フケが出ている
トリミング後の白い粉の正体は「フケ」である場合が多いです。
症状
- 毛の奥の皮膚から出てくる
- ブラッシングすればするほど出てくる
- 皮膚に湿疹がある
以上のような場合にはフケである可能性が高いでしょう。フケは粉というより、大きめのかけら状で皮膚からはがれ落ちることもあります。黒い毛の子は特にフケが目立ちやすいため気付きやすいです。
また、皮膚にジュクジュクした湿疹がある場合は、カサブタや組織液が乾いた後の少し黄色っぽい色をしていることもあります。
フケが出る原因
トリミング後にフケが出てしまう原因は
- シャンプー剤が合っていない
- 洗いきれていない、すすぎが不十分である
- 皮膚の病気
などが挙げられます。
「皮膚の病気」が原因のフケの場合は病院での受診が必要で、獣医師による治療をうける必要があります。
対処法
「フケが出ているかも」とサロンに相談し、使用するシャンプーの種類やトリミング法などを一緒に検討してみましょう。もしサロンに乾燥肌をケアするシャンプーのメニューや、皮膚の清潔さを保つのに効果のある薬浴のメニューがあれば、それらを試してみるとフケが治まる可能性があります。
しかし、皮膚病が原因でのフケの場合には病院での受診が必要です。毎回白い粉が出ている状態の場合は獣医師に診てもらい、フケのことを相談するとより確実かと思います。
普通のシャンプー剤では治らないフケ
何らかの皮膚炎が原因のフケである場合は、いくら普通のシャンプーをしても治りません。
感染性皮膚炎
感染性皮膚炎の原因にはいくつか種類があります。
- ツメダニ、疥癬(かいせん)などの寄生虫によるもの
- 皮膚糸状菌、マラセチア菌などの真菌(カビ)によるもの
- ブドウ球菌(細菌)によるもの
動物病院では何が原因なのか調べ、原因に合わせた治療薬が処方されます。我が家のワンコは「マラセチア菌」が増殖しすぎたことが原因でフケが出ていたのですが、治療用のシャンプー剤を使用していくと症状は治まり、今ではフケもなく普通のシャンプーで大丈夫になりました。
脂漏症(しろうしょう)
脂漏症とは、皮膚の代謝が活発になったり、皮脂の分泌が過剰になりベタベタした状態になってしまう皮膚の病気です。いろんな病気がもとでなる場合もありますし、特に原因がなく起こる場合もあります。
どの犬種にもおこりますが、
- アイリッシュセター
- シーズー
- アメリカンコッカースパニエル
などの犬種は脂漏症になりやすい傾向にあります。
このように原因が皮膚炎にあるフケの場合は、動物病院で処方されたシャンプー剤や場合によってはお薬などを使用して根本治療をしていく必要があります。
ベビーパウダー
現在はあまり用いないサロンが多いのですが、まれなケースとして白い粉の正体がベビーパウダーである可能性があります。
私も海外のサロンで初めて目にしました
ワーキングホリデーでオーストラリアに住んでいた時、近くのトリミングサロンでアシスタントをしていたことがありました。そのサロンではトリミングの仕上げに、ベビーパウダーをワンコのボディにパフパフはたいていたので驚きました。
なぜ犬にベビーパウダーをつけるの?
ベビーパウダーをはたく目的はいくつかあります。
- 乾ききっていない水分を吸収するため
- 今後の汚れを付きにくくし、きれいさを保つため
- 皮膚の過剰な脂を吸収しサラサラを保つため
- ほんのり良い匂いがするため
以上がベビーパウダーをはたく理由です。
犬が舐めても大丈夫?
ベビーパウダーの主な成分はタルク(滑石)やコーンスターチ(デンプン)などの天然成分なので、少し舐めたくらいでは問題はないでしょう。しかし、香料や着色料などの添加物が入っている場合は少し心配ですね。
もし飼い主さんが不安に思うのであれば、サロンにベビーパウダーの使用をやめてもらうよう伝えましょう。
まとめ
トリミング後にも関わらず、ワンちゃんの体から出てくる白い粉に戸惑う飼い主さんは少なくないようです。その白い粉の正体のほとんどはフケであり、皮膚の乾燥、サロンで使用しているシャンプー剤が合っていない、または感染性皮膚炎や脂漏症などの皮膚病が原因となっている可能性があります。皮膚病が原因でのフケは受診が必要です。また、まれに仕上げとしてベビーパウダーをはたいている可能性も無くはないため、一度サロンに聞いてみると安心です。