犬のヒート(生理)について
ヒートとは?
犬の生理は、人の生理の時には使わない「ヒート」と言う言葉を使います。この「ヒート」という言葉は、本来は「発情期」のことを意味しますが、「ヒート」は経血の出血が見られる女の子の犬の場合にのみ使われます。
犬の発情期の周期と期間
女の子の犬は、およそ生後6~10か月の間に初めての発情期を迎えます。通常、女の子の発情期は個体差はありますが、受精しなくても妊娠出産する時に大きな影響を及ぼすホルモンが分泌され続けるため、3ヶ月ほど続きます。そして、その「ヒート」は、1年に2回ほどの周期で起こります。実際に出血が見られるのは、10日間ほどです。
男の子の発情期について
発情期に周期のある女の子と違い、男の子の発情期には周期はありません。男の子の発情期は、発情期を迎えた女の子が発するニオイによって引き起こされます。
犬がヒート中(生理)のときに必ず注意すべきポイント3つ
1.清潔な環境を保つ
ヒート中、自分の被毛についた生理の血を頻繁に舐めようとします。また、寝床などに落ちて浸み込んだ生理の血が被毛を汚してしまうことがあります。そう言った汚れを放置していると悪臭を放つようになるだけでなく、皮膚に炎症が起こる原因にもなります。血液で陰部周辺が汚れていたら、ぬるま湯で湿らせた柔らかい布などでこまめにぬぐい、出来るだけ清潔な状態を保てるようにしましょう。生理用のパンツやナプキンがありますので、利用してもよいでしょう。
2.十分に栄養が食事が摂れるように気を配る
全ての女の子に当てはまる訳ではありませんが、ヒート中、一時的に食欲が落ちる場合があります。その状態が長く続くと、健康を損なうかも知れません。
そうならないように、フードやおやつを変え、普段は食べない加熱した鶏肉や牛肉などを食べさせたり、フードに肉の湯がき汁を加えてふやかしたりして、「食べること」に興味を持つように工夫し、十分に栄養が摂れるように気を配りましょう。もし、数日様子を見ていてあまりにも食が細くなっているようなら、獣医さんを受診しましょう。
3.外出は出来る限り控える、あるいは男の子の犬との接触を避ける
普段あまり男の子に興味のない子でも、ヒート中は男の子に関心を示すことが多く、また、ヒート中の女の子のニオイは男の子の性欲を強烈に刺激します。お互いが興奮し合い、怪我を負うような大喧嘩に発展する危険性もありますし、なにより、発情期のほんの一瞬の油断で、妊娠してしまう可能性もあります。
最近は、大型犬でも室内で飼育する飼い主さんが増えたと思いますが、もし、避妊手術をしていない女の子の犬を外飼いで飼育していたら、発情期の間だけでも室内に入れるか、絶対に外からオス犬が入ってこないように十分に注意しましょう。
ヒート中は利用できない施設がある!
- ドッグラン
- ペット同伴で宿泊できる宿
不特定多数の犬が利用する可能性のある施設は、ヒート中は利用できないことが多いので注意しましょう。特に、旅行などに愛犬を伴う場合は、発情期を避けて日程を組みましょう。「黙っていればわからない」と発情期の愛犬を宿に連れて行くのはマナー違反であるばかりではありません。
同じ宿の中に男の子がいたら、ヒート中の女の子のニオイで興奮し、落ち着きが無くなったり、マーキングがひどくなったりするので、その男の子の飼い主さんにしてみれば、
せっかくの楽しい旅行が台無しになってしまうことになりかねません。人に迷惑をかけないためにも、また、厄介なトラブルに巻き込まれないためにも、決められたマナーやルールは必ず守りましょう。
犬のヒート中に使えるペットグッズ
生理用ナプキン、犬用おむつ
おむつ型のものもありますが、人間の生理用ナプキンのようなタイプもあります。通販でも購入可能ですが、ペットショップ、ドラッグストア、ホームセンターなどでも購入できます。
サニタリーパンツ
おむつの上からサニタリーパンツをはくことでずれを防ぐことができます。また、生理用ナプキンを利用する際には人間の赤ちゃんのおむつカバーのように使用します。通販で購入すると、いろいろな種類やデザインがあります。
また、サニタリーパンツに慣れておくと、旅行中など自宅以外の場所に滞在する際、完璧にトイレが出来ない場合でも、室内で過ごす時におむつと一緒に装着していれば部屋を汚さずに済みます。
新聞紙、ペットシーツなど
どうしても、おむつやサニタリーパンツを嫌がる子には、出血が治まるまでは部屋の中の行動範囲を制限して、家の中が汚れるのを防ぐしかありません。その際に、新聞紙やワイドタイプのペットシーツを使えば、汚れても交換するのが簡単です。
まとめ
「犬は安産の動物」と言われていますが、ヒート中は人間同様、体に変化が起こっている分、精神的にもあまり落ち着かなかったり、イライラしやすかったりして不安定になります。そう言う時こそ、愛犬が快適に過ごせるように生活環境を清潔に整え、精神的にも穏やかで過ごせるように、飼い主さんが愛情をたっぷりと注ぎ、愛犬を見守ってあげましょう。