犬の爪切りをしないと起こること~爪切りが必要な理由~
愛犬の爪切りが苦手な飼い主さんは多いものです。自分で愛犬の爪切りをしてあげることができないため、トリマーさんや獣医さんにお願いし、月に一回、爪切りをしてもらっている、という方もいらっしゃると思います。
一方で、サロンや病院へ行くことが面倒になり、しばらく愛犬の爪切りをしなかったことで、とんでもないことが起きてしまった、という経験をされる飼い主さんがいらっしゃいます。どのようなことが起きてしまうのか、実際に起きてしまった出来事をもとに、爪切りが必要な理由についてご説明しましょう。
1.血管が伸びてしまう
犬の爪切りをしないでいると、爪の血管も伸びます。ただし、無限に伸び続けるわけではありません。ある一定の長さまで血管は伸びます。しかし、血管が伸びてしまった後、爪を短く切ろうとしても、血管の手前までしか切ることができず、安全な長さまで切ることができなくなってしまう可能性があります。
そうすると、滑りやすくなってしまったり、転倒しやすくなってしまうなど、歩行に影響を及ぼすことがあります。骨や関節にも負担がかかりやすくなります。だからといって、爪を安全な長さまで切ろうとし、少しでも血管を傷つけてしまうと、出血や痛みを伴うため、犬に苦痛を与えてしまいます。
2.神経が伸びてしまう
犬の爪切りをしないでいると、血管だけではなく、爪の神経も伸びます。無限に伸び続けるわけではありません。ある一定の長さまで神経は伸びます。
そして、血管と同じように、神経の手前までしか切ることができず、安全な長さまで切ることができなくなってしまう可能性があり、歩行や骨や関節に影響を及ぼすことがあります。トリマーさんや獣医さんによって、長く伸びた爪が犬に悪影響を及ぼすと判断された場合、血管や神経を傷つけてでも、爪を短く切る、という処置が行われることがあります。
3.爪が肉球や皮膚に刺さる
犬の爪切りをしないでいると、爪が少しずつ巻くように伸び、肉球や皮膚や突き刺さります。爪が肉球や皮膚に突き刺さった状態で病院へ来るケースもあります。
なぜ、そのような状態になるまで飼い主さんや家族は気づいてあげることができなかったのか、不思議なくらいですよね。外で飼われ、鎖やリードに繋がれたまま、お散歩にも連れて行ってもらえない、お手入れをされたこともない、そんな犬に多いようです。
爪切りが必要ない犬もいる!?
結論から言うと、爪切りが必要ない犬もいます。私の愛犬(体重15kg)を例に取り上げて説明しましょう。
犬の手足には、4本ずつ爪があります。歩行するとき、地面に触れる爪です。そのため、お散歩や運動をするたびに、自然と削られ、爪が伸びないことがあります。私の愛犬(体重15kg)は、手足に4本ずつある地面に触れる爪は、7年間、一度も爪切りをしたことがありません。
お散歩のときにアスファルトで削られているようで、血管ギリギリまで削られています。これには、体重も関係するようで、ある程度の体重があることで、地面で爪が削られ、爪が伸びることがないようです。
手足に4本ずつある地面に触れる爪は、確かに地面で自然と削られることがあります。だからといって、爪切りをしなくても良いということではありません。爪が伸びたままの状態でお散歩や運動を行うと、地面に触れたときの衝撃によって、爪が欠けたり折れたりしてしまうことがあります。
爪切りが全く必要ないわけではない
犬の手足にある爪の中で、もう1本、思い出しませんか?地面に触れることのない「狼爪(ろうそう)」の存在です。足には狼爪を持たない犬がほとんどですが、手には狼爪を持つ犬が多く、犬の親指と表現されることもあります。爪切りが必要ない犬もいるとして、私の愛犬(体重15kg)を例に取り上げましたが、狼爪ばかりは切らないわけにはいきません。1ヶ月に一回、もしくは2ヶ月に一回、狼爪の爪切りをしています。
まとめ
犬の爪切りをしないでいると、
- 血管が伸びてしまう
- 神経が伸びてしまう
- 爪が肉球や皮膚に刺さる
などの問題が起こります。犬の爪切りが必要な理由は、このような問題を起こさないためです。決して、見栄えを良くするためではありません。犬の安全と健康を守るためです。定期的に爪を切るようにしましょう。自宅で切ることが難しい場合は、トリミングサロンや動物病院で切ってもらいましょう。