『小型犬は散歩させなくてもいい』って本当?
犬の日常的なお世話の中でも散歩は欠かせない日課の1つです。しかし、そんな欠かせないはずの日課・散歩に、ある1つの噂があることをご存知でしょうか。それは、「小型犬は散歩させなくてもいい」というものです。
たしかに、小型犬は他の犬種(中型犬、大型犬)に比べて体が小さいため、必要な運動量も少ないことは理解できます。しかし、だからといって小型犬は散歩させなくてもいいのでしょうか。
散歩には多くの重要なメリットがある
散歩と聞くと、運動不足を解消するために行う日課というイメージが強いです。たしかに、散歩は1日中家にいる犬にとって、最適な運動不足解消方法の1つです。しかし、散歩がもたらすメリットはそれだけに留まりません。
基本的に1日中家にいる犬にとって、外に出ることができる散歩の時間はストレス発散やリフレッシュの役割も大きく担っています。また、他の犬や人と触れ合うことで社交性も育つため、生きていくために必要なコミュニケーション能力も散歩で培われます。
他にも好奇心を旺盛にしたり、シニア犬であれば認知症予防などにも効果的です。特に子犬期は多くのことを散歩中に学んだり、経験したりするため、非常に重要となります。
これだけ見ても、散歩には運動不足解消以外にも多くの役割があり、すべての犬にとって重要な日課であることがわかります。
散歩のさせすぎは足腰に負担をかける恐れも
「小型犬は散歩させなくてもいい」という話は、上記のメリットを見るだけでも間違っていることがわかります。しかし、まったく間違っているというわけではありません。
小型犬は体が小さいため、必要な運動量は他の犬種に比べてとても少ないです。基本的に、必要な運動量は、家の中を歩き回ったり、遊んだりするだけでも満たされると言われているのです。そのため、「小型犬は散歩させなくてもいい」説が囁かれるようになったと考えられます。
また、小型犬は足腰も弱い傾向が強いため、あまり長い距離、長時間散歩させすぎると、体へ必要以上の負荷がかかってしまい、足腰を弱める原因にも繋がります。
そのため、小型犬であっても毎日散歩に連れて行くことは、さまざまな面から見てもとても大切ですが、適切な時間、距離を基準に散歩することを心掛ける必要があります。
もしも小型犬を散歩させないとどうなるの?
今回ご紹介している「小型犬は散歩させなくてもいい」説。ここまでご覧いただいただけでも、「小型犬をまったく散歩させなくていい」というわけではないということをご理解頂けたと思います。
では、もしも小型犬を散歩させなかった場合、どうなってしまうのでしょうか。まず、ずっと家に閉じこもった状態になってしまうため、リフレッシュができず、ストレスを溜めてしまいます。すると、攻撃的になったり、もんだい行動を起こしたりするようになるのです。
また、散歩中に他の犬と触れ合う機会がないため、臆病な性格になってしまったり、社交性を身につけることができなかったりと、さまざまなデメリットが生じる可能性が高いです。
動物病院で他の犬に出会った際、必要以上に怯えてしまったり、他の犬への接し方がわからず、攻撃的な行動を引き起こす恐れもあるのです。
また、小型犬が必要とする運動量は少ないと話しましたが、犬種によっては中型犬と同等の運動量を必要とする犬種もいます。ジャックラッセルテリアなどがまさに当てはまります。
このような犬種は、散歩に行かないことで運動不足となり、他の小型犬以上にストレスが溜まってしまう恐れがあるので、要注意です。
小型犬の散歩で心掛けたいポイント
以上をまとめると、小型犬は1日1回、比較的少ない量で良いので、リフレッシュ、社交性を養う目的で散歩に連れて行く必要があります。
しかし、先ほどお話しした通り、小型犬は他の中型犬、大型犬と比べると、足腰が弱い傾向があります。そのため、基本的に1日1~2回、1回の散歩を15~30分程度を目安にし、適切な量の散歩をさせてあげることが重要です。
また、無理に段差などを上らせる必要はありません。下りた拍子に足を傷めてしまうこともありますし、怪我をせずとも負荷がかかってしまう原因となります。愛犬が躊躇しているようであれば、無理強いせず、飼い主が一度抱っこをし、上り下りしてあげましょう。
まとめ
今回ご紹介したように、小型犬もできるだけ毎日散歩に連れて行く必要があります。しかし、無理に長い距離を歩かせたり、嫌がっているのに無理矢理連れていく必要はありません。あくまで、リフレッシュや社交性を養う目的で散歩させてあげましょう。