすくなります。がん細胞も体温が低いと活発になります。
- 関節の保護ができなくなり、関節痛、寝たきりになりやすくなる。
関節痛になればお散歩も困難に・・・。更に肥満にもつながりますし、心の状態にも影響が出てきます。心が安定しないと不眠にもつながります。
寝たきりの状態は床ずれになり、皮膚にもよくありません。
- 健康な皮膚が作れなくなり、皮膚病になりやすくなる。
我が家の愛犬のように、元々皮膚が弱い犬種の場合だったら大変なことになります。
皮膚病になれば毛も抜け落ち痛々しい姿に・・・愛犬のそんな姿、みたくありませんよね。
- 健康な内臓を作れないので、内臓疾患になりやすくなる。
皮膚などに比べ目に見えない部分です。気が付いた時には手遅れ…なんてことにもなりかねません。
- 免疫や酵素を作るための材料が足らないので、免疫力がなくなり、病気になりやすく栄養代謝に問題が出る。
どんな病気に対しても、「免疫力」は大切です。
体重だけで太っていると判断し、食事の量を減らすことは、『栄養』までも減らしてしまっていること、そしてそれにより栄養不足になり、様々な病気を引き起こすということをお分かりいただけたのではないでしょうか。
このように、愛犬のために…としていることで栄養失調状態になってしまうのです。
栄養失調の予防・対処方法
いつもあげているご飯で、知らず知らずのうちに栄養失調になってしまうなんて怖いですよね。
「うちの子は大丈夫かな」と私も心配になってしまいます。
まずできることは、ドックフードを購入する前に成分をしっかり確認する事です。
成分表は量が多いものから順番に表示されています。
穀物が1番多く使用されているものが意外と多いので、そのようなものは避けましょう。
犬は元々肉食動物です。
肉類が多く入っているものを選ぶのは必然ですよね。
チキン、ラム、ダック、お魚など色々あるので選ぶのも楽しいと思います。
愛犬に合ったものを選んであげましょう。
色々なたんぱく質の栄養を取るために、ローテーションして購入するのもおすすめです。
最近は生肉をあげている飼い主さんも多く見られます。
生肉は良質なタンパク質を摂取できますし、酵素もたくさん含まれています。
そしてなにより太りにくいとも言われています。
ただ、栄養失調状態の子に、手作りご飯だけだと不安なので、栄養がきちんと管理された良質なドックフードを普段は与え、たまに手作りご飯にしてみたり、生肉をトッピングしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
愛犬に栄養が足りているのか、足りていないのかは目では見えません。
けれど毎日愛犬と接しているあなたなら、表情や様子で変化がわかるはずです。
それを頼りに1度動物病院で相談してみるのがいいでしょう。
次はどのドックフードにしようか、今日は何をトッピングしようかと考えるのはとても楽しいものです。
栄養をしっかり摂り、病気の元を作らないように毎日の食事でしっかり愛犬を守ってあげましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 ちかちか
だって、獣医さんは病気を治すのが専門ですから。
食べ物のことは、飼い主が自分できちんと勉強するべきだと思いますね。
40代 女性 momo
しっかり栄養を摂りながら体重コントロールするのって難しいですよね。
サプリで補ったりしていますが、そのサプリも本当に安全なものかどうかはわかりません。。
毎日よく観察する事が大切だと思います。
女性 二条
糖尿病を患った愛犬の食事に関して、とても神経質になったのを覚えています。肥満気味だったので、低カロリーフードでまず体重を落とすようにと獣医さんに指導され、その通りフードを切り替え、量も減らしその分おからなどでかさましをして与えていました。見る見るうちに愛犬の体重は減っていき、おからは栄養も豊富だしなんていい食材なんだと喜んでいたら、気が付いた時には愛犬の体重は落ちすぎてしまっていました。
おからを連日与えていたことで消化不良になりバランスが崩れ、しっかり食べていたにもかからわらず栄養失調になっていました。
ところどころ皮膚が見えるくらい被毛のボリュームはなくなり、艶もありませんでした。食欲はあるのに少しよろめく姿を確認した時、なんてことをしてしまったんだと後悔しました。口内を確認すると薄ら白っぽく、貧血であり低血糖気味であることは一目瞭然です。
この時学んだことは、肥満だったとしても低カロリーフードに切り替えなくてもよかったこと、それに低カロリーフードにしたのに更に量を減らしてしまったこと、食事だけに頼らず運動を取り入れるべきだったこと、ひとつの食材に偏りすぎたことは間違いだった、ということです。
それからは、愛犬がちょっとぽっちゃりしてきたかなと思った時は運動を取り入れ、ご飯量を減らした時は低カロリーな馬肉をトッピングに入れるなど貧血予防にも注意するようにしています。
30代 女性 ハッピー
女性 Poi
20代 女性 はるか
女性 キャバさん
粗悪なフード<知識豊富な手作り食
…だと思いますが、それ以外では手作り食のほうが優れているようです。
フードは飼い主にとって便利なものなので、否定はしません。
私も、週2~3回は使用します。
ただ、新鮮な肉、魚、野菜なども必要みたいです。
手作り食で栄養失調になる人間がほとんどいないように、手作り食で栄養失調になる犬もほとんどいません。
私の周りは多くの飼い主さんが手作り食ですが、どの子も元気です。