1.人間の食べ物を与える
犬は甘味や脂肪分の匂いに嗜好性がありますので、人間の食べるケーキやクッキーなどのスイーツに目がありませんよね。人間の食べ物を犬に与えない方が良いと言われる理由の1つに「砂糖の過剰摂取による骨粗しょう症のリスク」があります。
砂糖の消化のためにカルシウムが消費される
体内で砂糖をブドウ糖へと変えるためには、ビタミンB群やカルシウムなどのミネラルが必要です。そのため、砂糖を過剰摂取するとカルシウムが大量に消費されて不足してしまい、骨粗しょう症の原因となる恐れがあります。人間の食べ物に含まれる砂糖の量は犬にとって多過ぎるため、人間の食べ物を愛犬に分け与えるのは控えた方が良いでしょう。
2.運動不足
骨密度を上げるためには、毎日の適度な運動が大切です。歩いたり走ったりして骨に適度な負荷をかけることで骨密度が健康に維持されます。犬種によって必要な運動量が異なりますので、その子に見合った運動を毎日行う習慣を大切にしましょう。
雨の日にお散歩をお休みする場合は、室内でできる遊びを充実させて運動不足を防ぎましょう。シニア期以降の年齢を重ねた子の場合、過剰な運動はかえって負担となる恐れがあるため注意しましょう。
3.ひなたぼっこ不足
人間と同じく、犬も日光を浴びることでビタミンDが体内で作り出されます。ビタミンDはカルシウムの吸収をサポートする働きを持つため、愛犬の骨の健やかさのためにはひなたぼっこがとても大切です。自宅の場所の関係で日光が差さないお部屋の場合、お散歩の際に日光に当たることを意識してあげると良いでしょう。
暑い夏の時期は日なたに居続けると熱中症を起こす恐れがありますので注意しましょう。カーテン越しの日光でもビタミンDの生成に効果があると言われていますので、直射日光をうまくコントロールしてあげると良いでしょう。
4.肉類おやつの与え過ぎ
健やかな骨を維持するには、カルシウムとリンのバランスが大切です。3で解説した「ひなたぼっこ不足」によるビタミンD不足のほか、リンが多く含まれる肉製品を食べ過ぎることでも両者のバランスが崩れてしまいます。
骨はカルシウムの貯蔵庫
骨は身体を支えて動かす軸としてだけではなく、カルシウムの貯蔵庫としての役割を担っています。脳が「リンよりもカルシウムが足りないぞ!」と察知すると、カルシウムを補助するために骨のカルシウムを血液中に放出してしまうことで骨がもろくなってしまいます。おやつのジャーキーの与え過ぎには注意しましょう。
5.カルシウムの与え過ぎ
骨を強くしようとして、カルシウムを摂りすぎるのも逆効果です。実は、3や4のように栄養不足による原因よりも"カルシウムの過剰摂取"による骨折の方が多く見られるという意見もあります。
子犬期のカルシウム過多で骨の成長に異常が発生する
先ほどの4で「骨はカルシウムの貯蔵庫」と解説いたしましたが、カルシウムを摂りすぎるとその貯蔵庫がぎゅうぎゅう詰めになります。身体が作られ途中の子犬の場合、そうして貯蔵庫に入りきらないカルシウムによって新しい貯蔵庫、つまり"過剰な骨"が作られてしまうことで骨の湾曲や股関節の異常が見られる恐れがあります。
子犬用フードは成犬用よりカルシウムが多く配合されている
子犬は身体が急成長しますので、子犬用のフードには成犬用よりもカルシウムが多く配合されています。そこにカルシウムの配合されたおやつやトッピングなどを追加してしまうとカルシウム過多となってしまいますので注意が必要です。
まとめ
若い頃は良くても、シニア期以降になると骨のもろさが浮き出てきます。また、若い犬であっても骨に問題が出てしまうこともあります。内臓や肉体だけでなく、愛犬の身体を支える軸である骨の健康も意識してあげることが大切です。愛犬の骨をもろくしてしまう生活習慣には、
- 人間の食べ物を与える
- 運動不足
- ひなたぼっこ不足
- 肉類おやつの与え過ぎ
- カルシウムの摂りすぎ
の5つがあります。何事も不足も過多もなくバランスが取れた生活が大切です。みなさんもぜひ愛犬の骨の健康にも注目してみてください。